台湾有事はありや、なしか?
2026.01.21
ネットの世界では、この論争が高まっています。
“あり派”も“なし派”も一定の論理展開をしていますが、意味はないです。
一番の当事者である習近平主席自身が「やりたいけど、失敗したらオレが終わる」と思っているからです。
彼の脳裏には、まず、プーチン・ロシアのウクライナ侵攻の惨状が浮かぶでしょう。
次に、米国トランプ大統領の心理を読み解くことが出来ません。
今回のベネズエラへの電撃的な軍事作戦を見て、その疑心は一層深まったと思います。
近く始まる米中首脳の相互訪問で、「米国は台湾問題を口にしない」ことを期待していた主席にとっては衝撃だったはずです。
その上、日本の出方も不透明で、大きな懸念材料となっています。
中国にとり安心材料だった石破前首相と違い、高市首相は油断できない相手です。
日米が連携して動くと考えれば、台湾進攻に踏み切れないことは明らかです。
その意味から言えば「台湾有事」発言は有効だったと言えるでしょう。
もちろん、別の角度から見れば「不用意な発言」との批判が出るのは当然ですが、私は「結果オーライ」と考えています。
よく「中国は孫子の国だ。だから“戦わずして勝つ”方法で台湾併合を考えている」という意見が出ます。
そして、「その具体策が“戦狼外交(狼の遠吠え作戦)”だ」と言われます。
間違いではありませんが、孫子の兵法はそんなに単純ではありません。
まず「敵の中に味方を作る」から始まります。
日本の親中派と言われる政治家や評論家の中には、中国に取り込まれていると思われる人物はかなりいます。
ですが、高市首相の「内外のブレーン」の中に孫子を真に理解している人がいれば心配は無用です。
むしろ親中派を利用する策を考えるはずです。
親中派工作において、日本に対してはある程度成功している中国ですが、米国に対してはまったく手も足も出ない状態です。
それは当然です。
世界で最も孫子研究がさかんなのは米国だからです。
私が師事した武岡先生の言葉を借りれば、「米国には孫子研究の財団が100以上ある」とのこと。
米国はベトナム戦争時、戦死した北ベトナム将校の遺体を調べたところ、例外なしに2冊の小冊子(ポケットブックのような極小の本)を持っていたということです。
その1冊は「毛沢東語録」、そしてもう一冊は「孫子」だったそうです。
ベトナム戦争での敗北後、米国は「我々は、ベトナムに負けたのでない。この本(孫子)に負けたのだ」とし、その後、政府の支援により多くの孫子研究機関が生まれ、徹底的な研究が行われたということです。
私は、かつて中国人の社員から「社長ほど孫子を学んでいる中国人はいませんよ」と言われたことがあります。
彼は中国の大学を出た後、日本の大学院に学び当社に入社した優秀な社員でした。
そんな彼ですから、私へのゴマすりではなかったと思います。
それは、孫子研究の第一人者と言われた武岡先生に師事した成果だと思っています。
結論として、日米の軍事連携が機能している限り、中国による台湾脅しはあっても侵攻は無いと考えています。
もう1回飛ばしますが、次回、改めて台湾の歴史を掘り下げて解説したいと思います。

