2016年2月15日号

2016.02.29

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2016年2月15日号
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発行日:2016年2月15日(月)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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           2016年2月15日号の目次
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★北朝鮮問題の主因は中国
★尖閣シミュレーション
☆衆参同時選挙の可能性
☆戦争と平和(番外編):次のシリーズへの引き継ぎ
http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。

今号は国際問題、政治問題をお送りします。

株価の乱高下と円高に翻弄されている日本ですが、巷(ちまた)の反応は「ガソリンが安くなって助かる・・」と、危機感ゼロの様子。
つくづく日本は平和な国(平和ボケ?)だなと思います。
きっと戦前の日本も、状況は違えども、庶民の意識はこんな程度だったのではないでしょうか。
それが惨めな敗北へとつながった本当の要因だと。
そんなことを考えました。

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┃★北朝鮮問題の主因は中国                    ┃
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核実験の時とは反対に、今度は予告通りに北朝鮮が長距離ミサイル実験(報道では「事実上の弾道ミサイル」と言っています)を行いました。
各国は型通りの非難声明を出していますが、インパクトゼロで、北朝鮮の姿勢は全く変わりません。
国連安保理は、これまた予想通り、中国の「やる気なし」で制裁決議が出せない有様。
ことは北朝鮮の思惑通りに進んでいるように見えます。

北朝鮮は分かっているのです。
中国が動けないことを。
そして、国連や国際社会が何も出来ないことを。
金正恩は、世界を舐めきっているのです。

事実、今の中国には、北朝鮮問題に関わる気持ちも余裕もありません。
政治的には北朝鮮が今のままのほうが良いのです。
その一方で、中国は経済問題で行き詰まり、政権運営に黄色信号がともっている状態です。

1月26日、中国は突如、「国家統計局の王保安局長が調査を受けている」との報道を流しました。
王保安局長は、1月19日に、内外の記者を集めて「2015年の中国の経済成長率は6.9%だった」と発表した人です。
TVなどで顔を見た読者の方も多いのではと思います。
それからわずか1周間後の失脚報道です。

中国のGDP発表が信用出来ないことは「世界の常識」です。
実際の数字は3%程度とも言われていますし、いやマイナスに陥っているという見方もあります。
ただ、実態はだれにも分かりません。
中国当局ですら分からないのだと思います。
それでも、そのことを公式に問題化する発言は、世界のどこからも出てこないのです。
出るのは、非公式な報道ばかりです。

それは当然です。
中国の正式発表は「6.9%の成長」であり、共産党のHPに載った「それを発表した王局長が調査を受けている」という記事だけなのです。
日本や欧米だったら追求報道がなされるはずですが、中国のマスコミには自由な報道や論評は許されていません。
政府発表をオオム返しに伝えるだけの存在です。
さらに、中国にはまともな国会もなく、野党の存在すら許されない、共産党一党独裁の国です。
欧米や日本は、中国政府の公式発表を「ウソだろ」と思いながら垂れ流すしかないのです。

それ故、われわれは、客観的な事実から実態を憶測するしかありません。
例えば、外貨準備高が月1000億ドルペースで減り続け、今や3兆2000億ドルに減ってしまった。
だから、GDPが6.9%で伸びているという発表は「ウソ」だろうと推測するのです。
また、対外債務が4兆4000億ドルに達していることから、この外貨状況でAIIBがまともに運営できるはずがない。
かと言って、国際通貨としてIMFから認められた人民元の大量発行を実行したら、国際通貨としての信用はガタ落ちになる。
つまり、中国の経済運営は「実質的に破綻している」と推測は出来ます。
しかし、これを事実として認めることは、中国政府はもちろん、欧米各国も日本も出来ないのです。
認めれば自国経済に大きな影響を与えてしまうからです。

かくして、チャイナショックは時限爆弾となって、不気味に時を刻んでいるのです。
北朝鮮問題は、いっとき話題になっては消えていく泡沫報道のようなものなのです。

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┃★尖閣シミュレーション                     ┃
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少し前、米国のランド研究所が実施した「尖閣諸島を巡る日中衝突のシミュレーション結果」の記事がネットに載った。
「日本は5日で敗北」というセンセーショナルなタイトルなので、ご覧になられた方も多いと思う。

私も、この記事を詳細に検討してみたが、雑な内容で「いい加減な記事」だと思った。
この記事に書かれた紛争勃発の前提条件が単純すぎるのと、局地戦における軍事戦略という視点がお粗末なことがその理由である。

ただ、中国が尖閣諸島を狙っていることは事実であり、軍事侵攻もあり得ないことではない。
それでも、「絶対に中国が勝つ」というシナリオを描けない現在、可能性はほとんど無いであろう。

中国政府の基本戦略は、孫子兵法の「不戦屈敵(戦わずして敵を屈服させる)」にある。
その戦略に沿って、「三戦」つまり「心理戦、世論戦、法律戦」で日本に戦争にならない戦争を仕掛けているのである。
従って、日本も、この「三戦」で戦うべきなのである。

それには、中国が最も嫌っていることはなんであろうかを考え、仕掛けていくことである。
それは明白である。
「米国の介入」である。
中国は、米軍が出てこない日中紛争で勝利することを狙っているのである。

では、米国頼みで良いかというと、そうはいかない。
米国の元国防長官だったロバート・ゲーツ氏の言葉が、それを物語っている。
「国防に力を入れる気力も能力もない同盟国を支援するために、米国の貴重な資源を割く意欲や忍耐は次第に減退していく」。
つまり、米国は、軍事力で戦う気力も能力も持たない国は助けないと言っているのである。

これを米国の身勝手さと断ずるのは勝手だが、日本が中国の戦略の餌食にならないためには、中国が最も嫌がる「米国の軍事介入」の可能性を大きくしておくことがカギとなる。
日本の安全保障をこうした観点で考えることも大事なのではないかと思う。

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┃☆衆参同時選挙の可能性                     ┃
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経済の悪化で、今年の参院選が「衆参同時選挙」になる可能性が大きくなってきた。
もっとも安倍首相は、3月末の大手企業の決算内容が出そろう5月までは態度を鮮明にはしないであろう。
だが、さらに株価や円高が進み、政策の失敗の声が大きくなるようだと、決断を早める可能性がある。

衆院解散には大義名分が必要であるが、「アベノミクス破綻」を理由には出来ないので、「消費税の再増税見送り」を理由にするであろう。
軽減税率の詰めも進んでいない様子を見ると、来年4月の実施は物理的にも難しくなりつつある。
なにより、税率10%の心理的影響は大きい。
実施すれば、確実に消費者の購買意欲は落ちる。
首相周辺は、「増税見送り → 公約違反 → 責任をとって衆院解散 → 責任を取れる政治のアピール」、
のシナリオで衆参同時勝利を狙っているものと思われる。

この発表は、ぎりぎりまで伸ばすことで効果は大きくなる。
かつ、野党の選挙協力には大打撃となる。
私が政権の参謀ならば、当然に考える策である。

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┃☆戦争と平和(番外編):次のシリーズへの引き継ぎ        ┃
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戦争と平和シリーズの最終回で「戦争と平和は永遠に解けないパラドックス」と書きましたが、
私は、戦争肯定主義者ではありません。
変な言い方ですが、「平和を唱えるだけで平和が来るとは思えない主義者」です。

米国と違って、日本は、家庭に銃がある家はほとんど無いでしょう。
しかし、包丁やバットなど、武器になり得る物は、どの家にもあります。
もし強盗などに襲われたら、度胸が少しでもあれば、それを武器として使用すると思うのです。

私の家には芸術品としての日本刀がありますが、これは人の殺傷が可能な武器になります。
また、若いころ、スポーツとして楽しんでいたアーチェリーの弓と矢を今でも所持していますが、
これも充分な殺傷能力があります。
もし、日本が無警察状態になり、家族や大事な人を守る必要が生じたら、これらを武器として使用することに躊躇はないと思います。
日本では「そんなこと起きるわけが無い」とは思いますが、多くの難民が生まれる国では、日常がそのような状態なわけです。

米国は先進国ですが、少なくとも過半数の米国人は「家庭に銃が必要」と思っているのです。
その家庭内にある銃によって多くの悲劇が起きているにもかかわらずです。

平和を守るためには武力が必要。でも、その武力が戦争を招くというジレンマ。
こんな言葉があります。
「陳腐な言葉だが、戦争を覚悟してこそ平和を得られる」
この言葉は、韓国の新聞「朝鮮日報」に載った金大中(キム・デジュン)元大統領の言葉です。

私は、戦争を起こす原動力は、宗教と経済だと思っています。
そこで、次号から「経済と政治」というテーマで、戦争論の続きを書いてみようと思いました。
日本で議論になっているTPPも、この観点から考えてみると、ずいぶん違って見えてきます。
私は、TPPを「EUの理念を環太平洋に実現するもの」として捉えています。
本家のEUは理想から離れつつあるように見えますが、目指すゴールは「ヨーロッパ合衆国」です。
ヨーロッパ諸国の国民は、その理想を理解し、ぜひ実現して欲しいと思うのです。

同じように、環太平洋諸国が一つの国になることは難しいですが、経済だけでも一つの国になることは可能だと思うのです。
「TPPは米国の策略」だと言う方もいます。
そのようにも考えられますが、日本が「太平洋を一つに」という理想を掲げることで、その懸念を
払拭し、たとえ米国の策略だとしても、米国もその理想に賛同させることが出来るのではないかと考えるのです。

TPPにも弊害があり、実施に向けて各国の対立も激化してくるものと思います。
日本は、積極的にその調整役を引き受け、たとえ、自国に不利になることでも、加盟各国の総意を創りあげ、率先して受け入れていくべきなのではないでしょうか。
太平洋を平和の海にするためにです。

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<編集後記>
被曝量に関する環境大臣の発言や、歯舞(はぼまい)を読めない沖縄北方担当大臣の発言など、大臣の軽い発言がやり玉に上がっています。
無知のひどさに呆れるばかりですが、そんな程度の大臣しか選べない現状のほうがもっと危機です。
この低下は、議員全体のレベルが格段に落ちていることと、政治家に極端な潔癖さを求める世間と、それを餌にスキャンダル報道に血道をあげるマスコミの相乗効果のように思えるのです。

昔、「出たい人より出したい人を」というような選挙キャッチがありましたが、今や議員になるのは、出たがり屋ばかりのように思えてしまいます。
 
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