商品開発のおもしろさ(16):コンピュータの話(その1)

2021.10.18


弊社の主力商品は、建設企業向けの基幹業務パッケージソフトウェアです。
つまり、工事の原価管理や財務管理、営業支援や見積作成、その他の機能をパッケージにしたシリーズ商品です。
建築設計を柱として始めた創業でしたが、その後、事業の主軸をソフトウェア開発に移したことで高収益の企業となり、その収益資金と借入金でパッケージ商品の開発へとさらなる方向転換を果たしたことで、今日の弊社があります。
その二度の転換を促した原動力は「商品開発のおもしろさ」です。
 
ここまで様々な商品開発の話を続けてきましたが、今回からコンピュータおよびソフトウェアシステムの話をします。
 
私は、大学で初めて扱った時から半世紀以上、コンピュータと付き合ってきた人間です。
それより以前、小学6年の時、科学雑誌でパスカル計算機が世界で最初に発明された計算機だと知り、同じものを自作しました。
この計算機は、複数の歯車を組合せた動きで掛け算、割り算まで出来ました。
このパスカル計算機の基本原理は現代のコンピュータでも同じです。
その意味から言えば、60年以上、コンピュータと付き合ってきたことになります。
 
その原点となるパスカル計算機の発明者パスカルは、「パスカルの原理」で有名な物理学者であり、また、「パンセ」などで有名な哲学者でもあります。
それだけでなく、思想家、数学者、神学者、実業家でもある超天才です。
また発明家でもあった彼が発明した中に、このパスカル計算機がありました。
友だちの家で読んだ「子供の科学」という本に、この詳細な図面が載っていました。
夢中になって、その図面を書き写し、自分なりに部品の設計図を描きました。
木を削って何枚もの歯車を作り組み立てましたが、微妙な噛み合わせがうまくいかず動きません。
何度も何度も作り直し、ようやく滑らかに動いた時は「やった」と叫んでしまいました。
そして、四則演算をやってみて、全ての答えが一致した時には、「パスカルってすげえな」と感動したものです。
このように、パスカルやガリレオ、アルキメデス、ニュートン達が、子供時代の私の先生でした。
さらに、アムンゼンやスコット、リビングストンといった探検家たちがもう一方の先生でした。
その先生たちからは、知識だけでなく未知への挑戦心と折れない精神力を学びました。
すべての子供、そして若者に言いたいです。
偉大な先人たち、そして偉大なる自然が自分の先生になるのだということをです。
 
現代のコンピュータの生みの親は、天才数学者フォン・ノイマンです。
「人間のふりをした悪魔」と称される彼のことを、次号で論じたいと思います。