小さな会社の大きな手(14):投資資金の確保

2016.06.17

戦略投資の最大のポイントは資金確保です。
「そんなことは当たり前」ですね。
でも、もう少しだけ考えてください。
 
たとえば、富豪が行う戦略投資の成功率は高いでしょうか。
明確な統計データは知りませんが、「たいてい失敗」していると思います。
そのような富豪の失敗例は多く聞きますが、成功例の話を聞いたことがありませんから。
 
「そんなことはない」と言われるかもしれませんね。
たしかに、大企業や資金豊富な企業が行った成功例はたくさんあります。
富豪が資金を出した成功例もたくさんあります。
しかし、富豪自らがリーダーとなって行った事業の成功例を聞かないのです。
 
企業の場合、社員の中から責任者が任命されて行う例がほとんどでしょう。
その失敗は、クビか左遷か窓際に直結するという“後のない”状況だったはずです。
 
要するに、戦略投資が成功するためには、「失敗が許されない」状況が必要なのです。
いわゆる「背水の陣」です。
だから、経営者自らが行う戦略投資の資金は、自前ではダメなのです。
自前の資金で出来る投資は、経営者自らが行うのではなく、だれか責任者を任命して行わせるべきです。
そして、失敗した場合は・・、当然、厳しい処分が必要です。
 
自前の資金では出来ない大きな戦略投資こそ、経営者自らがリーダーとなって行うべきものです。
そして、そのような社運を掛けるような大きな投資は、失敗すれば返済不能となるような借入金で行うべきなのです。
それでこそ、シビアなプロジェクトとなるのです。
 
創業当時の弊社は、そのような原則を知らず、自己資金を中心とした資金で商品開発を始めたのです。
だから失敗を重ねたのです。
1億円を失ってようやく自分の愚に気付いたわけですから、”おめでたい”経営者だったわけです。
 
それからは必死の融資交渉を続け、借入金による商品開発を継続しました。
しかし、追加融資も使い切る事態に追い込まれ、倒産が頭にちらつきだした時に奇跡が起きました。
とある会社の社長から資金提供を受けたのです。
 
何年もの時間が経ってから、この時なぜ資金提供をしてくれたのか聞いたことがあります。
その社長はこう言われました。
「自分の業界は成熟産業だ。これ以上の投資をしても効果は薄い。一方、君のやっている事業のことは正直よく分からん。だが、これから伸びる産業だ、ぐらいは分かる。だから、君に投資しようと考えたのだ」
 
今の弊社は創業から26年経ちましたから、一般にはベンチャーと言えないかもしれません。
でも、その頃は、まだ創業から3年目でしたから、ベンチャー企業でした。
ベンチャーが成功するには、幸運とスポンサーになってくれる存在の2つが必要なのだと思います。
今をときめく成功者の方々にも、そのような存在がいらっしゃった話をよく聞きます。
 
これから創業を目指す方に申し上げたい。
あなたには、スポンサーとなるような方がいらっしゃいますか?
「思い浮かばない」なら止めたほうが良いと思いますよ。