石破新政権は、どこまで持つか?
2024.10.17
まずは、高市早苗氏の敗北要因から。
一言で言うと、浮かれ過ぎからきた油断だと思います。
高市陣営は、第1回投票で予想以上の票を得てトップとなったことで盛り上がっていました。
たしかに、1回目の議員票の結果が72対46の大差だったことは予想外で「これで勝った」と思ったのでしょう。
しかし、議員票のトップは小泉進次郎氏の75票だったことを陣営は軽視したようです。
この小泉票の大半が、決選投票では石破茂氏に入れたことは確実です。
それを切り崩せなかったことが一番の敗因といえます。
その切り崩しの切り札が「最後の5分間の演説」でしたが、高市氏はこれに大失敗してしまいました。
制限時間の5分どころが、6分を超えてしまい、しかも尻切れトンボ気味となる失敗で、万事休すとなってしまったわけです。
高市氏自身が冷静さを欠いていたといえます。
ところで新首相となった石破茂氏ですが、いきなり衆院解散に打って出ました。
これには、各方面から「ええっ」という声が上がっています。
石破氏は、総裁選では小泉進次郎氏の早期解散発言を批判していたのですから、非難を受けるのは当然といえます。
しかも「解散は、時の政権が勝手に行うべきではない」とまで発言したこととの整合性をどう取るというのか。
石破氏は、それらの矛盾を全く説明する気もないようです。
これらのことが意味することは、マスコミが報道しているように、この解散が石破首相の意向ではなく、幹事長に就任した森山裕氏と副総裁となった菅義偉元首相の意向であることは確実なようです。
では、なぜ両氏は、総理就任からわずか9日目という異例の早期解散に持っていきたかったのでしょうか。
それは、石破首相の弱さを危惧してのことです。
首相の言動には強い意志の力が感じられず、言葉には迫力がなく、話す内容も意味不明瞭な上、回りくどくて最後まで聞くことが苦痛になります。
森山、菅両氏は、時間をかけると、こうした弱点がどんどん膨らむと考えたのでしょう。
選挙対策委員長に小泉氏を立て、ミーハー的な選挙民を取り込もうとしていることを見ても、石破首相に関心が集まらないようにという狙いが透けて見えます。
日本国民も、ずいぶんと馬鹿にされたものです。
こうなると、今回の選挙は、日本国民の馬鹿さ加減のリトマス試験紙のようなものです。
かといって、野党を見渡すと、五十歩百歩どころか、自民党より劣ることが見え見えな悲しさです。
立憲民主党の野田代表は「政権交代の選挙だ」と息巻いていますが、野党候補を一本化する動きを見せず、乱立状態になりそうです。
ぼろ負けを覚悟していた与党は、野党の足並みの乱れに「ホッ」としていることでしょう。
国民の一人として、かくも不毛な政治風景を作ってしまった責任を感じ、自分の政治信条は封印し、誰に、そしてどの党に投票することで少しでも政治が良い方向に向かうのかを考え、27日を迎えようと思っています。