2016年6月15日号

2016.06.30


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2016年6月15日号
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発行日:2016年6月15日(水)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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           2016年6月15日号の目次
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★参院選と民進党
☆尖閣接続水域波高し?
★なぜオバマ大統領は、原爆ドームの前に行かなかったのか
★経済と政治(4):人間を幸福にしない日本というシステム
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
 
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
オバマ大統領の広島訪問について、作家の塩野七生(しおの ななみ)氏がイタリアから以下のコメントを出しました。
「謝罪を求めず、無言で静かに迎えるほうが、謝罪を声高に求めるよりも、断じて品位の高さを強く印象づけることになるのです」
そして、最後にこう付け加えました。
「『求めない』と決めたのは安倍晋三首相でしょうが、誰かが進言したのだと思います。その誰かに、次に帰国した時に会ってみたいとさえ思う。だって、『逆転の発想』などという悪賢い人にしかできない考え方をする人間が日本にもいた、というだけでもうれしいではないですか」
 
さすが塩野氏です。
単純な見方はしませんね。
 
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┃★参院選と民進党                        ┃
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再増税延期に対する安倍首相の苦しい言い訳を聞いて、本当は再増税見送りを大義名分に同日選をやりたかったのだなと感じた。
そのくらい「リーマンショック前・・」の言い訳は“ヘタ”だった。
もっとマシな言い訳を進言してやる「悪賢い人」はいなかったのかと、冒頭の塩野七生氏の話とは逆のことを考えた。
 
こうして、マスコミが大騒ぎしていた同日選が消えたことで、今度の参院選は気の抜けたビールのようになってしまった。
与党が負ける要素が少ない中、興味は“野党四党(というより民進党と共産党の共闘)”の結果に絞られてきた。
 
旧民主党の改選数は42議席だが、これは6年前の参院選で当選した議席である。
野党に落ちた3年前の参院選では、改選議席44に対して獲得した議席は17議席と惨敗であった。
民進党の執行部では「改選議席42のうち39取れれば上出来」という声が出ていたというが、20議席も危ないとの声が強かったと聞く。
こんな背景もあって、民進党はしぶしぶ共産党との共闘に踏み切ったのである。
だから、民進党の岡田克也代表は、何度も「共産党と政権を共にすることはない」と明言しているのである。
「選挙で共闘はするが、ともに政権奪取することはない」という、わかりにくさである。
常に政権奪取を狙い選挙に挑むのが、野党第一党の責務ではないのか。
だから、安倍首相に「野合」などと批判されてしまうのである。
もっと本気で政権奪取に向けた意気込みを示して欲しいものである。
 
今度の選挙での野党共闘の大半は、民進党の候補を共産党が支援するという構図であるが、唯一、香川選挙区だけが共産党候補となっている。
しかし、香川県は昔から保守王国である。
「そこでの統一候補が共産党?」と疑問を感じたが、支援者に語った民進党香川県連幹部の次の言葉で納得がいった。
「香川県の有権者の皆様に選択肢を提示できず心からお詫び申し上げます。なお『一本化』と報じられていますが、共産党候補を推薦するようなことはありません」
この発言、共闘に対する背信行為と思えるが、実は、共産党は“百も承知”なのである。
つまり、共闘をアピールするため、一つぐらいは共産党候補を統一候補にしてメンツを保つ必要があったということである。
それには、元々負けることが確実な香川選挙区が“都合が良かった”のである。
香川の有権者もバカにされたものである。
 
 
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┃☆尖閣接続水域波高し?                     ┃
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尖閣諸島の接続水域に初めて中国海軍の正式艦艇が侵入した。
同時刻にロシア海軍の艦艇が同接続水域を横切ったことで、両国の連携による日本牽制かと騒がれている。
中国は「中ロの連携」だと喧伝し、「日本が孤立している証拠」だと意味不明な見解を展開している。
一方、ロシアは沈黙したままである。
勿論、真相は分からないが、以下のように推測できる。
まず事実から整理する。
TVなどでは「ロシア軍艦3隻」と報道しているが、これは正しくない。
軍艦は1隻(それも老朽艦)だけで、他の2隻は随伴するタンカーとタグボートである。
 
この船団は、南太平洋各地での演習に参加するため、3月下旬にロシアを出港している。
長期間の遠洋航海のため、燃料や物資の補給用にタンカーなどを伴っていたのだと思われる。
同船団の監視を行っていた海上自衛隊によれば、この唯一の軍艦は、プロジェクト1155「フレガート」大型対潜艦の「アドミラル・ヴィノグラードフ」である。
同艦はロシア太平洋艦隊に所属しているが、演習を終え基地であるウラジオストックに帰投する途中であったと思われる。
つまり、船団は最短距離で基地まで帰投するコースを選び、尖閣の接続水域を通過したと考えるのが自然である。
 
このことは、おそらく日本と同様に同船団を監視していた中国は分かっていたはずである。
そして、この船団の帰途を利用して中国艦艇を同時刻帯に尖閣沖に侵入させ、あたかも中ロが連携して行動したように見せかけたのであろう。
 
上記は推測に過ぎないが、中国の居丈高な態度とロシアの沈黙が、それが真実であろうことを物語っている。
 
中国がこれほど幼稚な行動を取り詭弁を弄するのは、南シナ海における米国の行動に危機感を抱いているからであろう。
さらに、日本の自衛艦が相次いで東南アジア諸国の港を訪れていることも相当に苛立っているはずである。
次には、日米が南シナ海で共同行動を取る可能性があると見て、その牽制のため、今回のロシア船団の行動を利用したのだと推測できる。
日本は、いたずらに騒ぐべきではないが、再発防止のため、ロシアとの間に相互通報システムを確立する交渉を始めるべきである。
 
 
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┃★なぜオバマ大統領は、原爆ドームの前に行かなかったのか     ┃
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先月のオバマ米国大統領の広島訪問は好意的に報道されていますが、違和感を覚えた場面があります。
それは、スピーチを終え、被爆者と言葉を交えたあと、原爆ドームの方向に歩んだ時でした。
大統領は原爆ドームの前までは行かずに、慰霊碑の後の木立の間からドームを眺めただけでした。
時間がないからだと思いましたが、後で、狙撃を恐れての処置だったと聞きました。
「狙撃?」と訝(いぶか)しく思いましたが、説明を聞いて「なるほど」と思いました。
 
原爆ドームの後ろには、いくつもの比較的高いビルがあります。
ドームの前に立つと、それらのビルの窓からの狙撃が可能になるのです。
事前に調べた米国側が、大統領がドーム前まで行くことを止めたとのことです。
日米の危機管理意識の違いを感じるとともに、広島市の大きな問題であることに気付きました。
 
原爆ドームを訪れたことがある方はお気づきと思いますが、ドームの後ろにある”近代的な”ビルが、どうにもならない違和感を醸しだしているのです。
私が初めて原爆ドームを訪れたのは、昭和40年頃でした。
原爆ドームにはまだ一切の補修の手が入っておらず、後ろに高いビルもありませんでした。
そこで感じたのは、ドームのある場所が“あの日”で時間が止まったままの場所ということでした。
それは計り知れないショックで、しばらくは体が動かなかったことを鮮明に覚えています。
しかし、それから訪れるたびに、あの場所は変わり続けていきました。
後ろにビルが立ち並び始め、否応なしに現在を感じさせるようになっていきました。
そして、ついにドームそのものに補修の手が入ってしまい、“あの日”の感覚は消えてしまいました。
明らかに分かる補修の跡を見たときの”がっかり感”も忘れられません。
 
もちろん、広島に住む方々からは、「何を脳天気なことを言っている。復興してどこが悪い」と怒られることは百も承知です。
でも、広島を平和の象徴の都市とし、原爆の悲劇を語り継ぐ場所と位置づけるのであれば、原爆ドームは青空をバックに保全すべきなのです。
あの、投下された日の青空を忘れないために・・
高層ビルがバックの今のドームの姿は、ただただ残念でなりません。
あのビル群がなかったら、オバマ大統領はドームの前まで足を運ばれたのではないかと思いました。
 
 
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┃★経済と政治(4):人間を幸福にしない日本というシステム    ┃
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多くの戦争は、経済と政治の整合の乱れから起こります。
難しいテーマで、いつも「的外れ」と批判されることを覚悟で書いています。
どこかで挫折しそうですが、続けられる限り頑張って書きます。
 
オランダの政治学者である“カレル ヴァン・ウォルフレン”氏が書いた「人間を幸福にしない日本というシステム」という本があります。
尊敬する知人から奨められて、この本を読みました。
この本で、著者は日本の官僚主義を批判し、日本の政治には責任中枢が欠如していると指摘しています。
このように、日本人には耳の痛い話が多いのですが、「それは違うよ」と言いたいところもあります。
ただ、この本は1944年に出版された本です。
当時の政治情勢を考えると無理も無いかなとも思います。
 
このように違和感を抱く箇所はありますが、「説明責任」という言葉が広く知られる事になったのは、この本からだということには納得です。
今の日本にとって参考になる要素が多い本といえます。
 
ウォルフレン氏は、最近では安倍首相を批判していますが、納得できる部分と納得出来ない部分とが半々です。
氏は、安倍首相を「ファンタジーな右寄り政治家」と評しています。
そして、日本は、相変わらず官僚と米国によってコントロールされている国と評しています。
 
私は、この指摘は的を得ている思います。
でも、氏が指摘するほど日本国民は愚かだとは思っていません。
多くの日本人は、一生懸命考えているのですが、マスコミが頼りにならず、一方であふれるネット情報に翻弄され、どちらに行ったらよいのか、向かうべき方向を見失っているのです。
私は、この状態を、20年以上前から「暗闇の踊り場」と呼んでいました。
当時、セミナーや講演会で以下のような話をしていました。
 
「日本は戦後50年、階段を駆け上って踊り場に来たのは良いが、そこは真っ暗で、どちらに行ったら良いのか全く分からない。
迂闊(うかつ)に動けば踊り場から転落するからもしれない。
だから、動くに動けない。
誰もが、次の階段はどの方向にあるのか、その方向を示す光を求めている。」
 
それから20年も経つのに、未だに「暗闇の踊り場」で立ち往生しているのが今の日本なのです。
私は、「経済と政治」というテーマから考え、憲法を変えなければ次の階段は見つからないことに思い至りました。
 
不幸なことに、9条だけが憲法であるかのような報道が横行していますが、それは間違っています。
憲法とは、国が向かうべき方向を国民に示す羅針盤のようなものです。
70年前、戦争で荒廃した国土を前に、“非武装”で経済立て直しを優先させる方向を現憲法は示しました。
それは、間違っていませんでした。
しかし、すぐに現実が理想を覆しました。
朝鮮戦争の勃発に続く冷戦構造の最前線に日本は立たされたのです。
 
当時の吉田内閣は、その現実を前に非武装は諦めましたが、防衛を“軽武装”にとどめ、その弱点を日米同盟で補うという知恵を選択しました。
これも正しい選択でした。
日本の驚異的な戦後復興が何よりの証拠です。
護憲派は「憲法を守ってきた」と自負していますが、全くのウソです。
その時々の政権が、「憲法解釈」という知恵を振り絞り、経済優先を貫く道具として現憲法を守ってきたのです。
 
でも、その「憲法解釈」も集団的自衛権を限定的に認めるところで限界に来ています。
もう今の憲法を守ることは無理になってきたのです。
よく考えれば当たり前のことです。
未来永劫続けられる法律など、あるはずもありません。
大事なのは、過去ではなく、現在と未来です。
新しい未来に向けて、新しい憲法を創っていくことが日本の未来への出発点なのです。
 
 
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<編集後記>
日本の政治と同様、建設産業も大きな曲がり角に来ています。
しかし、残念ながら、業界内の議論は現場の週休2日制とか情報化施工とかの各論ばかりです。
こうした内々の小田原評定を続けている間に、杭の不正問題やデータ偽装などが相次ぎ、建設業界に対する不信感は社会に広がっていく一方です。
 
今必要なのは、仲間内の議論ではありません。
「行動」です。
せめて「行動するための具体的な議論」でなければなりません。
 
と言っているだけでは、私も同様に「口だけ人間」になってしまいます。
ということで、私なりの行動を考えました。
誤解を恐れずに言えば、私は日本流の「ボランティア」が性に合いません。
企業経営者であれば、その行動はすべて「ビジネス」であるべきと思っています。
 
それで、新たな建設ビジネスを考え・創造し・利益を上げる仕組み作りをしたいなと考えました。
この仕組み作りのモットーは「楽しく厳しいことを実行しよう」です。
そして、理念は、私が言い続けています「水平同格」です。
 
まもなく構想を発表したいと思っています。
ご期待ください。
 
 
 
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