中国の狙い
2023.06.15
【国際・政治】2023
中国の習近平主席は、ウクライナ侵攻をどのように考えているのでしょうか。
確かなことは、この侵攻をどううまく利用しようかと考えていることです。
中国が一番上げたい成果は、中国主導でウクライナ問題を解決することです。
これが成功すれば、世界における中国の評価が瀑上がりすることは間違いないからです。
しかし、この成功は、ロシアの民主化が遠のくことであり、ロシアの侵攻に一定の成果をあげさせることを意味します。
中国は、ウクライナ国民の平和を取り戻す願望などには全く関心がありません。
習近平主席は、「国民は国家の統制のもとで大人しく生きるべきであり、政治に関心を持つべきではない」とする皇帝政治の復活を夢見ています。
プーチンの「大ロシアの復活」、トランプの「偉大な米国の復活」と同列の思想です。
ゆえに、「政治統治の正当性などは“くだらない”問題であり、民主政治など愚策に過ぎない」とする自らの考えが国際社会で認知を得ることに、ウクライナ侵攻を利用しようと考えています。
実際、世界各地で、そのような政治的工作を行っているわけです。
また、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に代わり、中国寄りから日米寄りにスタンスを変えた韓国に対しては、居丈高な姿勢で脅しを掛けています。
それに乗って政権奪取を目論む野党の「共に民主党」は、卑屈なほどに中国にすり寄っています。
しかし、SNS世代の若者は、世界中の情報に触れることができるため、かつてのような一方的なプロパガンダに踊らされることはなく、野党の目論見は外れそうです。
国民全体の意思は来年(2024年)の総選挙で明らかになるでしょうが、現在ではなんとも判断ができません。
日本としてはそれまで交流は深めながら静観するしかありません。
こうした中国による隣国脅しと弱体化工作は激しくなる一方です。
当然、日本は最大の標的になっています。
習近平主席が、わざわざ沖縄を「琉球」と言い換えてネット配信したこともその一環です。
沖縄県の玉城デニー知事が訪中するという機会を狙っての発言であることもミエミエです。
玉城知事を、沖縄を独立させ中国に取り込むという戦略にとって格好の人物と見ているのでしょう。
そのことを沖縄県民はよく考えて欲しいと思います。
昨年あたりから、中露による日本周辺での合同軍事演習が増えています。
空も海も、回数だけでなく規模もどんどん拡大してきています。
また、中国の海底調査船が何度も日本領海を侵犯して我が物顔で海底を調査しています。
明らかなる侵攻準備とみてよいでしょう。
そろそろ実力で阻止しないと手遅れになる事態といえます。
こうした一連の挑発が、台湾侵攻は当然として、あわよくば沖縄奪取すら狙っての戦略であることは明らかです。
実際行動を起こさないまでも、日本にそうしたプレッシャーを掛け不安を募る効果を狙っています。
それに対して岸田政権は何も抵抗できないと甘く見ているのでしょう。
岸田首相の器が問われる事態となっています。
さて、当の首相はどう考えているのやら・・