原発再稼働の是非
2025.12.17
福島第一原発事故以来稼働停止していた「新潟の柏崎刈羽原発6号機」および「北海道の泊原発3号機」の再稼働に対し、新潟の花角知事および北海道の鈴木知事が容認する姿勢を示しました。
読者の皆様はご存じのように私は原発推進の立場ですが、今回のような「これだけ時間が経ったんだし、電気料金も下げる必要があるし・・」という意識での判断には、少々疑問があります。
なぜなら、あの事故を起こした根本要因の掘り下げ(本当は分かっているが、掘り下げたくない)、事故直後の対応の間違いや未熟さ、当時の原子力安全・保安院の“でたらめ”、菅直人首相の“独りよがり”などの総括が全くできていないからです。
私は、弊社のHPやメルマガなどに、福島第一原発で働いていたときの経験を書いていますが、あの当時危惧したことで改善されたのは、防潮堤のかさ上げなど数点にとどまり、本当に改善すべきことの多くは、ほとんど“うやむや”になっています。
原発に対する深い技術も見識もなく責任逃れに終始した原子力安全・保安院は解体され、原子力規制庁が設けられ、原子力規制委員会が上位の権限を持つ組織構成になっています。
そのことは一歩前進と言えますが、その後の活動には疑問を感じています。
もちろん、すでに原発の仕事を離れた私が入手できる情報は少ないので、本当は“きちんとした”対応がなされているのかもしれません。
しかし、そのような情報が入ってこない現状は、昔とあまり変わっていないように感じます。
私は、かつて、原発建設の住民説明会などで矢面に立ち罵声を浴び続けた技術者の一人として、多くの原発の稼働が止まったままの現状には「無念」の思いが強く、再稼働自体には賛成です。
しかし、「あれから13年が経ったから」とか「他の原発も再稼働したから」などの「意味のない」理由の声が聞こえてくる現状には、やはり危惧を感じます。
なにより、再稼働の最終責任者が原子力の素人である県知事ということが引っ掛かります。
その知事の下にどれだけの優れた専門家が集まっているのか、まったく見えないからです。
AIの普及などで爆発的に増えることが確実な電力供給を考えると、不安定で環境問題や中国依存の傾向のある「再生可能エネルギー」に頼るわけにはいかず、安定電源としての原発は欠かせない存在です。
それゆえ「事態は待ったなし」の危機意識が、現政権に感じられないことが危惧されます。
原子力関係の行政トップは、文部科学大臣の松本洋平氏ですが、経済学部卒で銀行出身です。
以下、副大臣や政務官も全員が文系出身者です。
それが悪いというわけではありませんが、原子力行政のトップには、原発技術の真の専門家と安全管理の専門家をダブルで民間から登用することを高市首相には要望します。
今のままの“うやむや”体制で、万が一事故が起きたら、本当に日本は終わってしまいますから。

