福島第一原発の処理水の放出

2023.07.15

【国際・政治】2023

福島第一原発の汚染処理水の放出が近づくにつれ、中国政府や韓国野党の過剰反応が異常なレベルになってきています。
日本国内でも反対意見がありますが、漁業関係者の反対と野党議員たちの反対の動機はまったく異なります。
漁業関係者は、風評被害により魚が売れなくなることを恐れての反対ですが、野党議員たちは、自分の政治的姿勢のアピールという歪んだ反対です。
 
ただ、一般の国民は「汚染処理水」と聞くだけで恐怖を覚えるのが普通だと思います。
それゆえ、前述のような放出反対論に、ある程度は共感を覚えてしまうのです。
韓国野党および連携する日本の議員たちは、その恐怖心を煽るという禁じ手を使っているのです。
つまり、この世に「お化け」はいませんが、悪い大人が子供に「お化けはいるんだぞ」と言って脅かしている構図なのです。
 
本メルマガで何度も述べてきましたし、他の機会でも言及してきましたが、私は原発や核施設の仕事に従事してきた経験があります。
それも、かなり危険な仕事にです。
そうした作業中に浴びた放射線量は、法律で定められている量を超えています。
しかし、正確な被ばく線量は不明です。
どうしてか?
許容量を超えて被ばくすると、その後、施設に立ち入ることができなくなります。
それでは仕事が出来ないので、線量計やアラームを外して原発内で作業を続けたわけです。
当然、その間の被ばく線量は記録されないため、被ばく総量は不明となるわけです。
 
どうして、そんなことが出来たのか、疑問に思われるでしょう。
それは、実に簡単なことです。
我々のチームが何の制約も受けない特別チームで、しかも、途中から私がリーダー代行となったからです。
私は、最も危険なレベル4の領域で放射能防護マスクを外して作業したことが何度もあります。
なるべく息を止めていましたが、それでも内部被ばくは避けられません。
心配はありましたが、健康被害は出ませんでした。
 
科学的な知識とそうした実経験から断言できます。
福島第一原発の汚染処理水の放出には何の問題もありません。
この処理水に含まれているトリチウムは水素の同位体元素ですから、水を構成する元素の一部です。
もちろん海水中には大量に存在しています。
つまり「水の中にある水」ですから、そもそも処理水から取り出すことは不可能なのです。
もちろん、韓国や中国を含めた世界中の原発から放流されている処理水には相当量が含まれています。
中国と半島以外の国は、どこも反対していませんから、予定通りに放出すれば良いのです。
 
ここまで問題をこじらせた一番の責任は、「汚染処理水をタンクに溜め込む」という愚策を決めた日本国政府にあります。
溜め込まずに、すぐに海水で希釈して放出を行っておくべきだったのです。
当然、猛反対に会ったでしょうが、今頃は、とっくに沈静化しているはずです。
「凍土壁で地下水の流入を防ぐ」なんて言った“ばかな”専門家”や政治家のおかげで、莫大な予算を無駄に使い、結局、今回の馬鹿騒ぎです。
あの時の政治家の名前は、ここには書きませんが、意見を聞きたいものです。
 
悪意の拡散や風評被害を除いて、福島を含めた日本や周辺諸国への影響はゼロといって良いレベルです。
度々報道されていますが、朝鮮半島と黄海(韓国は西海と主張していますが)を挟んで向かい合う中国沿岸には55基もの原発がならび、福島第一原発の50倍ものトリチウムを含む処理水が放出されています。
しかし、中国はもとより韓国の左派勢力、およびそれを支持する韓国民は、だんまりです。
左派勢力に踊らされている韓国国民は、半永久的に日本に難癖を付けてくるでしょう。
日本としては、取り合っても仕方ないと腹をくくるべきです。
 
それより大きな問題は、破損した原子炉の廃炉です。
世界で例がない困難な仕事となります。
次号で、この問題を取り上げたいと思います。