岸田首相の頭の中
2023.11.30
【経済・経営】2023
10月の発表によると、2021年度に決算を迎えた法人の申告所得合計が79兆4790億円となり、過去最高だったということです。
それを受けて、岸田首相は「予定より超過した分を減税する」として、一人あたり一律4万円減税を、胸を張って言い出しました。
しかし、まったく評価されず、案の内容を二転三転させています。
なにより、一時金として一人4万円の支給は「減税」ではなく「給付金」に過ぎません。
それを「減税」とごまかすから、こうなるのです。
しかも、「予定より多かった税金納付が減税の原資」と言った後から、鈴木財務大臣が「あの分はもう使ってしまい、ありません」と国会で答弁したことで、首相のメンツは丸つぶれです。
おそらく、財務省から岸田首相に対する「減税などは口にするな」という叱責なのでしょう。
国民としては、こんな茶番国会を見せられては“シラケる”ばかりです。
また、岸田首相は、口を開けば「経済再生なくして財政健全化なし」のフレーズを繰り返しています。
たしかに、それは「正しい」のですが、単なる「口だけ」で、具体論はさっぱりです。
かつて「口だけ番長」と揶揄された政治家がいました(今も、新党立ち上げをぶち上げていますが)。
岸田首相も、その方に劣らず「口だけ」政治家のようですが、首相ですから、もっと悪いといえます。
口を開けば飛び出す「異次元の少子化対策」も「国民負担の引き上げ(つまり増税や社会保険料の引き上げ)が不可避」という本音が続きます。
こんな岸田首相の援護射撃なのか「日銀が保有する国債が10兆円の含み損」という報道もなされています。
しかし、「日銀が保有する国債の全てを売却すれば」という前提自体がナンセンスなので、まったく無意味な報道です。
また、国債の保有残高(約500兆円)の2%ですから、それで国が破綻するはずも無い仮定話です。
この話の出処も財務省でしょうが、首相の頭の中は財務省へのすり寄りしかないのでしょうか。