政局の“凪状態”は嵐の前の静けさなのか?
2025.04.15
7月28日に参院議員の半分(124議席)が改選を迎えます。
与党は3年前の参院選挙で76議席という大勝を得ています(現在は75)ので、今回は50議席獲得で過半数を維持できる計算です。
さすがに「そのくらいは維持できるだろう」が大方の予想であり、今の政局の凪状態の一因になっていると言われています。
こうした情勢を受け、少々の敗北では石破首相は退陣せず、居座るつもりと思われます。
「衆院選で負け、参院選でも負けた初の首相」と言われてもです。
ゆえに、一部でささやかれている衆参ダブル選挙などの危険な手は打たないと思います。
やれば、自民党が政権の座から滑り落ちるのが、ほぼ確実だからです。
しかし、参院選での大敗予想が大きくなってくると石破おろしの声が大きくなるのは当然です。
特に、今回改選となる参院議員にとっては「大敗など冗談じゃない」となり「党を割っても・・」の動きが出る可能性も否定できません。
今のところ、自民党内で目立った動きは見られませんが、これが「嵐の前の静けさ」なのか、それとも何も起きずに、このまま選挙を迎えるのかが気になるところです。
ネットの世界では、一部の改選議員が激しく石破政権を批判していますが、地上波や新聞各紙はまったくの無視です。
ただ、国民民主党やれいわ新選組のネット人気は自公を上回る勢いになっていて、オールドマスコミも無視できなくなっているようです。
また、最近の地方選挙においてはネットの影響が無視できない結果が出てきていますが、果たして国政選挙でも同じことが起きるか、そこは注目点です。
このようにオールドマスコミは地盤沈下しているが、ネット情報も信じ切れないという不確実性が高まっている現状に、著名な評論家諸氏も自信のある予測ができないようです。
そこで、私自身の心理の変化を客観的な指標として解説してみます。
団塊世代の私は、サラリーマン時代は自民党に投票したことは一度もなく、また野党第一党だった社会党に投票したこともなく、新党ができれば、その党に投票していました。
つまり、既成政党はどれも信用できず、新たな政治を期待して新党にということだったと思います。
40代で創業した頃はバブル崩壊で不況が深刻化する時代でした。
苦しい経営が続いたことから、政治に対する考えに変化が生じました。
自身の政治信条は横に置いて「経済を上向かせるためには自民党に投票したほうが良いのでは」の気持ちが生まれました。
一方、そうした自身の投票姿勢に疑念も湧き、選挙のたびに揺れ動いていました。
そうした中、2009年に民主党政権が誕生しました。
当時の民主党には知り合いもいて、中には閣僚になった人もいたことで、一も二もなく民主党に投票しました。
たぶん、私のような考えの人が多かったことが、自民党に代わって民主党政権が誕生したと今でも思っています。
しかし、その知り合いの党員が私に言った言葉は衝撃でした。
「残念ですが、この政権は続きません。幹部に経済が分かっている人がほとんどいないんですよ」
その言葉に、政権運営も企業経営も同じなんだなと思いました。
そして、彼の言葉通り、3年余りで民主党政権は崩壊しました。
その後、自民党が(創価学会の集票に期待して)公明党を抱き込み、妙な政権が続いたことで、投票を棄権することが増えました。
今では、経営者として“仕方なく”自民党に投票するか棄権するかの“しょうもない”選択になっています。
政治の不毛は、そこまで深刻化していますが、「国民の義務を果たしていないな」との気持ちもあり、次の参院選は、しっかりと考えて投票をと思い直しています。
さて、どうなりますか。