2022年4月15日号(国際、政治)

2022.05.02


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2022年4月15日号
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発行日:2022年4月15日(金)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2022年4月15日号の目次
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★ウクライナ侵攻がもたらした意識の変化
◇抑止力という名の軍事力(24)
★開戦直前の日本政治(7)
★隣国の悪意の発端は日本人が作った(5)
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
ウクライナでのロシア軍の蛮行に世界が驚き、怒っています。
ネット映像の中には死体にモザイクがかかっていないものもあり、凄惨な光景です。
ただ、このような虐殺は、先の世界大戦以降も、世界の至るところで起きています。
それが、これほどまでの衝撃を与えるのは、今回は映像が広く拡散しているからです。
ニュース・アナウンサーの「虐殺が・・」という言葉を聞くだけだと、「酷いな」で終わるかもしれませんが、リアルな映像から受ける衝撃の大きさは次元が違います。
そのことで、世界中から、これまでとは桁違いの非難がロシアに集中しています。
それが、この蛮行を止める力になればと思うしかないのが、もどかしいです。
 
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┃★ウクライナ侵攻がもたらした意識の変化              ┃
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ロシアによるウクライナ侵攻は、「理想は現実によって打ち砕かれる」という歴史の繰り返しを我々に見せつけています。
侵攻前の欧州では「自由や民主主義、法の支配といった理念が世界を動かす」という理想主義が力を得ていました。
しかし、今や、そうした世論はほとんど霧散し、「世界は力が動かしている」という現実主義が主流となっています。
日本でも、「憲法9条を守ることで平和を守るべき」という理想主義は力を失っています。
憲法9条は世界に類を見ない「理想主義の極致」です。
しかし、その日本に対し、中国やロシアなどは、領海・領空侵犯を繰り返し、北朝鮮は核ミサイルで脅しを続けています。
それでも、国民は「脅しだけで本当にやりっこないさ」とたかをくくっていました。
ウクライナ侵攻は、そんな日本国民に冷水を浴びせたわけです。
 
そもそも、霊長類の覇者となったホモサピエンスは攻撃的な性格であったから、アングロサクソン人とかクロマニヨン人といった他の人類を滅ぼし、生物界の頂点に立ったわけです。
その末裔である我々人類(ホモ・サピエンス)には、そのDNAが脈々と受け継がれていることを認めないわけにはいきません。
2/15号で、私は「侵攻はないだろう」と書きましたが、私も理想主義に傾いていたことを思い知らされました。
敗北感というより、”虚しさ”に心が占められています。
 
それにしても、ロシア軍の弱さは以前から分かっていましたが、それ以上です。
この弱さの原因はロシアという国の伝統的な腐敗体質にあります。
第二次大戦から戦後にかけて独裁者であったスターリンに関する小話が多く残っています。
その中のひとつを紹介します。
ある時、「△△将軍が兵隊の給料をピンハネしている」との告発がスターリンに届きました。
スターリンはこう答えました。
「そんなヤツは放っておけ。それより決してピンハネしない○○将軍を処刑しろ」
ピンハネ将軍は自分の地位を脅かす存在にはならないが、清廉潔白な将軍は危ないから排除しようという理屈です。
 
ウクライナでの残虐行為や略奪の報道を見ると、この体質は今でも変わらないようです。
このような軍隊が強いわけはありません。
祖国防衛に命を懸けているウクライナ軍と不正まみれのロシア軍。
ロシアの苦戦の原因はここに尽きます。
 
欧米は、プーチンの意図を挫くため、軍事支援をさらに強化すべきです。
そうして、とにかくウクライナが持ちこたえれば、ロシア軍は内部から瓦解するでしょう。
 
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┃◇抑止力という名の軍事力(24)                 ┃
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前号の冒頭で、こう書きました。
『武力の「武」は、「戈(ほこ=いくさ)」を止めるという意味から生まれた漢字です。
つまり、抑止力こそが武力というわけです』
 
また、孫子は以下のように説いています。
「守備こそ攻撃なり」
しかし、この言葉は、だから「攻めてはいけない」という意味ではありません。
反撃へ転ずることのできる守備とはいかなるものかを教えている言葉です。
 
日本は「専守防衛」を頑なに守り続けていますが、孫子の言葉を理解しているとは言い難いです。
中国や北朝鮮、ロシアから執拗な威嚇を受け続け、領海や領空の侵犯を繰り返されています。
それだけでも「攻撃を受けている」と認識すべきなのに、平和を願い「何ごとも穏便に・・」という外交を続けてきたわけです。
 
ロシアによる軍事侵攻や民間人殺害はウクライナが初めてではありません。
アフガンやチェチェン、シリア、ジョージアなどで繰り返し行ってきたことです。
国際社会は、そこを軽視して・・というより目をつぶってきたのです。
欧州はロシアの資源欲しさから、そして、日本は北方領土返還への淡い期待からでした。
プーチンは、そうした成功体験から、今回も「軽く成功」と踏んだのでしょう。
その思惑が外れた現在は、どんな心境にあるのでしょうか。
 
こうした事態から、孫子が説く守備を考えてみました。
守備の戦略構築は、地理的な洞察から「どこで守るか」を決め、彼我の戦力差から「どう戦うか」を決める作業です。
さらに、前線維持のための兵站や後方支援体制、信頼できる同盟の強化などをどのように関係付け維持していくかの補強戦略も教えています。
 
さらに、もうひとつ大事な戦略があります。
前述した「守備から攻撃に転ずる反転攻勢」の戦略です。
この反転戦略を遂行するための有効な軍事力を持たないと、攻撃の意図を持つ相手に攻撃を躊躇させることができません。
ウクライナは、それをNATO加盟に求めたのですが、実現できないままロシアの攻撃を受けたわけです。
しかし、物理的な軍事力が大きく劣勢でも、国民の徹底抗戦の意識が高く、またゼレンスキー大統領の発信力の高さが、脅威の反撃力の強さに結びついています。
 
果たして、今の日本に、こうしたことを期待できるでしょうか。
平和ボケ、米国頼みと言われ続けながら、平和憲法の下では防衛議論すら行ってはいけないという空気に支配されてきました。
ロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにして、果たしてこうした意識は崩れるのでしょうか。
本コラムは今回を最終回として、次回からは視点を変えた新たなコラムをお送りする予定です。
 
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┃★開戦直前の日本政治(7)                    ┃
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民主国家の政権交代のためには、政権担当能力を持つ野党の存在が欠かせません。
しかし、野党が育たない日本では、自民党内の派閥対立が与党vs野党となり、擬似的な政権交代が行われてきました。
ところが、それも機能不全を起こし、密室的な政権禅譲が公然と行われるようになっています。
乱暴な意見ですが、現在の日本政治は戦争中および敗戦後より劣化していると言えます。
 
少々びっくりする話ですが、開戦翌年の1942年の日本で総選挙が行われているのです。
たしかに「翼賛選挙」と言われるような不十分な選挙でした。
それでも、この選挙で当選した議員たちの存在が、戦後、議会政治がすぐに復活した原動力になったのです。
その事実は、この選挙で選ばれた議員たち全てが体制べったりではなく、政治家としての矜持を持っていたということを現しています。
この例のように、戦前の政治は、戦後言われるほどひどい政治ではありませんでした。
もちろん、良い政治であったというわけではありませんが・・
 
我々は、当時の日本は特高警察が国民を徹底的に弾圧した国であったと教えられてきました。
ドラマや映画で繰り返し見せられた理不尽な逮捕、拷問などのシーンがそうしたイメージを倍加させてきました。
その全てがウソではありませんが、特高警察の取締りは、言われているほど徹底していなかったというのが真実に近いようです。
母から聞いた話ですが、祖母は「この戦争は負けるで! こんなに爆弾落とされて勝つわけなかろう」と話していたそうです。
まだ10代だった母が「そんなこと言ってると特高に捕まるよ」と言っても、祖母は笑って受け流していたそうです。
もちろん、特高警察が来ることはなかったということです。
 
このような話に民主主義を発展させていくヒントがあります。
つまり、異論や反論を言える社会が民主主義の土台になるということです。
現代流に言うと「多様性や多元性を重視する社会にする」ということになります。
戦前・戦中の日本に、その土台があったことで、戦後の復興が可能になったといえるのです。
 
ところが、現代日本は、政治的には民主主義になったわけですが、民主主義の意義を理解し育む国になっているかを思うと、疑問を感じるのです。
政党や企業、学校などのひとつひとつの集団の内部を見ると、異なった意見を言うことがどんどん難しくなっているのではないかという危惧を感じます。
企業内では、上に睨まれる、あるいは仲間外れを恐れて同調意見しか言わない空気が色濃くなっているように思うのです。
たしかに、こうした風潮に警鐘を鳴らしている人はいます。
しかし、一人ひとりが、身近から異論や多様性を大事にすることを実行できずに、同調圧力やポピュリズムに対し高みから見ているかのような批判をしても意味がありません。
 
コロナウィルスや自然災害の犠牲者、ウクライナの惨状といった痛ましい事例や近年の歴史から学ぶべきことは山ほどあります。
日本を全体主義の危険にさらさないようにする方策は、この身近な所属集団内で異論を唱えやすくしていくことであり、
そこから多様性・多元性のある社会に少しでも変えて行くことであろうと思うのです。
本コラムの連載は、上記の言葉で終わりとします。
 
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┃★隣国の悪意の発端は日本人が作った(5)             ┃
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前回、中国でも、若干ですが政府のやり方に疑念を持つ人の声が出始めていることを書きました。
しかし、こうした国民の声が政治に届く国ではなく、実際、声を挙げた人は収容所か精神病院送りになっています。
中国の夜明けは「まだまだ」と思うしかありません。
 
習近平政権の言論弾圧は強まる一方で、中国を批判する言論を行う“外国に住む外国人”さえ逮捕可能な法律まで出来ています。
実際は逮捕なんてできないでしょうが、こうした報道を聞くだけでも不気味に感じますので、それだけでも効果ありということなのでしょう。
日本にいれば危険は感じませんが、私のような小物でも、現政権が続く限り訪中は控えようと思ってしまいます。
中国には、ぜひ行きたい所があるので、とても残念なのですが・・
 
日本では「反政府こそがマスコミの役目」と主張する評論家がいますが、中国やロシアに行き、同じことが言えるでしょうか。
こうした日本人は、中韓からは「良識ある日本人」として評価され、その言動が利用されています。
日本では「どうしようもない人」と見られている鳩山元首相が持ち上げられることが良い例です。
もちろん、中韓の政府やマスコミは、彼らの言動を対日戦略の一環として利用しているだけで、本音で評価しているわけではありません。
本メルマガの読者の皆様は、そんなことは百も承知で受け止めておられるでしょうが、こんな幼稚な手口に引っかかる日本人がそれなりの割合いるので、中韓は止めようとはしないのです。
 
それに対し、証拠をもって反論・検証することを怠ってきた歴代政権の罪は重いです。
「とにかく謝っておけば・・」という日本人感覚は、海外ではマイナスにしかなりません。
もともとアジアに対する関心が薄い欧米人の多くは、「そうなんだ。日本が謝っているなら本当なんだ」と単純に思ってしまうのです。
本コラムも今回で終了とします。
 
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<編集後記>
ウクライナ侵攻の話題にかき消されてしまった感がありますが、中国東方航空機の墜落事故の記事があっという間に消えてしまいました。
中国は、一部の国営メディアにしか取材を許さず、海外メディアは墜落現場から数kmも離れた村で足止めされ、現場を見ることもできないということです。
この先、真相が明らかになることはなく、やがて「無かったこと」になっていくのでしょう。
「付き合えない国だな」と思うしかありません。
 
 
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