2017年11月30日号

2017.12.19

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2017年11月30日号
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発行日:2017年11月30日(木)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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           2017年11月30日号の目次
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★大企業の相次ぐ不正(その2)
★もんじゅは廃炉不可能
☆日本経済は新次元の入り口にある(その5)
☆短期的変動に備える経営へ(11)
これからの商売(7):コンビニ
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は経済、経営の話題をお送りします。
 
SNSなどのネット社会の急激な発展に人間の倫理観が追いつかず、新手の犯罪が急増しています。
それは当然です。
ネット世界には、匿名、なりすまし、デマなどの犯罪の温床となる要素が“てんこ盛り”だからです。
「コンピュータを扱う人間に悪人はいない」という古い倫理観のまま、技術だけを発展させた結果です。
国際社会が、北朝鮮のような国の核兵器所有を許してしまった図式と同じです。
このような時代をどう生き抜くかを考える毎日です。
 
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┃★大企業の相次ぐ不正(その2)                  ┃
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不正の発覚が神戸製鋼所や日産自動車だけで止まりません。
29日、「三菱マテリアル」の子会社「三菱アルミニウム」でも検査データの偽装が発覚しました。
今後もまだまだ出てくるものと予想されます。
それは、前回指摘したように、日本の“ものづくり”の根本の考え方に原因があるからです。
 
日本においては、高い技術は人々の賞賛の的になります。
「外国だって同じだろう」と言われるでしょうが、少し事情が違います。
日本人は、どんな製品であろうと、高い技術には賞賛を惜しみません。
名もない一人の職人が作った包丁一本、ネジ一本に対しても、国宝を作った仏師に匹敵する賞賛を与える国が日本です。
外国でも良い物には評価が集まりますが、日本ほどではありません。
この感性は日本人独特なものであろうと思います。
 
「そのどこが相次ぐ不正と関係するのか」と、また言われそうですが、もう少し説明をさせてください。
JISなどの安全基準は“ものづくり”の基準でもありますが、最高品質の基準ではありません。
「安全に使えます」という基準です。
つまり、その基準ギリギリで作れば良いのです。
しかし作る側には、ここで2つの心配が生じます。
ひとつは「万が一にも、この基準を下回ったら大変だ」という心配。
もうひとつは「より良いモノを作らないと市場から見放される」という心配。
 
そこで、第一の心配から開放されるために、法律や公的規格が求めるより高い自社基準を設定します。
次に第二の心配から解放されるために、可能な限りもっと高い基準を設定します。
言っておきますが、これは悪いことではなく素晴らしいことなのです。
その上、鉄鋼などの素材製品を使用する自動車メーカーなどは、さらに自動車としての高い基準を設けます。
結果として、屋上屋を重ねた“相当に高い”日本品質が作られるわけです。
この高品質が世界に賞賛されるわけなので、くどいようですが、本当に素晴らしいことなのです。
だが、そのため、どうしても高価格となる傾向があります。
 
問題は、どのメーカーの誰もが、自社製品の品質が、法律や公的規格が求める安全基準より高いことを知っていることです。
いや、法律や規格の基準自体が高めに制定されていることまで知っているのです。
だから「少々手を抜いても大丈夫」という心理が働きます。
 
そんなところに、収益が厳しくなった上層部から厳しい「コストダウン」が要求されます。
しかし、合法的な手をやり尽くしても、上層部からの要求水準に達しない。
そんなとき、「悪魔のささやき」が聞こるのです。
「そもそも我が社の基準が高すぎるんだよ。少々下げたって問題ないよ」
そこで少し基準を下げてみました。
全く問題ありません。
その結果、だんだんと大胆になってきて、ついに基準以下の不正が発覚するところまで行ってしまうわけです。
2005年に発覚した姉歯事件も同じ図式だったのです。
しかし、「姉歯という人物が悪人だった」で片付けてしまい、上記の不正を生むメカニズムを軽視してしまったのです。
だから、12年経った今も全く変わらない日本の姿が露呈してしまったのです。
 
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┃★もんじゅは廃炉不可能                      ┃
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廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」が、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。
あまり大きなニュースになっていないが、呆れたのは関係者の次の言葉である。
「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」
これは、森友・加計問題なんかの比ではなく大変な事態なのだが、マスコミも野党も沈黙している。
不思議なことである。
 
以前にも書いたことがあるが、「もんじゅ」の設計時、私はこの液体ナトリウムの流動解析の仕事に携わっていた。
ナトリウムは空気に触れれば発火するし、水に触れると爆発的な化学反応を起こす危険な物質である。
実際、洗面器一杯の水にナトリウムを1滴垂らしただけで爆発する様を目の当たりにして、その危険性に「制御できるのだろうか」と思ったことを思い出す。
 
そのナトリウムを取り出すことが設計で想定されていなかったというのである。
設計ミスなどというレベルではなく、国家レベルの無責任ということである。
日本には、原発の使用済み燃料から取り出したプルトニウムが溜まり、諸外国から核武装するのではないかという疑念が寄せられている。
そのプルトニウムを燃料に使うということで計画された「もんじゅ」であるが、その構想はもろくも崩れ、廃炉という運命になった。
建設に1兆円以上の税金が投入されただけでなく、廃炉にかかる費用は算出もできないという。
しかし、そもそも廃炉できないとなると、このまま巨額な維持費を垂れ流し続けるしかないわけである。
 
かつて、液体ナトリウムの流動解析チームは「今の技術では扱うのは無理」という結論を出したのであるが、その結論を無視して、もんじゅは建設が強行された。
「一度決まった国の方針は変えられない」という日本の不文律は、いつまで経っても変えられないのであろうか。
安倍首相の言う「岩盤規制」とは、官僚が牛耳る日本の「見えない規制」のことであろう。
しかし、その岩盤規制に風穴を開ける役割である「特区政策」が加計問題で野党の攻撃の的になっている。
あえて野党に問いたい。
野党は、『岩盤規制を維持すべき』と主張しているのですかと。
もんじゅの無残な有様は、そうした象徴なのである。
 
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┃☆日本経済は新次元の入り口にある(その5)            ┃
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今号から、「真面目な新次元のビジネス」の話をしたいと予告しましたが、まずは統計データから話しましょう。
バブル真っ盛りの1980年代、日本のGDPは世界の20%を占めていました。
今は5%ぐらいですが、日本のGDP値が1/4になったわけではありません。
30年間の横ばいの間に世界経済発展に取り残された結果なのです。
 
購買力平価(物価を考慮した基準)でGDPを換算すると、日本はすでにインドに追い抜かれているとのことです。
実質的にインドに抜かれ4位に落ちるのも時間の問題というわけです。
この傾向は止められず、トップ10から姿を消す日もそう遠くない事態になるかもしれません。
そうなったら、日本の国際発言力はゼロとなり、世界からそっぽを向かれるのではないでしょうか。
 
しかし、海外の経済通に言わせると、日本の潜在能力は今も世界トップクラスだと言うのです。
では、その潜在能力はどこに眠っているのでしょうか。
もちろん、それは若い世代に眠っているに決まっています。
それなのに、未だに団塊の世代とそのすぐ下の世代の「先の短い」世代が“でかい”顔をしていることが日本の“ガン”なのです。
退職して時間があるのか、デモ行進の中心が見事に団塊の世代であることがそれを象徴しています。
経済だけでなく政治の世界も同様の老害に溢れていますね。
 
団塊の世代は「社会正義」というものを至上命題と捉えている人が多い世代です。
「利益よりも公益が大事」と大真面目で主張しています。
さすがに経営者になると、そんなことでは潰れてしまいますから、心の中では「利益が一番」になっています。
しかし、圧倒的に少数ですから、大勢を変えることは出来ません。
 
つまり、新次元の経済に入るためには、出来る限り早く若い人たちに主導権を渡す必要があるのです。
だって、潜在能力を持っているのは、若い人たちなのですから。
 
その上で、若い方たちに言いたいことがあります。
まず、自分たちが持っている潜在能力が何かを分析することから始めて欲しいのです。
その上で、その能力が市場に通用するのか否かを客観的な物差しで見極めることです。
それで「行ける!」となったら、躊躇なく経営の道に入って欲しい。
「ダメだな」となったら、また考えれば良い。
あるいは、修行する場(企業)を探して移ればよい。
若いことの最大の武器は「時間を持っていること」である。
大丈夫。未来はあなたたちの味方だから。
 
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┃☆短期的変動に備える経営へ(11)                ┃
┃  これからの商売(7):コンビニ                ┃
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「これからの商売」としてコンビニを取り上げるのは「おかしい」と思われるかもしれませんが、「これからのコンビニの行く道」と置き換えて読んでください。
 
米国で始まったコンビニエンス・ストアという商売を日本に持ち込んだのは、セブン・イレブンの前会長の鈴木敏文氏です。
1974年5月、東京の豊洲店が第1号で、最初に売れた商品はサングラスだったということです。
それから43年、コンビニの店舗数は6万に迫っています(2017年3月末)。
経済原則からすると、5万店舗が限界と言われていましたが、軽く超えてしまいました。
つまり、経済原則を無視した増え方をしているということです。
 
そこで、一店舗あたりの人口を計算してみました。
予想以上に地域差が大きく、一番少ない東京都が1,767人、一番多い奈良県が3,086人という結果でした。
人口密度を考えればこの開きは当然の結果ですが、この程度の市場規模でコンビニの経営が成り立つということです。
しかし、コンビニ各店の経営は苦しくなっているのは確かです。
過当競争の次元に入ってきたといえるでしょう。
 
日本より一足どころか二足早く過当競争に入っているのは韓国です。
なんと国全体の統計で、1店舗あたりの人口は1,491人というから驚きです。
当然、店舗の平均売上は、日本の1/4程度となり、経営は四苦八苦です。
 
韓国のコンビニ1号店は、1989年5月ですから、日本に遅れること15年。
ですから、超短期で急成長したわけです。
理由としては、日本より規制が緩いことと低資金で開店できることが大きいと言われていますが、特徴的なことは深刻な就職難が影響していることです。
就職が難しいので、「ならば、コンビニで独立しよう」とする人が多いというわけです。
たしかに、20代、30代の若いオーナーが多いことからも、その理由が頷けます。
 
だが、日本より遥かに早い過当競争の到来で、遅くとも4~5年後は倒産が相次ぐだろうと言われています。
そうすると、若い世代にとっては真っ暗な時代となるわけで、暴動が起きかねないと心配する向きもあります。
 
さて、こうした韓国の後追いが懸念されている日本ですが、日本のコンビニは韓国より遥かに先を見て戦略を練っています。
「業界第2位のファミリーマートがフィットネスに参入」という記事がありましたが、他のコンビニも他業種への進出、あるいは他業種と組んでの複合ビジネス化の道を取り始めています。
「物を売る」ビジネスが「物とサービスの複合商品を売る」という複合ビジネスに変化することが、次の目指すべき経営の一つであることは確信できます。
次号では、弊社も取り組んでいる既存ビジネスの複合化についてお話ししましょう。
 
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<編集後記>
「ハズレ馬券は経費」という判決が最高裁で確定し、訴えた方が税務署に勝訴しました。
ギャンブル好きでなくても、妥当な判決といえます。
それまでは、「当たった馬券の購入費のみを経費として認める」が税務当局の見解だったのですが、
それが覆されたわけです。
正当な権利を主張して公にも要求することは法治国家の国民として当然の権利です。
裁判に希望が持てる判決だと評価します。
 
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