「コンビニエンス(利便性)=地域密着の建設業」(6)小さな工事で儲ける法(その続き)

2014.03.31

建設業界では「小工事は手間ばかり食って儲からない」が定説でした。
それを「儲ける仕事」に変えた会社の話を前回から始めています。
まず、そのポイントを復習しましょう。
そのポイントとは、
(1)確実に儲けが出る見積書を作る
(2)お客様の予算(腹づもり程度で良い)を推測する
(3)無駄を出さない施工計画の作成とフォロー
です。

これを実践するやり方も、前号で以下のように紹介しました。
(1)それまで個人任せだった原価算出を「クッションゼロ」式原価計算のミニ版を使う方法に統一
(2)労務単価や機械の使用単価を統一
(3)必要経費や必要利益の比率などを統一
と、3つの統一基準を作成しました。
この実行準備までが「儲かるようにする工夫」の段階です。

ですが、次の「実行する努力」がなければ、何も起きません(当然ですが・・)。
しかし、この努力が継続しないのです。
この会社でもそうでした。
どうしてでしょうか。
今回は、この原因を考え、実際に行なった是正策を見ていきます。

まず第一の原因ですが、ベテラン監督たちの反発です。
「こんな手間なんか掛けてられるか」
「今までの経験で『エイヤッ』でいいんだ」
このように、今まで、いいかげんな算出で赤字を出していたことは棚に上げて、不満が噴出しました。
小工事に手間を掛けることはベテランとしての誇りが許さない、というような雰囲気すら漂っていました。
そこで、ベテランたちにやってもらうことは諦めました。
代わりに、今まで成績は上げられずに窓際になっていた人を「小工事専任」として抜擢しました。
彼に上記の管理手法を教え、実直に実行してもらいました。

この管理方法は、経験があることがかえって害になるという側面があります。
それより、実直に、先に上げた3項目を淡々と実行してもらうほうがよいのです。
「工夫」は準備段階で行い、実行段階では臨機応変の工夫を行わないことが大事なポイントなのです。
これが小工事を「実行する努力」ということです。
ですから担当者は、従来型のベテランでないほうが良いのかもしれません。

では、第二の原因とは何でしょうか。
それは、「実行した努力」の結果が見えないことです。
こう書くと、「ウチは見えてる」と仰る方が多いと思います。
でも、「では、その結果を見せてください」というと、前年度の決算書だったりするのです。
小工事の見積り内容と原価内容を工事ごとにデータ化して、しかも、そのトータルを、いつでも見えるように管理している例にお目にかかったことがありません。
「結果が見える」ということは、このレベルにまで達していることを指すのです。

いかがでしょうか。
小工事は数が多くなりますので、「そんなこと無理だ」と言われますか。
「管理費用がかかって、やれないよ」という声も聞こえてきそうです。
この会社では、「クッションゼロ」式原価計算のミニ版をアレンジしたソフトを使って、この問題を克服しました。
前号で説明したように、このソフトは、工事に必要な作業員や重機、材料の数量を割り出すだけで、見積を自動で作成し、日報を入力することで原価を把握し、工事ごとの利益やトータル利益を計算してくれます。
さらに、規定された利益に達したか否かの一覧表を作成し、全体収益とともに表示してくれます。

このように「見える」ことが大事なのです。
利益の結果を見続けることで、利益を上げることを邪魔していた障害が分かってきます。
ここまでやって「実行した努力が見える」というのです。