これからの商売(4):自動車産業(後半)

2017.10.17


ユニークで高性能、しかし高額な電気商品で急成長しているダイソンが電気自動車の製造に名乗りを上げました。
当然予想された動きが顕在化してきたということです。
自動車産業を「これからの商売」とした理由が分かると思います。
商売の優劣を決めるのは「市場」です。
しかし、「市場が望むものを供給する」では、中小企業はダメです。
それは大手企業の戦略です。
中小企業が「市場が望むもの・・」とやっても、大手の後塵を拝するだけで、成果は乏しいものです。
大手の前へ出るか、大手が出たがらない市場へ出ていくしかないのです。
大手の寡占市場の典型であった自動車市場が電気化と自動運転で激変しようとしています。
自動車産業の黎明期、国内だけで50を超える自動車メーカーがあったと言われます。
それが、今や純国産メーカーは、ほんの数社です。
しかし、電気自動車の時代を迎えると、再び50社を超えるメーカーが出現するかもしれません。
ただし、自動車市場は激変します。
本来、自動車は使うために購入されるものですが、モータリゼーションが派手になるに従い、所有することにステータスが生じ、無意味な高性能、高グレードの車が売れてきました。
かく言う私は大の車キチガイで、若い頃はレースを走ったりもして、2、3年毎に新車に買い換えていました。
最後はツインカム・ツインターボという、ガソリン車としては究極に近い構造の車を買いました。
この車、当時としては破格の260馬力というエンジンを搭載していました。
しかし、その大馬力の成果は、5km/リットルという燃費の悪さと10万円超の罰金、免許取り消し寸前の違反という”バカみたい”な結果でした。
私は、そこで、その無意味さに気付きましたが、車メーカーの意味のない競争は続き、素人では運転不可能な高性能カーまで市販車として登場しました。
それがガランポンとなって、市場全体が大きく変わる時代に入ってきました。
車の格好も従来とは全く違うデザインになってくるでしょうし、「所有から使う」へ、市場そのものが激変してくると思います。
私は、こうした新しい概念の自動車が自分の商売にどう利用できるかを考えています。
商売を考えるネタが増えるのは良いことです。