2022年2月15日号(国際、政治)

2022.03.01


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2022年2月15日号
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発行日:2022年2月16日(水)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2022年2月15日号の目次
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★ウクライナ情勢
◇抑止力という名の軍事力(22)
★開戦直前の日本政治(5)
★隣国の悪意の発端は日本人が作った(3)
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
ウクライナ情勢を巡り、ロシアが国境から軍の一部を撤収開始という情報と、新たな軍を送り込んでいるという情報が錯綜しています。
15日夜、岸田首相はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行いました。
しかし、今の日本の外交力では事態に何の影響も与えられません。
それが残念です。
 
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┃★ウクライナ情勢                          ┃
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ロシアがウクライナに軍事侵攻するか否かを世界が固唾を飲んで見守っています。
私は軍事侵攻の可能性は低いと見ていますが、さすがに「起きない」とまでは断言できません。
仕掛けたロシア・プーチン大統領の胸先三寸といったところですが、本人も手詰まり状態のようです。
プーチン大統領の見通しの甘さが、この膠着状態を作り出したといえます。
プーチン大統領は、軍事侵攻の危機を煽ることで、ウクライナのNATO加盟阻止に対する何らかの言質を取れると踏んでいたのでしょう。
しかし、欧米の反発は予想以上に強く、ここまで何ひとつ成果を得られていません。
ウクライナもNATO加盟への意欲を下げる気配がありません。
 
プーチン大統領は、欧米に対し「核戦争も辞さず」とのメッセージまで出していますが、自らの焦りを露呈したに過ぎず、欧米各国は意に介していません。
こうした苦し紛れの発言をすること自体、自らを袋小路に追い込んでしまったことを物語っています。
さりとて、これだけの軍を動かした末に成果ゼロで撤収したのでは自身のメンツは丸つぶれです。
 
では、「もう軍事侵攻するしかない」と決断するでしょうか。
以下に、軍事侵攻した場合の成り行きを想像してみました。
たしかに、ロシアとウクライナの軍事力には大きな差があり、ロシア軍は短期間で首都キエフまで進軍するでしょう。
そして、そのまま居座り、傀儡政権を作るところまでは比較的容易に進むと思われます。
しかし、そこで、ウクライナが降参するとは思えません。
西方に下がりながらも欧米の支援を受けて抵抗を続けるでしょうし、ゲリラ戦術による後方撹乱などを続けるでしょう。
つまり、旧ソ連によるアフガン侵攻の二の舞ということです。
 
プーチン大統領は、ロシア系住民が多い東部地区を分離独立させる荒療治も視野に入れていると思いますが、ロシアのお荷物になるのは確実です。
何より、欧米による経済制裁が厳しさを増すことで、肝心のロシア経済崩壊の危険が高まります。
 
現在、コロナ禍にウクライナ危機が重なり原油価格の高騰が続いています。
世界第2位の産油国であるロシアは、この恩恵を受けていますが、原油高は世界経済の足を引っ張ります。
原油高の恩恵など吹き飛んでしまうでしょう。
 
この先、ロシア経済は行き詰まる公算が強いです。
その時が北方領土返還交渉のチャンスかもしれません。
日本は、それまで知らん顔を続けることです。
 
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┃◇抑止力という名の軍事力(22)                  ┃
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前回、「中国の軍事挑発は、米軍が介入しない“だろう”と見込まれる範囲となるが、こうした局地戦での中国海空軍の力量は自衛隊に劣ると推定される」と書きました。
しかし、中国軍の軍事増強は急激であり、ロシアと組んでの挑発も考えられるため、そう安心もしていられない情勢です。
 
そうした中、2つのニュースが目を引きました。
そのひとつは、沖縄県石垣市の中山義隆市長が、1月31日、民間船で尖閣周辺海域を訪れ、海上から島を視察したというニュースです。
尖閣諸島は石垣市に編入されていますから市長の視察は当然なのですが、その際、中国海警の船が2隻、領海侵犯し、脅しを掛けました。
それに対し、海上保安庁の巡視船が8隻で視察船を防御しました。
2対8という数的優位が物語るのは、これが中国の意表を突く視察だったということです。
こうした視察を続けることの意義や意味は大きいですが、情報漏えい防止の徹底が大事です。
情報が漏れ、数的優位性を中国側に取られると日本のダメージは大きくなります。
情報戦でも優位に立つことが肝心ということです。
 
ふたつ目は、敵基地攻撃論に対する立憲民主党の泉健太代表の以下の見解です。
「相手に打撃を与えたら、その後に総反撃を受ける」
正直、「はあ~、なに言ってんの、この人は・・」と思いました。
この党に政権運営を行う力のないことを露呈したと言える発言です。
自国を狙う敵があれば、敵基地を攻撃する意志と能力を示さない限り、敵からの挑発は止まず、本当に攻撃を受けても反撃すら出来ないことになります。
泉代表には失望しかありません。
 
沖縄において、米軍のコロナ対策の緩さが問題になっていますが、現行憲法の縛りがあり、米軍に防衛を委ねている現状では、文句も言えない状態です。
米国との軍事同盟を後方支援策として残し、米国に頼らず日本の領土・領海を守るための軍事力を備えない限り、沖縄の問題は解決しません。
沖縄が日本から独立し中国の傘下に入るというのであれば情勢は劇的に変わるでしょうが、沖縄県民がそれを望んでいるとは思えません。
 
今年の参院選では、各党の防衛問題に対する見解をはっきりと聞きたいものです。
戦争抑止力としての集団的自衛権に対し、立憲民主党や共産党などは反対の立場です。
たしかに、集団的自衛権を行使しようとすると戦争に巻き込まれる危険は増します。
これはデメリットです。
しかし、行使できることで敵対国が戦争を仕掛けることを躊躇するメリットもあります。
このデメリットとメリットの秤をどうコントロールするかが政治です。
かつ、コストパフォーマンスの良い抑止力としての自衛権を考えることも重要です。
次回、そのことを論じようと思います。
 
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┃★開戦直前の日本政治(5)                     ┃
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開戦前の首相であった近衛文麿と東条英機、片や文官、片や軍人のこの二人は全く異なる性格ですが、共通に持っていた欠点があります。
それは、トップリーダーとしての意志と資質に欠けていたことです。
誰もが知るように、近衛家は平安時代から続く五摂家(近衛、一条、二条、九条、鷹司)筆頭の名門です。
ゆえに、近衛文麿は常に首相候補に挙がっていたのですが、「なりたくない」一心で逃げまくっていました。
昭和天皇からの要請すら辞退したくらいですから、とにかく嫌だったようです。
それでも周囲に担がれ、仕方なく首相の座に就いたわけです。
彼は、頭脳明晰で稀に見る「聞き上手だった」と言われています。
たぶん、岸田首相みたいな人だったのでしょう。
しかし、なにしろ本人に権力を維持・活用する意志が無いのですから、軍縮条約を不満とする世論が過激一方になる世相の中で政権を投げ出してしまいました。
トップリーダーとしての資質はあれども意志に欠けていたということです。
 
一方の東條英樹は、陸軍大学の成績は並でも、当時のエリートには違いありません。
さらに昭和天皇への忠誠心は人一倍厚く、天皇からの信頼も得ていました。
その天皇からの指名ですから勇躍、首相の座に就きました。
しかし、彼の軍歴はあくまでも軍事官僚としての経験であり、軍事面での経験に欠けていました。
また政治家としては、お世辞にも「優れていた」とは言えない程度です。
つまり、トップリーダーとしての意欲はあれども資質に欠けていたということです。
 
軍事面では、出身母体である陸軍思想に凝り固まってしまい、もう一方の海軍思想を理解していませんでした。
陸戦主体の中国戦線では効果のあった陸軍思想ですが、太平洋の戦いは海戦主体です。
かつ、要衝となる島の防衛や上陸作戦には陸戦も欠かせません。
ゆえに、陸海軍を統合する最高指導部が全軍の上に立たなければなりません。
たしかに、日本は「大本営」を復活させましたが、会議を繰り返すばかりで、結局、最後まで有効な最高指導部とはなりませんでした。
有名な「大本営発表」を見れば、弊害ばかりが目立ったトップ組織でした。
 
ただ、こうした戦争遂行体制の欠陥を彼ら二人だけの責任にするのは酷といえます。
実際、近衛首相はともかく、近衛内閣のブレーンは、陸海軍だけでなく政治も含めた「政治・軍事の統合組織」を企画していました。
その中身は、内閣とは別に、内閣直属の別のスタッフ機構で首相の指導力を強化しようという構想です。
現在の「首相補佐官」制度に近い組織です。
しかし結局、企画院と内閣情報部が新設されただけで“尻切れトンボ”で終わってしまいました。
こうした非常時における組織改革の甘さは、コロナ禍の現代でも変わっていません。
トップリーダーが、「非常時だから即断行する」か、「非常時だが事態が少し収まるのを待ってから改正する」かの違いを理解していないのです。
今回のコロナ対策を見れば、現代の日本が少しも変わっていないことが分かります。
小手先の手段ばかりで、「非常事態法」の議論すらできない状態です。
現在の日本と酷似している当時の情勢を、次回もう少し詳しく述べたいと思います。
 
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┃★隣国の悪意の発端は日本人が作った(3)              ┃
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中国では、12月13日が、いわゆる「南京大虐殺」があったとされる日になっています。
この日に行われる追悼式典は、2014年に習近平体制によって国家レベルに格上げされました。
日本に対する国民の敵愾心を煽ることが目的の露骨な手段です。
この政策に沿い、12月13日頃になると、中国の学校ではこの事件を授業中に取り上げるようになっています。
しかし、こうした中国に反発するより、なぜ、ここまで執拗に日本を貶めなければならないかを考察することが大事です。
そのためには、感情抜きに事実を追いかけることが大事です。
以下に、当時の経緯をまとめてみました。
 
日中戦争で日本軍が南京を包囲し攻撃したことは歴史の事実です。
しかし、日本軍の攻撃の前に多くの市民は南京を脱出していました。
当時100万と言われた人口は20万人程度に減っていたと言われています。
数はともかく、市民の大量脱出自体は事実です。
 
南京守備の中国軍は、日本軍の降伏勧告に従わず市中での戦闘となりました。
両軍の力の差は歴然で、中国軍は総崩れとなり相当の戦死者が出ました。
しかし、国際法では、こうした戦死者の死を虐殺とは呼びません。
ハーグ条約で犯罪とされているのは捕虜および民間人に対する殺戮です。
たしかに、両軍の戦闘の中で日本軍の手にかかった市民の犠牲者も多く発生しました。
ですが、中国軍の手による犠牲者も多かったと言われています。
さらに、「便衣兵」と呼ばれる“市民に偽装した”兵も多くいたため、どこまでが市民だったかは未だに不明です。
こうしたこともあり、国際法的な意味で南京での市民の犠牲の全てを犯罪と呼ぶことは難しいと言われています。
 
ただ、勝利を得た後も強姦や虐殺など、日本将兵の蛮行があったことは否定できません。
それは確かに犯罪であり、断罪されるべき罪です。
しかし、犠牲者の数は、今となっては分からないのが真相です。
当時、市内にいた外国人などの証言や戦後の調査結果では、6600人~2万6000人と、いろいろです。
中国が主張する30万人は、当時の推定人口20万人を超えますのであり得ないと言ってよいでしょう。
中国が犠牲者30万人と言い出したのは、広島・長崎の犠牲者21万人余りを上回り、南京こそがアジア最大の犠牲だったということを内外に示そうという目論見のためです。
 
南京事変は、このように中国の政治の道具にされてきましたが、その発端を作ったのは日本の新聞です。
南京を語る時、必ず出てくるのは、日本軍将校による100人切り、300人切りと称される蛮行です。
この出どころは、当時の毎日新聞の記事が発端です。
国内世論を煽るために書いた、まったくの捏造記事です。
それを、戦後、中国に利用され、日本の残虐さを示す材料として使われたのです。
ただ、内容は捏造でしたが、そこに書かれた将校たちの名前は実在の人物だったため、彼らは、この新聞記事を証拠として軍事法廷で死刑を宣告され処刑されました。
今では、彼らは無罪だったと言われています。
当の新聞社は、今も知らん顔です。
 
南京事変は、今も日中両国の棘として残り続けています。
習近平政権がこれを利用する限り、日中関係は正常とはならないでしょう。
しかし、最近、中国に異変が起こり始めています。
次回、そのことを。
 
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<編集後記>
アメリカで民間人の銃の所持が広く認められていることはよく知られていますが、フランスやドイツ、スイスなども、許可制で認められていることを知っている人は少ないようです。
これらの国では、レストランの隣席の人が拳銃を所持しているかもしれないのです。
コロナ禍が下火になった後、海外旅行をと思っておられる方も多いと思いますが、コロナ感染より怖いのが犯罪に会うことです。
私も、海外で怖い思いを何度か経験しています。
最大限の知識を仕入れ、警戒を怠らないことは必須です。
 
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