平和外交の幻想

2024.10.17


こんな表題を掲げると、非難ごうごうとなりそうですね。
しかし、実際「平和外交」などあるのでしょうか。
また、歴史上、そんな外交があったのでしょうか。
断言しますが「平和を装う外交」はあっても、「平和外交」は歴史上、存在しなかったし、現代でも無いと断言します。
そして、今後も世界が統一されない限り、平和外交という外交は無いでしょう。
左翼リベラル派の主張する「武力なき民主主義」は、あまりにも無力で、邪悪な軍事国家に簡単に侵略されてしまいます。
そうした国からの侵略を防ぐための防衛力が必須なのは当然ではないでしょうか。
 
もちろん、軍備増強だけが防衛ではありませんが、軍備のない防衛はそもそも不可能といえます。
しかし、戦後の日本は、敗戦の痛手から厭戦(えんせん)気分に支配され、また米国の軍事力の傘の下での「ぬるま湯」で“うまく”経済復興を遂げたため、単純な平和主義が主流になってしまいました。
かつて、野党第一党であった日本社会党の「非武装中立論」などはその典型です。
中立国だったスイスやスウェーデンが、強力な軍事国家であることを無視した暴論だったわけです。
そのスウェーデンや同じく中立国だったフィンランドが中立を捨て、軍事同盟のNATOに加盟したことは、現代世界が以前より格段に危険に満ちた世界になっていることの現れです。
 
今の日本のリベラル派と言われる団体や人物は、中国やロシアなどに対し「日本を侵略する意図は無い」として領海や領空侵犯を非難せず、反対に米国や日本の軍備強化には反対しています。
沖縄議会で「中国による尖閣の領海侵犯や日本漁船を追い回すことを抗議せよ」と野党から何度追及されても、玉城デニー知事は無視して何も語りません。
日本がそんな抗議をしたら、中国が怒って、恫喝や領海・領空侵犯がかえって増えるだろう。
だから何も言わない。
これが平和外交だと言いたいのでしょうか。
 
石破内閣は、親中派・親韓議員が多いと言われます。
韓国政府が、さっそく石破首相にお祝いのメッセージを送ったこともそのお返しでしょうか。
しかし、韓国は相変わらず日本からの水産物の禁輸を続けていますし、日本のEEZ内で違法操業を取り締まる姿勢も見せません。
中国も、日本の10歳児が刺殺された事件の全容や背景を隠したまま、知らん顔です。
日本は、いいかげん平和外交の幻想から醒めるべきだと主張してきましたが、石破内閣の発足で、それも虚しくなりつつあることを感じます。