中国の軍事行動の背景
2025.12.17
中国は、沖縄近海で空母艦隊による軍事演習を行い、スクランブル発進した日本の空自戦闘機にレーダー照射を行うところまで軍事行動をエスカレートさせてきました。
日本側の抗議に対して、中国は「公海で何をしようがこっちの勝手だ」と居丈高ですが、この海域は日本の「防空識別圏」です。
中国は「ここは中国の防空識別圏だ」と言い張っていますが、沖縄と大東島の間の海を「自国の・・」と言い張る姿は滑稽でもあります。
この海域で軍事演習を行うこと自体が日本に対する準戦闘行為といえます。
これらの挑発を、習近平主席自らが指示をしているとは、さすがに考えづらいですが、その可能性がゼロとは言えない情勢だと認識したほうが良いでしょう。
今の中国は、軍を含めた各部門が習近平主席への“ごますり”を競っている状況だからです。
それは、主席への忠誠というより、主席の怒りが自分に来ないようにという打算です。
また、腹に一物を持つ野心家が、この事態を利用して“のし上がろう”とする向きもあります。
中国は独裁国家というより、独裁者に媚びへつらう薄っぺらな打算集団国家となっているのです。
日本の対中戦略は、このことを下敷きに練る必要があります。
そもそも、この問題の発端は、立憲民主党の岡田克也氏の執拗な質問に答えた高市首相の「台湾有事発言」ですが、その裏には中国の王毅外相の失敗がありました。
高市首相と習近平主席は10月31日に韓国で初の首脳会談を行いました。
この会談のお膳立てをしたのは王毅外相で、渋る習近平主席を説得してこの会談をセットしたと言われています。
だが、その会談で王毅外相が想像もしていなかったことが起きました。
この席で、高市首相は台湾だけでなく、新疆ウイグル自治区や内モンゴルのことまで持ち出し、懸念を示したのです。
しかも、なぜか高市首相は内モンゴルのことを「南モンゴル」と発言しました。
間違えたのか意図的なのか、首相の真意は不明ですが、取りようによっては「中国に喧嘩を売った」ともいえる発言です。
読者の皆様ご存じのように、戦後のモンゴルは南北に分かれ、北側は独立国であるモンゴル国、南側は「内モンゴル自治区」として中華人民共和国に編入されました。
独立モンゴル国は、自国を「北モンゴル」と呼び、今は中国の自治区となっている「内モンゴル」を「南モンゴル」と呼んでいます。
つまり、モンゴル国は「南北モンゴル国は一つ」と主張しているのです。
勉強家の高市首相が、こうしたことを知らないとは思えません。
つまり、首相の「南モンゴル」発言は間違いではなく、内モンゴルは「本来、モンゴル国の領土である」と示唆した発言だと受け取れるわけです。
それに対し習近平主席は何の反応もしなかったようですが、主席は日本語がまったく分かりません。
おそらく中国の通訳は「南・・」ではなく「内・・」と訳したはずです。
しかし、日本語に堪能な王毅外相は相当に焦ったことでしょう。
また、会談当時は分からなかった習近平主席も、後から高市発言の皮肉ともいえる「南モンゴル」の言葉の意味は理解したと思いますので、王毅は自分の首筋が寒くなったことでしょう。
この会談後に国会での高市首相の台湾有事に関する発言があり、大阪駐在の中国の薛剣・総領事が「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」とSNSに投稿したわけです。
この過激な投稿は、彼の上司である王毅外相を守るためと考えると辻褄が合います。
王毅外相の首はまだ繋がっていますので、この忠誠心は多少の効果があったのではないでしょうか。
もっとも、すぐにSNSは削除され、後は知らん顔ですが・・
一方、ソウルの米中首脳会談において、双方が互いの国を訪問し合うという話まで進展したことで、中国はトランプ大統領を取り込めたと思い、大統領に高市首相を叱ってもらおうとしました。
その後にトランプ大統領と高市首相の電話会談がありましたが、「まあ、うまくやれや」ぐらいの内容で、中国が期待したような話ではなかったようです。
それどころか、トランプ大統領は「台湾保障実施法案」にサインしました。
同法案に対する中国の衝撃はとてつもなく大きく、水面下で日本への接近を画策してきています。
そのことはまた・・

