2015年12月15日号

2015.12.15

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2015年12月15日号
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発行日:2015年12月17日(木)

いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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           2015年12月15日号の目次
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★ISISの誕生
☆日中韓の三すくみ
★戦争と平和(その14):中国と台湾

http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。

11月末号は、諸般の事情により配信出来ませんでした。
今号の国際問題、政治問題の号より再開いたします。
これまで通り、よろしくお願いします。

それでは、今年の締めくくりとして、2つの問題を解説したいと思います。

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┃★ISISの誕生                        ┃
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最近は、日本で報道される頻度が大幅に減ったISIS(自称イスラム国)ですが、衰退したわけではありません。
ISを取り巻く情勢が複雑さを増した結果、的確な分析が出来ない日本の報道機関の報道が途絶えがちなのです。
日本のマスコミの能力は「この程度」ということの証明かもしれません。

現在、米国やEUが空爆を続ける一方、ロシアやトルコが独自の空爆を開始し、しかもロシアとトルコが一触即発という支離滅裂に近い状態です。
しかもISと地上戦で対峙しているイラク政府は弱体化したままですし、もう一つのシリアは、国内に反体制派を抱え、そちらとの戦闘も激化しています。
地上戦で最も頑張っているのはクルド勢力ですが、イラク、シリア、トルコにまたがって存在している彼らは、それぞれの政府とも戦闘状態にあります。

このような迷路のような状態の中で、ISは「外国人戦闘員が3万人にまで急増している」という情報もあり、壊滅にはほど遠い状態のようです。

ところで、ISは、いつごろ誕生したのでしょうか。
ISは、2003年頃、国際テロ組織アルカイダ系から派生した、イスラム教スンニ派が主体となった過激派組織と言われています。
「イラクのアルカイダ」とも言われていましたが、現在はアルカイダとは方向性を異にしています。
ISは、厳格なイスラム法に基づくスンニ派国家の樹立を目指すとしていますが、ロシアのチェチェンの過激派など、広く世界中の過激派が集まる暴力至上主義者の集団となっているようです。

我々が考えなくてはいけないことは、なぜISのような組織が生まれ、一定の勢力を保っていられるのか。
そして、世界が彼らを撲滅できないのはなぜかということです。

それは、世界のあらゆるボーダー(垣根)が溶けてきているからではないかと思うのです。
現代は、国家、体制、人種、宗教といった昔からある大きな垣根を超えて人々が動いているし、経済やおカネの世界ではとっくの昔に国境など消えています。
さらには、男と女という、ついこの間までは「絶対」であったはずの垣根すら消えようとしているのが現在の世界です。
ISは、このようなグルーバル化されたボーダーレス時代の「鬼っ子」として誕生したのです。
この背景がなかったら存在は出来なかったはずです。

もちろん、ISを取り巻く国々が一致団結して立ち向かえば、ISは簡単に消滅するでしょうが、そうはならないのが現代です。
その現代が生んだISは、世界が次の新しい秩序を作れない限り存在し続ける公算が強いと思うのです。
空爆をいくら繰り返しても効果は薄く、一般民間人の被害が広がるだけです。

となると、ISを力で抑えることは無理で、内部分裂を引き起こし、自滅するよう策略を巡らすより他に方法はなさそうです。
国連は何をしているのでしょうね。
惰眠を貪っているだけ・・なのでしょうか。

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┃☆日中韓の三すくみ                       ┃
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「中韓が反日で連携・・」のような報道を見かけますが、あり得ない話です。
この両国の歴史認識は全くの水と油で、反日にしても、その根底の思惑は全く違います。
乱暴な言い方ですが、中国人は韓国人を蔑みの意識で見ていますし、韓国人は中国人を恨みの意識で見ています。
日本の飛鳥時代、中国で唐を建国した李世民(後の太宗皇帝)は、中国では今でも英雄です。
しかし、韓国の歴史教科書では大悪人です。
太宗皇帝は何度も高句麗(現在の北朝鮮に位置する地域)を侵略し、朝鮮半島を支配下に置こうとしたからです。
その後も、韓国は中国の風下に置かれた屈辱の歴史が長く続いたことは読者の皆様の知るところです。

まして、今の韓国は米国が主導する自由主義陣営の一員です。
同じ陣営の日本を執拗に攻撃することに米国が切れて、「いいかげんにしろ」と恫喝したことで韓国政府の態度は一変したわけです。
かといって、さんざん媚を売ってきた中国に対し態度を一変させるわけにもいかず、外交は迷走状態なのです。

しかし、戦前の負の遺産を無視することが出来ない日本も、あまり打つ手がありません。
韓国を植民地としていた時代、日本は、当時の世界常識に反して、多大な投資を行い、韓国の近代化を推進してきました。
戦後の経済援助にしても巨額です。
それでも、韓国人にとって屈辱的なことはなかったとは言えない面があります。
その象徴に慰安婦が使われているわけです。
韓国が主張する強制連行や大量殺害は全くの嘘っぱちですが、悲惨な状況に置かれた慰安婦がいただろうということまでは否定できません。

中国が日本攻撃に使っている南京事件の30万人虐殺も全くの嘘ですが、一人も殺していないとは言えないわけです。

そんなわけで、結局、三国とも「三すくみ」状態で、動くに動けない状況なのです。
日本としては、中国、韓国の歴史攻撃に対しては、世界にその不当性を訴えていきながら、常に対話の門を開き、経済交流に努めていくしかありません。
経済こそ、対立緩和の特効薬だからです。

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┃★戦争と平和(その14):中国と台湾              ┃
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南シナ海や尖閣諸島のニュースが極端に減っていますが、中国が活動を停止しているわけではありません。
活動が常態化してしまっているため、マスコミが書くことに飽きてしまったというのが正しい見方でしょう。
前号で解説した「戦略辺疆(へんきょう)」の思想、そして「国境は国力に応じて変化するもの」という考え方は何一つ変わっていません。
日本は警戒を緩める訳にはいかないのです。

その習近平政権にとっての目下の最大の関心事は、年明けの2016年1月16日に行われる台湾の総統選挙です。
世論調査では、民主進歩党(民進党)の蔡英文氏が48.6%の支持で、与党・国民党の朱立倫氏の支持率21.4%を大きく凌駕しています。
蔡英文氏が女性初の総統に就任することは確実ですが、その言動に中国が相当に神経を尖らせています。

蔡氏の支持者には若者が多いのですが、その若者の間では、「自分は中国人ではない。台湾人だ」とする意見が急速に増えています。
そして、「一つの中国論」を支持する割合は、わずか3%ぐらいしかいないというのです。
「台湾は中国ではない。一つの独立国家なのだ」という意識の高まりです。
このことに、中国政府が相当に神経を尖らせていることは誰もがわかることです。

では、選挙後、誕生すると思われる民進党政権に対し、中国はどのような手を打ってくるでしょうか。
公式には、対話の促進などの穏やかな策を採ってくるでしょうが、軍事的圧力を強化するものと思われます。
新政権が「台湾の独立」に言及するような事態になれば、台湾海峡に向けてミサイルを打ち込むぐらいのことはしかねない状態です。

もちろん、台湾には中国に抗するだけの軍事力はありません。
その場合、カギを握るのは米国第7艦隊ということになります。
米国は、決して台湾を中国に渡すことはしないでしょうから、中国も実力行使はできないということになります。
ですが、恫喝はするでしょう。
その程度が問題になります。

そして、日本はどうすべきなのかということが問題ですね。
安保法案が通ったことで、米中軍事衝突となれば、日本は米国に加担することになります。
しかし、純粋に軍事戦略を考えた場合、実戦への参加はあり得ません。
基地提供と後方支援が限界です。
実際にそうならないとしても、中国に対しては、その可能性を示し、だから軍事的挑発を思いとどまらせる外交戦略は必要だと思います。
この可能性があるから、中国にとっては、日本の安保法案は目の上のたんこぶなのです。

戦争は回避すべきですが、戦争の可能性を無視し、備えを怠ることは間違いです。
平和を唱える方々には、そのことを考えていただきたいと思うのです。

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<編集後記>
米連邦準備制度理事会(FRB)が12月16日、7年間続けてきた「ゼロ金利政策」を解除し、利上げに踏み切りました。
一方、日本では保証協会の保証割合の引き下げが検討されることになりました。
中小企業は、今後の資金繰りをどう考えていくべきなのか。
次号(12月末号)は、経済問題の解説を再開します。

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