2016年4月15日号

2016.04.30

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2016年4月15日号
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発行日:2016年4月15日(金)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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           2016年4月15日号の目次
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★世論の危うさと非常事態法
★原爆投下は事前にわかっていた?
☆純国産ジェット戦闘機
☆経済と政治(2):中国との関係
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こんにちは、安中眞介です。

今号は国際問題、政治問題をお送りします。

また大きな地震です。
日本人は、様々なリスクをもっと真剣に考えて政治を見ていかなければなりません。
政治批判の声だけが大きいことを危惧します。

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┃★世論の危うさと非常事態法                   ┃
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世論調査は、その時々の国民の意識を知る上で大事だと思いますが、
関連する表面の事象やマスコミの報道に流される危険が伴います。
例えば、原発事故の影響がかなり残っている現在、原発再稼動への賛否を問えば、当然、反対意見が多くなります。
少年犯罪が多くなれば「少年といえども厳罰を」の世論が大きくなります。
安保法制についても、野党が「戦争法」と声高に叫べば、「戦争はイヤだ=安保法制反対」となります。

他国から攻められた場合の防衛戦争への備えは国家の当然の義務です。
だから自衛隊の存在は、国民の多くが認めています。
一方、冷静に自衛隊の戦力構造を分析すれば、他国に攻め入る能力を持たないことは明白です。
しかし、「戦争法」と聞けば、単純に「戦争を起こすための法律」と国民感情が反応します。
野党が、その国民感情を煽(あお)り、選挙を有利に導こうとする意図は分かりますが、
民進党が政権獲得を目指すのであれば、安易にそのような言葉を使うべきではありません。

マスコミ、特に新聞は、世論調査の多数意見を「国民の声」として過剰に報道します。
それでいながら「少数意見を尊重するのが民主主義」と正反対の主張をします。

また、非常事態になると、人々は強いリーダーシップを求めます。
強いリーダーシップとは言い換えれば「独裁」であり、民主主義と相容れない部分があります。
しかし、大きな危機を迎えた時、民主主義の手順を踏んでいたのでは、事態に対処できません。
戦国時代末期、秀吉の大軍に包囲された小田原城の北条氏が、評定(会議)を繰り返すだけで結論が出せなかった故事から、今の世にまで「小田原評定」と揶揄(やゆ)されているわけです。

憲法改正とあいまって「非常事態法が制定される」と、平和団体は安倍首相を批判しています。
TVのニュースコメンテーターの中には、世論を誘導するような批判発言を繰り返している人がいます。
この方々は、「世論の危うさ」を利用して「自分は民主主義の守護者」と気取っているようにしか思えないのです。

倒産危機に直面した会社の社長が、社員たちに「どうしよう」と相談し、多数決で方策を決めるでしょうか。
国家とて、同じだと思うのです。
非常事態宣言の乱発を防ぐ方策は必要ですが、非常事態法自体を否定することは危険です。
危機に際し「小田原評定」状態に陥り、多くの犠牲者を出してしまう恐れがあるからです。

日本の原発は、反対運動の激しさの故に「非常事態マニュアル」を作れず、非常訓練も出来ませんでした。
そのことが福島原発の事故発生の大きな要因の一つになったのです。
あの事故が起きてようやく、非常事態マニュアルを作り、訓練も出来るようになったのです。
皮肉という言葉しか見つかりません。
非常事態法に対しては、世論に迎合することのない国会議論を期待します。

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┃★原爆投下は事前にわかっていた?                ┃
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藤原章生氏が書いた『湯川博士、原爆投下を知っていたのですか―“最後の弟子”森一久の被爆と原子力人生―』という本がある。

森一久氏は、かつて「原子力村のドン」と呼ばれ、黎明期の日本の原発推進に尽力した人物である。
本の題名の通り、日本初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士の教え子である。
森氏自身、広島で被曝し両親を失った。
自身も重い原爆症で生死の境をさまよい奇跡的に生還した人である。
その後、原子力事業に関係するようになり、1956年には社団法人「日本原子力産業会議」の創設に加わった。
被爆体験から原発反対に回る人が多い中、森氏は逆の道を採ったのである。
研究者の血がそうさせたのかもしれない。
比較にならないが、私も原発内での仕事でかなりの被曝をしたが、原子力を否定する側にはならなかった。
技術者としての自分がそうさせたのである。

この本の中で、「森氏は70歳過ぎから、広島に原爆を落とされることを湯川博士は事前に知りながら自分には教えなかったのではとの疑問に苛まされた」とある。
森氏は、その後、湯川博士を知る人々を訪ね歩くが、ついに真相は分からなかったとある。

ここまで読んで、私は父の言葉を思い出した。
戦争末期、小笠原の栗林兵団に所属していた父は、原爆投下のその日に広島軍令部からの電文を受け取ったと言っていた。
そこには「広島に新型爆弾投下さる。死者多数」とあったそうである。
父は当時、陸軍大尉であったが、その場に居合わせた将校たちと「ついにアメリカは新型爆弾を使ったのか」と確認し合ったと言っていた。
また、新型爆弾が核反応を利用する爆弾であることも知っていたという。

つまり、最前線の将校たちは、原爆の存在を知っていたというのである。
しかも、投下候補地まで知っていたというのである。
推測にすぎないが、湯川博士のような第一線の研究者たちが原爆投下のことを知っていた可能性は大きいなと思った。
森氏は、福島原発事故の前に他界した。
彼の出した結論がどうであったか、何も語らずに他界したのであろうか。

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┃☆純国産ジェット戦闘機                     ┃
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今年1月に公開された純国産の戦闘機X-2(通称「心神」)が4月12日に高速滑走試験を行い、離陸決心速度に達し、前脚が浮上するところまで達した模様である。
つまり、いつでも飛べるところまで来たとのことである。
4月中に、小牧基地から岐阜基地への機体移動で初飛行する予定とのこと。

X-2は、機体が三菱重工業、エンジンはIHI(旧石川島播磨重工業)が担当している。
日米共同開発のF2戦闘機の後継機種に予定されているというが、特筆すべきは、エンジンの国産化である。
IHIが開発したXF5-1というエンジンは2014年には燃焼実験を終えているが、1基5トン×2基の推力10トンである。
米国の主力戦闘機の多くは、Pratt & Whitneyという戦前からの名門メーカー製のエンジンを搭載している。
世界最強と言われるF22戦闘機はF119エンジン(推力16トン)×2基で32トン、日本が導入を決めているF35戦闘機はF135エンジン(推力18.1トン)×1基である。
これらのエンジンに比べると非力な感じがするが、X-2はあくまでも実証機である。

このエンジンで特筆すべきは重量640kgという軽さにある。
推進力重量比だけ見れば、Pratt & Whitney製のエンジンを上回っていることになる。
X-2を基に開発する予定のF3戦闘機用には推力15トン級を開発する計画なので、世界最強のエンジンとなるかもしれない。
もっとも、F3戦闘機の実戦配備は、早くても2030年代、開発費は8000億円と言われている。
軍事開発費の世界では予算の2倍以上になるのが常であるから、実に2兆円の費用が必要となる。
これが最大のネックかもしれない。

もと飛行機少年だったオヤジとしては、純粋な興味として、実際に飛行する姿を見たいと思う。
空へのあこがれは何十年経とうと色褪せることはないなと実感している。

ところで、日本の軍事ニュースに対し、必ず中国が過剰反応する。
今回も同様で、いろいろな感情が入り混じった報道が入ってくる。
冷静に考えてみれば、中国の過剰反応には日本の技術に対する恐れがあるのであろう。
そう思って報道を読むと分かりやすい。

現在、ステルス戦闘機を実戦配備出来ている国は、米国のみである。
中国が「持っている」と盛んに喧伝するJ20やJ31は試験飛行を公開しているが、映像を見る限り、その動きは鈍重である。
明らかに機体の空力性能や重量、エンジン性能が劣っている印象を受ける。
たぶん、このままでは実戦配備は無理であろうと思われる。

でも、日本だってまだ実証機の段階である。
中国が恐れる必要はないと思うのだが。
無視するしか、ありませんな・・

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┃☆経済と政治(2):中国との関係                ┃
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多くの戦争は、経済と政治の整合の乱れから起こります。
第2回の今回は、現代の日中関係を論じてみたいと思います。

日本と中国は、1972年9月の日中共同声明で国交を回復しました。
今から44年も前のことです。
当時の田中角栄首相と中国の周恩来首相が署名する姿は、よく覚えています

それからしばらくは両国の蜜月時代が続きましたが、尖閣問題を契機に関係は急速に冷え込みました。
今は、政治的に鋭く対立しながら、爆買いに代表されるように中国からの訪日者数は増える一方です。
いったい両国は仲が良いのか悪いのか、戸惑うこともあります。
そこで、いろいろ考えてみました。

個々の中国人は良い人が多いと思います。
昔から仕事で付き合ってきた人やプライベートで付き合ってきた人はみな良い人でした。
弊社には中国人の社員もおりますが、とても好青年で、日本の若者以上に良い人です。
ところが、中国政府の発言や行動を見ると、とたんに「??」となってしまいます。
尖閣や南シナ海で生じていることを見れば、無法国家と言ってもよいような振る舞いです。
絶対に自分の非は認めず、強い言葉で他国を口撃する。
都合の悪いことは知らん顔をし、自国に都合の良い理由だけを並び立てる。
軍事力を誇示し、近隣諸国を恫喝する。
個人だとあんなに良い人たちなのに、政府となるとどうしてあんなに付き合い難くなるのかと、愚痴の一つも言いたくなる。
どうしてなのでしょうか。

そこには経済の持つ力が色濃く反映しているように思うのです。
日中国交回復の頃は、中国経済は思うように良くならず、日本もまた経済成長の踊り場で次の目標が作れないでいました。
そこで、中国は日本の技術や資本力を取り入れられる、日本は中国の安く豊富な労働力を使えるとの両国の経済的思惑が一致して国交回復へ結びついたのです。
政治的には相容れない両国でしたが、田中角栄および周恩来の両首脳は、ともに実利を重んじる指導者でした。
経済的恩恵を政治より上に置いた結果といえるでしょう。

実際、総額3兆円を超える日本からのODA援助の効果もあって、中国の経済は目覚ましい発展を遂げました。
一方、日本企業の対中投資は増え続け、ユニクロのように生産を中国で行うビジネスモデルの成功例が多数生まれました。
しかし、この経済発展が、再び日中の亀裂を生むことになったのは皮肉としか言いようがありません。

経済的な自信を付けた中国は尊大になり、公に野望を口にするようになりました。
米国と肩を並べる強国になる。いや、米国をも追い落として世界最強の国になるという野望。
そうです。習近平主席の主張する「中国の夢」です。
前の胡錦濤政権は、国際協調を重んじ、その野望をあまり見せないようにしてきましたが、
それでも、中国国民のナショナリズムの高まりを抑えきれずに、尖閣での強攻策に転じました。
現在の習近平政権は、もはや野望を隠そうともせず、数々の実力行使に出てきたわけです。

国が貧しい時代は共産主義のような独裁政治になり勝ちですが、民生を犠牲にしてまで軍事費を増大させると国の経済がもたなくなります。
一方、経済力が上がってくると、軍事費を増大させることが出来るようになります。
しかし、国が豊かになると国民の権利意識が上がり、民主主義に移行し、民生を圧迫する軍事費の増大は思うようには出来なくなる。
欧米ではそう信じられてきましたが、中国はそうなりません。
経済発展以上に軍事費の増大を続けています。
どうしてなのでしょうか。
まだ中国は、そこまで豊かではないのでしょうか。
続きは次号で。

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<編集後記>
50年前、大統領候補であったジョン・F・ケネディの言葉です。
「アメリカ国民に投げかけられる質問・・(中略)みずからの独立を維持し、援助を求める人々、生き残るために頼ってくる人々に友情の手を差しのべる強さを持っているだろうか。」
50年経ったいま、移民排撃、同盟国口撃を止めない大統領候補のトランプ氏、
先のケネディの言葉を知っているのでしょうか。
たとえ知ったとしても言動が紳士的になるとは思えませんが、聞いてみたいものです。

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