2024年1月15日号(国際、政治)

2024.01.31


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2024年1月15日号
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発行日:2024年1月15日(月)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2024年1月15日号の目次
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◇台湾総統選
◇パーティー券は、そもそも裏金?(後半)
◇自民党総裁の座
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今年最初の号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
元旦に起きた能登地震。地震に対する備えの難しさを痛感させられました。
大きく波打つ道路の損壊映像を見るにつけ、自然の力に対する無力感を感じます。
一方、映像で見る限りですが、古い住宅の耐震性能がほぼゼロのような倒れ方が気になりました。
倒壊を防ぐことは無理でも、人命を救う対策は可能です。
考えたいことです。
 
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┃◇台湾総統選                       ┃
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注目の台湾の総統選ですが、民進党の頼清徳(ライチンドオー)氏が当選しました。
頼氏は、現総統の蔡英文氏の副総統で、蔡氏と同じ路線を踏襲すると見られています。
また、日本の政治家との関係を重視し、知人も多い人物ですから、日本への期待感はより大きくなると思われます。
習近平政権は激しい選挙介入を行いましたが、そのやり方を見ていると、民主主義の国で育った人々の意識をまったく理解していないことが分かります。
すぐに分かるようなフェイクニュースを乱発し、台湾の野党幹部やコメンテーターを買収して発言させたり、軍事侵攻をほのめかしたりと露骨なやり方が反発を招き、逆効果だったようです。
 
台湾国民は、中国による軍事侵攻を恐れながらも、自由と民主主義を守る信念は固いのです。
だが、中国の軍事侵攻を自力だけで撃退できるわけはなく、日米両国の支援に期待する姿勢も顕著です。
その台湾の最大の懸念は、11月の米国大統領選挙の行方です。
トランプ氏が再選されると、台湾を見捨てる可能性があるからです。
「ウクライナへの支援は止める」との発言から分かるように、トランプ氏には自由民主主義を守るリーダーとしての自覚は皆無です。
再選された場合、「自分さえ良ければ後のことは知らん」の姿勢が1期目よりも深まることが懸念されます。
 
今後、習近平政権は、今回の失敗を挽回しようと露骨な軍事圧力を強めてくるでしょう。
さすがに、いきなり上陸作戦は無いでしょうが、本気と思わせるような瀬戸際作戦が増えてくることが確実視されます。
もしかすると、海上封鎖に近いような大規模軍事演習を、台湾を囲む形で行う可能性すらあります。
しかし大統領選を控えて内向きになる米国に大きな期待ができなくなる2024年は、日本の役割が重要になってきます。
それが分かっている中国は、親中派が多い自公両党への懐柔策を強めてきています。
また、辺野古移設を巡る沖縄県の姿勢は「利用できる」として、水面下での介入を深めています。
中国による尖閣諸島への侵入を一切批判しない玉城知事の存在が利用されるのは明らかです。
 
外交と安全保障は、県ではなく国の専権事項です。
習近平政権が続く限り、中国の瀬戸際行動はエスカレートする一方でしょう。
その結果、偶発的な軍事衝突が起きる可能性が大きくなります。
日本国政府は、台湾および尖閣諸島への軍事侵攻が起きた場合には、躊躇なく防衛行動を起こす姿勢を内外に示すべきであり、実質的な防衛力の強化は必須です。
現在の中国に対しては、それが戦争を防ぐための一番の抑止力です。
 
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┃◇パーティー券は、そもそも裏金?(後半)         ┃
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キックバック問題で沈黙が続く清和会(安倍派)ですが、積極財政派が多い同派の凋落を一番喜んでいるのは財務省でしょう。
インボイス、電子帳簿保存法に続く財務省の増税戦略は、まだまだ続くと思われますが、そのターゲットになっているのは個人事業主と中小企業です。
「中小企業は半分消えるべきだ」と暴言を吐く幹部もいて、賛同する評論家もいます。
それに呼応するかのような経団連の視野の狭い思考にも危惧を覚えます。
 
ところで、脱税の視点でパーティー券のキックバック問題を調べましたが、「受け取った現金が課税対象になるかどうか」は、それが個人の所得かどうかによって異なるようです。
つまり、キックバックを選挙費用の名目で受け取り、全額を政治活動で使い切った場合は、個人の所得ではないので確定申告の必要は無く、脱税とはなりません。
ただし、政治資金報告書で収入と支出の金額をすべて報告する義務があります。
これを怠った場合は政治資金規正法違反となりますが、税法違反とはならないということです。
 
一方、受け取った現金は「あくまで個人の所得」と主張する場合はどうなるのでしょうか。
国税庁は、公式見解では「個別案件については答えられない」としていますが、「一般論としては」と断った上で「確定申告の必要がある」と答えていますので、確定申告に載せない場合は脱税となります。
これは、地方議員や個人が国会議員からおカネを受け取った場合も同じで、確定申告に載せないと脱税となります。
これで摘発された場合は「申告漏れ」や「所得隠し」として加算税がかかりますが、それだけです。
ただし、悪意を持って税金がかからないように多額の所得を隠した場合は、所得税法違反(脱税)として起訴される恐れがあります。
ただ実際に起訴されるかどうかは、1000万円が分岐点のようです。
 
2019年の参議院選挙の違反で起訴されている河井克行・河井案里夫妻の場合、夫妻に買収された100人のうち40人の地元議員は、合計で1680万円を受け取ったとされていますので、一人あたり平均は42万円となります。
この低い金額ゆえか、彼らはまだ一人も起訴されていません。
もし、起訴されて罰金刑以上の刑が確定すれば失職となりますが、起訴自体が見送りになる公算が強いと言われています。
このうち、首長と町議の計4人は自主的に辞職しましたが、残る36人は、おそらく起訴もされずに、今のまま職にとどまるものと思われます。
しかし、買収側の河合夫妻が買収の意図を認めれば、金を受け取った36人も起訴される可能性がありますが、河井夫妻は否認しています。
 
個人的には、こうした金銭授受は「汚い行為」と思っていますが、マスコミのように大衆を煽りリンチ状態にすることが良いとも思いません。
法治国家である以上、その法に不備があるとしても、法で裁くことが大事なのです。
 
しかし、ここで国民は過去の記憶を思い返すべきです。
議員個人に対する多額の政治献金が政治腐敗の温床になっているとして、1994年
に政治献金を制限する目的で、政党に対し国庫(税金)から政党助成金を支給す
る法案を通したわけです。
その政党助成金をもらいながら、結局、政治資金集めのパーティーが復活し、年
々派手になっている現状に、「なんのこっちゃ」と声を上げるべきです。
 
他にも政治家に対する甘い規則は山ほどあります。
議員が報酬とは別に受け取っている「文書交通費」も、かつて批判の的になりましたが、結局深く追求することもなく、領収書もいらない“いいかげんさ”はそのままです。
この中には、正当な議員活動に使われずに議員の懐に入っている金額がかなりあると言われています。
でも、鳴り物入りで始まった政治刷新会議では無視するのでしょうね。
 
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┃◇自民党総裁の座                     ┃
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岸田首相は、粘り腰で首相の座にしがみつくつもりなのでしょうか。
始まった政治刷新会議も、派閥解消が1丁目1番地であるはずなのに、そうした声はまったく聞かれません。
 
派閥解消論者である菅前首相が最高顧問に就き、どのような発言をするかが注目されましたが、第1回の会議では目立った発言はしませんでした。
代わって存在感を増すと言われているのが、もう一人の最高顧問に就任した麻生太郎副総裁です。
国民からすると「まだ引退しないのか」と言いたいところですが、後ろから岸田首相を操縦する面白さに浸っているようです。
もちろん、麻生氏は派閥存続派です。
今後、菅前首相とのバトルがあるのかどうかが気になるところです。
 
しかし、会議メンバー38人のうち無派閥議員は10人で少数派です。
一方、安倍派だけで10人入っていますが、派閥存続に必死で、麻生氏の言いなりでしょう。
もう結論は見えたようなものとの声も聞かれます。
 
こうした“目眩まし”会議の上に乗って9月の総裁選まで延命を図る岸田首相の意図が透けて見えます。
あわよくば、有力な対抗馬がいない現状を先延ばしし、再選すら果たそうと考えているでしょう。
支持率が10%台に落ち込めば、さすがに「やばい」となるでしょうが、それでも全党員による選挙を避け、国会議員だけの選挙にすれば、派閥存続で再選されると踏んでいるようです。
さらに、麻生氏の主導による派閥のボス談合になれば、さらに可能性は高くなると見ているでしょう。
野党がまったく国民の支持を得られていない現状では、自民党の総裁選で首相が決まってしまいます。
 
しかし、こうした政治体制では国の内外の難題に対処することが難しくなってきます。
国際情勢の不安定さが増す中で、武器輸出三原則の見直し、憲法改正、経済の新機軸の構築、皇室典範の改正など、多くの問題が山積みのまま放置されています。
こうした無責任な政治を覆すことが出来るのは国民だけです。
そして、それが民主主義の根幹のはずです。
自分の政治的信条は横に置き、直近の方向だけを見て、総裁選の結果を分析し、やがて来る総選挙に臨もうと考えています。
 
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<編集後記>
プロ野球・西部ライオンズの山川穂高選手のソフトバンクへの移籍に対する人的補償(嫌な言葉ですね)で、一時、和田毅投手の名前が上がり、驚きました。
同投手は2012年にトミージョン手術を受けましたが、そのすぐ後に、私も同じ手術を受けました。
それも同じ左腕です(あまり関係ありませんが・・)。
当時、和田投手は画像付きでこの手術前後の経過をブログに載せていました。
私は、自分の手術の参考になったことで、以来、同投手のファンになりました。
イメージの悪い山川選手と並列で報道されたことは心外でしょうが、こんな騒動に負けずに、今年も含め長く活躍されることを期待します。
 
 
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