トランプ大統領の頭の中は? (その2)
2026.04.17
トランプ大統領の話題が続きますが、今の世界でまちがいなく最も言動が注目されている人物であることは確かです。
あまり良い意味ではありませんが・・
大統領自身が「AIに作らせた」と言ってSNSに投稿した画像が物議をかもしています。
自身をイエス・キリストになぞらえ、病に伏す人の額に手をかざし光を与えているような画像です。
熱心なキリスト教徒であれば、おそらく腹の底から怒りが込み上げるような画像です。
キリスト教には無縁な私でも不快感が込み上げてくる画像で、本人も“さすがにマズイ”と思ったのか、すぐに投稿を削除し、「あれは医者が病人を診ている絵だ」と、幼児にも通じない言い訳を言っています。
しかし、画像はまたたくまに全世界に拡散してしまっています。
下手な言い訳は、火に油を注いだだけのようです。
彼は、現ローマ教皇のレオ14世にも”ケンカ“を吹っかけ、問題を起こしています。
彼の強力な支持団体の一つである「キリスト教福音派」は、プロテスタントの一宗派ですから、カソリックの総本山のローマ教皇とは相いれないという側面があります。
今回のトランプ大統領が投稿した画像も、そうした背景とは無縁でないように思います。
ただ断っておきますが、福音派のすべてがトランプ支持者ではなく、反対派もかなりいるようです。
こうした“イエス・キリストの冒涜”とも捉えられかねない投稿を考えもなしに行うトランプ大統領の頭の中が心配です。
もともと問題だらけの人物ですが、今の彼の頭は、自信を持って行った関税政策が米連邦最高裁判所に違憲と断定されてから、完全に“イカレ”てしまったように思えます。
彼は、連邦最高裁判から関税が違憲とされるや否や、50年以上も前の1974年に制定されて以来、ただの一度も使われたことのない「通商法122条」に基づいて10%の関税を課す大統領令に署名し、すぐに上限一杯の15%に引き上げました。
この122条は、資金の米国外への流入・流出に関する懸念に対処するため、短期的に米国に輸入される製品に関税を課す権限を大統領に与える規定ですが、問題はこの「懸念」の内容です。
この懸念は、法律が定める「大規模かつ深刻な米国の国際収支赤字」や「差し迫った重大なドル安」に限定していて、安易に使えないような歯止めがかかっています。
しかし、今回の発動の根拠はあいまいで、この発動自体が違憲となる可能性があります。
この122条は関税を課すために利用できる複数ある選択肢の一つで、他の策もあります。
ただし、どの仕組みにも発動にはかなりの制約があるのは当然です。
大統領は1月に発動した関税の法的根拠として、1977年に制定された「国際緊急経済権限法」を使いましたが、これにも制約があり、政権内では制約の回避はほぼ不可能と考えているようです。
今回の122条は、他の手段と異なり連邦機関による関税の正当性を判断する調査の完了を待つことなく発動できるので使ったようですが、関税率は15%が上限で、期間も最長150日に限られています。
その後もこの関税を維持するには、議会の承認が必要ですが、まず不可能と言われています。
今年11月の中間選挙での敗北予想が濃くなる中、トランプ大統領はとにかく「連邦最高裁判所に負けた」という印象を支持者に与えたくなかったのでしょう。
しかし、それがうまくいきそうにないので、イラン攻撃で成果を出そうとしたのでしょう。
さらに、大統領はもう一つの爆弾を抱えています。
それは関税収入の還付です。
今回の関税が最終的に違法として確定した場合、トランプ政権は徴収した1340億ドル(約20兆円)の関税収入を輸入業者に還付しなければなりません。
そうなると、予算に大きな穴が開き、トランプは「完全な敗者」とみなされるでしょう。
それゆえ、トランプは還付については“ごね”続けると思われています。

