中国の反応の裏は・・

2025.12.02


中国は「水産物の輸入停止」や「日本観光の自粛(禁止?)」という“お馴染み”の脅しを日本に掛けています。
しかし、効き目がないと思ったのか、高市首相への攻撃を強めています。
 
読者の皆様はとっくに分かっておられるでしょうが、中国政府は自国経済の崩壊が不可避な状況になり、相当に焦っています。
その焦りが、必死になって日本攻撃を激化させている主因で、台湾有事は、その”言いがかり“に過ぎないわけです。
しかし、中国による経済攻撃の影響は「無い・・」と感じます。
弊社の本社がある浅草では、この問題が発生する前から中国人観光客は減り出していて、代わりに欧米や中国以外のアジア、中近東からの観光客が増えています。
かつての爆買い風景は無くなり、今は徐々に落ち着いた観光地になっているように思います。
台湾政府の奨励で台湾からの観光客は増えているようですが、我々には大陸からの観光客との見分けがつきません。
ですが、以前のような騒ぎが少なくなっているので、「そうなのかな」と思うだけです。
もちろん、中国政府が声高に叫ぶような中国人に対する犯罪や嫌がらせなどは皆無で、みな普通に接しています。
このまま穏やかな観光地で推移していって欲しいものだと思います。
 
観光とは別に焦点になっているレアアースですが、マスコミ報道は過剰で誤りも多く、それにより誤解している人も多いのではと思います。
レアアースは、その「レア」という名称が誤解を招き、金銀のような「貴重で産出量が極端に少ない金属」との誤解が多いようです。
しかし、そうではありません。
地球上に、かなり多く存在しているものです。
例えば、ベトナムとブラジルの埋蔵量はそれぞれ中国の半分ぐらいあると言われています。
日本近海でも、南鳥島などの海域でレアアースを含む海底汚泥が大量にあることが確認されていますし、硫黄島の地下には大きな埋蔵量があるとされています。
 
ただ、採掘コストの問題と、精錬する際の環境汚染問題で、中国からの輸入が多くなっているわけです。
中国は精錬時の汚染などは「無視」なので住民の健康被害は深刻になっています。
ですが、中国政府はまったく汚染防止の手は打たずに安く精錬して世界に輸出しているわけです。
 
しかし、その中国が政治的に輸出を止めれば、輸入していた国は代替手段を求めるのは当然です。
そのことで、日本の採掘も軌道に乗る可能性が出てきています。
個人的には、ぜひ、そうした事態になって欲しいものだと思います。
すでに日本は、ベトナムなどに日本の環境技術で精錬工場を建設する計画を立てていて、中国依存からの脱却は時間の問題といえます。
 
以上述べたように、「水産物の輸入停止」や「日本観光の自粛」は、何の効果もなく、中国経済の失速は止まることがありません。
焦った中国政府は、家電購入補助金などの策で消費拡大を狙っていますが、効果はありません。
ついには「電気自動車も家電だ」として、この補助金対象に加えました。
すでに電気自動車購入には大きな補助金が付いていますので、『ただ同然』のような状況になっています。
それでも買えば、多額の維持費用がかかります。
たいした効果はないと言われています。
 
こうした補助金の大判振る舞いは、当然、公的債務の膨れ上がりを招きます。
次回、日本の債務と対比しながら、この解説を行いたいと思います。