軍事力は必要悪
2025.04.15
物騒な表題を掲げましたが、ミクロの世界から考えてみましょう。
読者の皆さんは、個人あるいは家に何か武器を持っておられますか。
包丁のような、いざという場合の武器にはなるが、使う目的が武器ではないものは別です。
私の場合でいうと、日本刀を一振り所持しています。
もちろん、武器としての所持ではなく美術工芸品としての所有です。
日本刀は強力な武器にはなりますが、非常の場合でも、とても素人が扱える代物ではありません。
つまり、大半の日本人は武器とは無縁の生活を送っているわけですが、それは、社会が安定している上に警察力による治安の維持が信頼できるからです。
しかし、日本のような大国(経済力はもちろん、軍事力でも世界で7位という大国です)が、このように真に平和な社会であることは奇跡といってもよいことです。
米国や中国をはじめ、いくつかの国に行きましたが、小さな国を例外として、日本のように安全を享受できる国は皆無でした。
多くの場合、警戒する意識は一時も抜けませんでした。
外国に行かれた多くの方も同様の意識をお持ちではないかと思います。
「日本に帰ってきて、ホッとした」という話をよく聞きますから。
その日本にいると実感が乏しいのですが、例えば、ロシアによる一方的な侵略を受け続けている今のウクライナなどは本当に悲惨です。
「戦争を止めてみせる」と大見えを切ったトランプ大統領は、もう「そんなこと言ったっけ」と言わんばかりの言動で、無責任この上ありません。
せめて、ウクライナへの軍事支援は継続し、ロシアに対する圧力だけでも強化して欲しいものです。
プーチンは、ウクライナを完全に支配下に置くまで戦争を止める気持ちは皆無でしょう。
ということは、ウクライナが戦い抜けるよう軍事支援を強化して戦局をロシアの劣勢に導き、プーチンを失脚させる以外の解決法は無いと思います。
平和な日本も、海を挟んだ対岸に目を向ければ、日本を憎悪し敵対する姿勢を隠そうともしない国々に囲まれているわけです。
しかも、いずれも核兵器保有国ばかり。
人類の歴史とは戦争の歴史といっても良いくらい戦争に明け暮れてきました。
しかし、この80年間は、危ない局面は何度かありましたが、大国同士の戦争は起きていません。
その大国同士の戦争を阻止しているのが核兵器の存在であることは、嫌なことですが、無視はできません。
核兵器が、阻止することが極めて難しく、しかも未曽有の破壊をもたらす兵器だからです。
それゆえ、大国に脅かされているが通常武力では対抗できない国は、その侵略を阻止できる唯一の武器が核兵器と考えているのです。
北朝鮮の存在は、そのことを世界に示しているといっても過言ではないでしょう。
こんなことを書くと「右寄り」とか「戦争を煽っている」とか言われそうですが、本当はみんな分かっているはずです。
核兵器が廃絶される日は、それ以上の大量破壊兵器が開発される日であることをです。
歴史を顧みるまでもなく、武器は進化を続けて現代に至っています。
古くは最高の武器だった弓矢が使われなくなったのは、鉄砲が発明されたからです。
このように、人類の歴史は武器発展の歴史であり、今、その頂点にある兵器が核兵器なのです。
核兵器廃絶を訴える人々は、今のままでは、やがて核戦争が起き人類は滅亡すると主張しています。
その恐れは十分にありますが、核兵器保有国は減るどころか増えています。
この先に核戦争が起こる可能性はどのくらいあるのか、そして、果たして核兵器を禁止することが出来るのか、
次回、そのことを考えてみたいと思います。