中国の現状を読み違えるな(その1)

2017.12.15


共産党大会を乗り切った習近平政権だが、盤石な体制固めが出来たとは言い難い。
米国が抜けて崩壊すると思われたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)だが、日本の必死の頑張りで、なんとか11カ国の合意に漕ぎ着けた。
これは、安倍政権の大きな成果といえるが、マスコミはたいして評価していない。
おかげで、国民も「たいしたことではない」と冷淡である。
しかし、中国がこの合意を辛辣な論調でこきおろしているのを見て、効果の大きさを改めて評価できた。
中国にとっては、「日本のリード」で環太平洋に経済圏が一つ出来たことが、よほどのショックなのであろう。
それは、中国が主導する「一帯一路」が必ずしも思い通りに進んでいないことの裏返しということが推測できる。
 
中国が経済力を背景に今の立場にのし上がったのは、皮肉なことに、自由経済そして市場経済の恩恵があったからである。
つまり、共産主義の力ではなく資本主義の力なのである。
しかし、本来、水と油の関係である共産主義と資本主義という二頭の馬を、この先もうまく操っていけるのであろうか。
人口の多さが消費の多さにつながることで中国の経済は拡大したが、いったん反転したら、今度は止まらなくなり、収拾がつかなくなる。
そのことを、なにより中国自身が一番恐れている。
 
その防御策として共産党内部に通達された文書を読んで驚いた。
「議論してはならないこと」として、以下の7項目を上げている。
人類の普遍的価値(基本的人権)、報道の自由、公民社会(民主主義)、公民の権利、党の歴史的誤り(文化大革命、天安門事件など)、特権資産階級(トップの批判)、司法の独立
 
大半が自由経済を支える根本思想である。それを議論するなと言うのである。
今の中国と付き合う難しさがここにある。
軍事力と“カネ”だけが共通項である。
 
だが、ある意味シンプルな思想ともいえる。
批判は意味がなく、このような中国とどう付き合うかを考える上での参考とすれば良いのである。