2026年1月15日号(国際、政治)

2026.01.21


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2026年1月15日号
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発行日:2026年1月15日(木)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2026年1月15日号の目次
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◇電撃解散
◇米国のベネズエラ侵攻は国際法違反?
◇台湾有事はありや、なしか?
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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新年おめでとうございます。安中眞介です。
年明け最初の号は政治問題、国際問題をお送りします。
 
新年早々、米国は電撃的にベネズエラに軍事進攻し、同国のマドゥロ大統領を拘束して米国に移送するという驚くべき作戦(暴挙?)を実行しました。
一方、高市首相は、今月23日召集予定の通常国会での解散を宣言しました。
今号は、この2つの話題を中心にお送りします。
 
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┃◇電撃解散                        ┃
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首相の解散宣言は通常国会の冒頭との見方が有力で、与野党とも大騒ぎです。
マスコミはもちろん、ネット上でも解散自体が「可能性はある」という程度だったので、報道各社も「寝耳に水」の騒ぎになっています。
マスコミやSNSでは、麻生副総裁ら自民党幹部が「何も聞いていなかったと不満を漏らしている」との報道が散見されますが、本人の声ではありません。
私は、明確な根拠がない話は無視することにしています。
 
高市首相は70%前後の高支持率ですが、世論調査の結果だけで政権運営が楽にできるというわけではありません。
現在の自民党議員は、前回選挙の当選者であり、創価学会票の恩恵を受けた議員もかなりいます。
要するに、高市首相に恩義を感じている議員は皆無であり、少数与党という弱みも抱えたままです。
この状況を打破することは、首相就任時から狙っていたことです。
 
「新年度予算を成立させることが先だ」の声がマスコミにもありますが、そうは思いません。
第一に、現在執行中の2025年度予算は石破内閣が成立させた予算であり、新年度予算は予算の継続性という意味から劇的に変えることは難しいという制約があります。
第二に、現在の衆院予算員会の委員長が立憲民主党の安住氏という懸念にあります。
衆院の勢力図は、自民199に対し立憲民主党148と大きな差はなく、維新と組んで過半数ギリギリと言う綱渡り状態です。
国会で野党が妨害工作に出ることは必然で、審議は進まず予算の年度内成立ができなければ「首相の指導力不足」として、与党内からも批判が出るでしょう。
さらに、中国との軋轢が深まる中、外交においての強いリーダーシップが必要です。
高市首相の性格を考えれば、手をこまねくことはせず、与党内を含めて衆院の構成を変えることに踏み切るのは当然だと言えます。
 
いま、一番焦っているのは立憲民主党です。
現有の148議席の確保などできるはずもなく、100を割ることは必然で、下手をすれば50程度の壊滅的な惨敗になるかもしれません。
大慌てで公明党に連携を呼びかけ、「創価学会票を・・」とお願いする始末です。
 
また、国民民主党が連立に加わるのではとの噂に、連合の吉野会長が「与党になびくことは許さん」と息巻いていますが、同党が立憲民主党と組むことのほうが非現実的です。
玉木・榛葉コンビの行方にも注目しています。
 
一方、自民党と連立を組んでいる日本維新の会の吉村代表は、記者団から「自民党と競合する選挙区では調整を行うのか?」との質問に対し、「しない。それぞれが戦えば良い」と明言しました。
時間が無いこともありますが、この答えが憲政の王道です。
議員を選ぶのは、我々国民であり、その選択の前に党利党略で調整をする考えは間違っています。
 
さて、どのような結果が出るでしょうか。
私個人としては「面白くなってきたな!」の気持ちです。
 
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┃◇米国のベネズエラ侵攻は国際法違反?           ┃
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この侵攻に対し「国際法違反だ」とする声が上がるのは当然ですが、違反と断定されても、どこの誰が裁き、刑を与えるのでしょうか。
常識的に考えれば国連安保理での決議となるのでしょうが、常任理事国である米国が、そもそもの実行犯です。
さらに、ウクライナ侵攻を続けるロシアはもとより、ウイグル、チベットを強引に併合し、今も周辺国を脅し続けている中国も常任理事国です。
残る英国やフランスも綺麗ごとは言えない過去を持っています。
言い方は悪いですが「脛に傷だらけ」のこれら5か国がメインの裁判官役となる安保理は、茶番としか言いようがありません。
つまり、「国際法違反だ」の声は、この5か国に対しては“犬の遠吠え”にもならないわけです。
 
中世ヨーロッパでは、すべての国家は「ローマ教皇と神聖ローマ皇帝」という2人の宗教指導者の下にあるとされてきました。
1618年から始まった「カトリック対プロテスタントの国際戦争」=世界史で30年戦争と習った欧州全土を巻き込んだ戦争の終結のため、1648年に締結された国際会議で、「それぞれの国は主権を持ち、かつ主権国家はすべて平等である」という、「ウェストファリア体制」が築かれ今日に至っています。
 
しかし、もはやその建前は崩れさり、大国が他の国に自らのルールを強いる「剥き出しの力が支配」する時代に入りました。
いくら「国際法違反だ」と叫んでも、国連も国際司法裁判所も機能しなくなっています。
中国が「南シナ海全部がオレのものだ」と言って、いわゆる「九段線」で囲ったことに対し、フィリピンが国際司法裁判所に提訴し、同裁判所は「九段線は無効」との判決を出したとき、中国は、「ただの紙切れだ」と言い放ち、無視を貫いています。
ロシアは独立国であるウクライナに公然と軍事侵攻し、中国は政治体制の異なる台湾に対し軍事圧力を掛け、日本に対しては、尖閣だけでなく沖縄までも「中国の支配下にあるべきだ」とまで言い出しています。
そして今回のアメリカによるベネズエラ侵攻です。
世界は、帝国主義の時代に戻ったと自覚するしかないのです。
 
米国のベネズエラ侵攻の狙いは、同国の石油資源の確保もありますが、それよりも中国の排除です。
近年、中国はベネズエラに深く食い込み、石油採掘権の交渉まで行っています。
今回の電撃的な侵攻が中国の代表団が同国に入ったタイミングで行われていることから見ても、中国排除の姿勢は明白です。
その昔、ケネディ政権が行ったロシア排除目的のキューバ危機にも匹敵する作戦です。
中国は、これまでベネズエラに相当の援助を行ってきましたが、その利権はすべて失われ大損害となるでしょう。
推進役だった王毅外相のクビが危ないとの情報が飛び交うのも当然です。
 
米中首脳は、近く相互訪問することになっていますが、トランプ大統領は、「この相互訪問が潰れても良い」と重要視していないことは明らかです。
習近平主席の心理は不明ですが、相当なショックを受けていると思われます。
ですが、直接、米国に報復するのはリスクが大きすぎるので、矛先を日本に向ける可能性があります。
 
日本は、こうして帝国主義をむき出しにしてきた中国と米国両国の境界線上に位置しています。
まさに「存立危機事態」の前夜のような状態にあります。
かつ、日米安保条約がある限り、米国側に立つ以外の選択肢はありません。
しかし、米国が日本を守るのは、日本が自前で戦う意志と装備を備えた上という条件が付きます。
自衛隊の増員は難しいので、装備の近代化と充実を進めることが必要です。
 
また、それ以上に大事なことがあります。
日本しか持ちえない高い技術力をさらに磨き上げ、技術立国としての強い経済を保ち続け、そのことを世界に強く認識させることです。
国民は、こうした努力もせずに米国や中国を批判することは、“まったく無意味”と自覚すべきです。
 
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┃◇台湾有事はありや、なしか?               ┃
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ネットの世界では、この論争が高まっています。
“あり派”も“なし派”も一定の論理展開をしていますが、意味はないです。
一番の当事者である習近平主席自身が「やりたいけど、失敗したらオレが終わる」と思っているからです。
彼の脳裏には、まず、プーチン・ロシアのウクライナ侵攻の惨状が浮かぶでしょう。
次に、米国トランプ大統領の心理を読み解くことが出来ません。
今回のベネズエラへの電撃的な軍事作戦を見て、その疑心は一層深まったと思います。
近く始まる米中首脳の相互訪問で、「米国は台湾問題を口にしない」ことを期待していた主席にとっては衝撃だったはずです。
 
その上、日本の出方も不透明で、大きな懸念材料となっています。
中国にとり安心材料だった石破前首相と違い、高市首相は油断できない相手です。
日米が連携して動くと考えれば、台湾進攻に踏み切れないことは明らかです。
その意味から言えば「台湾有事」発言は有効だったと言えるでしょう。
 
もちろん、別の角度から見れば「不用意な発言」との批判が出るのは当然ですが、私は「結果オーライ」と考えています。
 
よく「中国は孫子の国だ。だから“戦わずして勝つ”方法で台湾併合を考えている」という意見が出ます。
そして、「その具体策が“戦狼外交(狼の遠吠え作戦)”だ」と言われます。
間違いではありませんが、孫子の兵法はそんなに単純ではありません。
まず「敵の中に味方を作る」から始まります。
日本の親中派と言われる政治家や評論家の中には、中国に取り込まれていると思われる人物はかなりいます。
ですが、高市首相の「内外のブレーン」の中に孫子を真に理解している人がいれば心配は無用です。
むしろ親中派を利用する策を考えるはずです。
 
親中派工作において、日本に対してはある程度成功している中国ですが、米国に対してはまったく手も足も出ない状態です。
それは当然です。
世界で最も孫子研究がさかんなのは米国だからです。
私が師事した武岡先生の言葉を借りれば、「米国には孫子研究の財団が100以上ある」とのこと。
米国はベトナム戦争時、戦死した北ベトナム将校の遺体を調べたところ、例外なしに2冊の小冊子(ポケットブックのような極小の本)を持っていたということです。
その1冊は「毛沢東語録」、そしてもう一冊は「孫子」だったそうです。
ベトナム戦争での敗北後、米国は「我々は、ベトナムに負けたのでない。この本(孫子)に負けたのだ」とし、その後、政府の支援により多くの孫子研究機関が生まれ、徹底的な研究が行われたということです。
 
私は、かつて中国人の社員から「社長ほど孫子を学んでいる中国人はいませんよ」と言われたことがあります。
彼は中国の大学を出た後、日本の大学院に学び当社に入社した優秀な社員でした。
そんな彼ですから、私へのゴマすりではなかったと思います。
それは、孫子研究の第一人者と言われた武岡先生に師事した成果だと思っています。
 
結論として、日米の軍事連携が機能している限り、中国による台湾脅しはあっても侵攻は無いと考えています。
 
もう1回飛ばしますが、次回、改めて台湾の歴史を掘り下げて解説したいと思います。
 
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<編集後記>
新年早々、総選挙となります。
賛否両論、いろいろ出ていますが、解散・総選挙は、数少ない首相の専権事項です。
その決断に対し良い悪いの判断を下すのは、政治家や評論家ではなく、国民一人一人です。
「極寒の時期の選挙は・・」などとの批判は意味がありません。
行くか行かないかは、本人の意志なのですから。
 
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