トランプ次期大統領の頭の中

2024.11.18


トランプ氏の最初の大統領時代は、掴みどころのない思考と発言に世界中が引っ掻き回されました。
それに比べれば、今回は少し予測し易いのではないかと思います。
しかし、マスコミや評論家諸氏の見解を聞くと、相変わらずトランプ氏の過激な言葉使いに振り回されていることを感じます。
 
例えば、ウクライナへの支援を打ち切り、プーチンに事実上売り渡すといったような意見です。
でも、そんなことにはならないと思います。
トランプ氏の頭の中は「米国第一というより、自分が目立つこと第一」のように感じます。
国内政治も国際政治も「自分が主役」で回ることが大事なのではないでしょうか。
「米国を再び偉大にした“偉大なる”大統領」として米国の歴史に名を遺すことが、これからの4年間の目標でしょう。
 
トランプ氏の言葉使いは相変わらず汚く過激ですが、2回目の登場で、その言葉の裏がある程度は分かるようになってきました。
例えばウクライナ支援ですが、バイデン時代よりむしろ積極的になることが考えられます。
もちろん、善意の無償支援ではなく、かなりの見返りを要求するでしょう。
「ウクライナにはそんなおカネは無い」と思われますか。
それは、まったく違います。
ウクライナは欧州でも有数の農業国です。
今は戦争で収穫量は大きく落ちていますが、将来の復活は確実です、
また、国内に眠る鉱物資源は世界でも指折りの質と量です。
特にドンバス地方は資源の宝庫です。
ロシアが大量の犠牲もいとわずドンパスの占領地を広げるべく執拗になっているのは、その資源確保も狙いのひとつです。
 
当然、こうした事情をトランプ陣営は熟知しています。
それゆえ、ウクライナ支援を止めてロシアの領土になることを容認するはずはないのです。
逆に、戦争拡大を恐れバイデン大統領が支援をためらっていた高性能兵器をウクライナへ供与することでロシアをけん制することを考えているはずです。
その見返りに、この鉱物資源の採掘権をウクライナから得るディール(交渉)を行うものと思います。
 
ロシアのプーチン大統領が、いち早くトランプ氏に祝福表明したのは、そうした危険を察知したからに他なりません。
ただ、自分からは電話せず、「トランプがすべき」だと言っていますが、これは単なるポーズです。
裏では必死にコンタクトを取ろうとしているのです。
そうでもしないと、高性能武器がウクライナに供与されロシアの敗北が濃厚になる恐れがあるのです。
 
11月8日にトランプ氏はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談しました。
内容は極秘になっていますが、間違いなく両国の利害でのディール(取引)が話の中心でしょう。
続きは、次号で解説したいと思います。