米中首脳会談(事実+憶測)
2026.06.01
トランプ大統領は、中国を離れる直前、大統領専用機エアーフォースワンの搭乗口で、米国報道陣の質問に対し、相変わらずの口調で返答していました。
この様子は、ネットでそのまま肉声で視聴できますから、関心がある方には視聴をお勧めします。
ただし、本人の肉声であっても、それが本心とは言い切れないのが、この大統領です。
そして、この大統領は、後から平気で前言を覆す人物でもあります。
そのことを認識したうえで、視聴することをお勧めします。
それでは、台湾問題に絞った解説をお送りします。
メルマガの5/15号で「習氏としては、会談で台湾有事に対し米軍が動かない確証を得たかったはずですが、さすがに、トランプ氏に対しストレートには要求しなかったようです。大統領自身から、面と向かって拒否される可能性が大きいからです」と書きました。
分かってきた範囲ですが、習主席の大統領に対する実際の発言は、以下のようだと言われています。
「処理を誤れば、両国は衝突あるいは紛争に発展し、中米関係を極めて危険な関係に陥れる」
これが“警告”なのか“お願い”なのかは、肉声がないので分かりません。
さらに習近平主席は、台湾の独立を認めないよう釘を刺したと言われていますが、トランプ大統領の反応は不明です。
代わりに、米国に戻ってからFOXニュースのインタビューで答えた大統領の肉声がネットで流れています。
以下の内容です。
「私は誰かが独立することを望んではいない。9500マイルも移動して戦争するなんて、そんなことは望んでない。彼らには冷静になって欲しい」
これをもって、日本メディアの報道では「トランプは台湾を見捨てる気だ」の論調が多いようです。
しかし、トランプ大統領が中国による台湾併合を認めたとは思えません。
大統領は、「台湾が・・」とは言わずに「彼らが冷静になれ」と言っています。
つまり、この言葉は中国と台湾双方に対して向けられた言葉だと解釈するほうが自然だと思われます。
さらに、台湾に対する武器売却の話は、いったん保留するような発言をしましたが、商売を何より重視するトランプ氏です。
2兆円近いと言われる商談を大統領自身が簡単に潰すとは思えません。
「ここは、はぐらかしておこう」なのが真意だと思います。
しかし、習近平政権が続く限り、中国が台湾進攻を諦めることはないでしょう。
そうなれば、尖閣を含む先島諸島への攻撃の可能性は高いままとなります。
このような見解は、平和団体などから抗議を受けるかもしれませんが、純粋な軍事論からの見解です。
その軍事面から考えると、中国は上陸作戦の前に、海上封鎖で台湾を兵糧攻めにし、かつ心理的な圧迫作戦を行うでしょう。
しかし、大規模かつ長期に渡る海上封鎖は経済的な負担が大きく、今の中国経済がさらに疲弊する要因となるのは確実です。
さらに軍事面からすると、台湾から111kmしか離れていない先島諸島を有する日本に背後を取られる形となり、包囲網の背後が不安となります。
そう考えると、当然「先に日本を叩いておこう」という選択肢が出てきます。
米中首脳会談において、習氏は高市政権が進める防衛力強化を「新型軍国主義」などと呼び、高市氏を感情的に非難したと言われています。
それに対しトランプ氏は「高市首相は素晴らしい指導者だ」と擁護したとされますが、言葉の強さは不明です。
トランプ大統領は、大統領専用機が中国を発った直後、機中で高市首相と電話会談を行いました。
この会談の内容はまったく分かりませんが、こうした擁護発言を「言ってやったぞ」と伝えた可能性があります(あくまでも憶測ですが)。
日本は、独自の防衛力強化と関係国との連携外交で「中国の脅しには屈しない」という姿勢を強く示すことで中国の意図を挫くことが大事です。
トランプ大統領は、中国を発つ寸前の大統領専用機の搭乗口で記者たちに対し、最後にこう言いました。
I have to speak the person that right now is you know, you know who he is. That’s running Taiwan.
トランプ流独特の言い回しで翻訳が難しいのですが、以下のように解釈しました。
「台湾のことは、君たちがよく知る、現在台湾の統治を続けている”彼“と話す必要がある」
この”彼“が頼清徳(らい・せいとく)総統を差していることは明らかであり、現在の統治者が頼総統であると明言したことになります。
この発言は中国にとっては青天の霹靂ともいうべき大事です。
台湾が国連の議席を失って以降、米国大統領が電話会談でも歴代の台湾トップと話したことは無いからです。
しかも、“running Taiwan”というトランプ流の独特な言い回しが意味深です。
つまり、トランプ大統領は「現在、台湾を統治しているのは頼総統」だと言ったことになるからです。
中国はかなりのショックを受けたと思われます。

