価格競争に勝てる『建設生産システム』(7)顧客ニーズに応える

2013.07.31

アマゾンの創始者、ジェフ・ベゾスCEOは、アマゾンが応えるべき顧客ニーズは次の3つだと、明確に言い切っています。
(1)「豊富な品揃え」
(2)「エブリデー・ロープライス(いつも低価格)」
(3)「コンビニエンス(利便性)」

ここまで、本シリーズのキーワードは、「社会情勢の変化」と「劇的な技術革新」でした。
ここに上記の3つを加えるべきか・・
読者のみなさんは少し考えてから、本文を読み進んでください。

業界によって、新たな3つのキーワードは、違うものが思い浮かぶかもしれません。
それならば、その言葉に変えてみてください。

建設産業なら、そうですね。
以下の3つに変えてみましょうか。
(1)「豊富な実績」
(2)「イン・アン・エリア・ロープライス(地域で一番低価格)」
(3)「コンビニエンス(利便性)」

読者のみなさんは、上記の(2)に抵抗があるでしょうが、この演習を分かりやすくするためです。
少々がまんしてお付き合いしてください。

さて、今までの2つのキーワードと合わせて並べてみましょう。
(1)社会情勢の変化
(2)劇的な技術革新
(3)豊富な実績
(4)イン・アン・エリア・ロープライス(地域で一番低価格)
(5)コンビニエンス(利便性)=地域密着

最後の「利便性」は「地域密着」に置き換えたほうがよいかもしれません。
この5つのキーワードで、今回のテーマ「顧客ニーズに応える」を考えてみるのです。
自社にあてはめて考えてみてください。
何か販売戦略が浮かんできませんか。
あるいは、自社を「このように変えてみよう」とかのアイディアが浮かんできませんか。
うまく浮かばない方は、別のキーワードに置き換えて、また眺めてみてください。
そうです。思い付くまで(3)~(5)のキーワードは変えてよいのです。
固定は(1)と(2)だけなのですから。

日々新たなお客を探し続けている会社は、「顧客ニーズに応える」ことの重要性を肌で感じています。
しかし、多くの建設会社はそうではありません。
市場ニーズには鈍感な会社が多いのです。
また、公共工事主体の会社や昨今のように急に仕事が増えだした会社は、「もう仕事は取るな!」と営業に指示したりしています。
しかし、公共工事であれ民間工事であれ、市場の中に入ってみれば、最終の顧客は普通の一般市民であることが肌で分かります。
「もう仕事は取るな!」と言っている会社は、真のエンドユーザーと自社との距離がどんどん空いていることに気が付くでしょう。
それでは、「顧客ニーズに応える」会社にはなれません。

さて、どうでしょうか。自社の新たな戦略が思い付きましたか。
紙面が尽きたので、先の話は次回とします。
次回は、特に(4)「イン・アン・エリア・ロープライス(地域で一番低価格)」のキーワードを中心に話を展開したいと思います。