2023年8月31日号(経済、経営)

2023.09.04


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2023年8月31日号
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発行日:2023年8月31日(木)
 
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2023年8月31日号の目次
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★中国経済は底なし沼に沈んでいくのか?
◇ビジネスのオンライン化は焦らないほうが良いようで
◇企業にとっての借入金(4)
 
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こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
 
8月24日から福島第一原発の処理水の海洋放出が始まりました。
予想どおり、中国と韓国野党、日本国内の左派政党や市民団体は、反対の大合唱。
彼らは、「何が何でも反対」なので、「勝手に言わせておけ」しかありません。
日本政府は、このまま淡々と放出を続け、検証結果の公表を続けていくことです。
そのうち、やがて誰も関心を示さなくなるでしょう。
そんな程度の問題です。
 
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┃★中国経済は底なし沼に沈んでいくのか?          ┃
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中国の不動産大手の恒大集団が米国で破産申請しながら「破産ではない」と言い張っています。
「なんで、中国国内で破産申請しないの?」と思うのは当然ですが、たとえ破産申請しても中国の裁判所は受理しません。
さらに「なんで?」と思いますが、中国は「共同富裕」を掲げる共産主義の国です。
「だれであれ、破産すること」はあり得ないのです。
あるとしたら、絶対君主の習近平主席が「あいつは破産だ!」と言う場合だけですが、まあ、それは無いでしょう。
 
中国経済は、もう長い間「破綻する・・」と言われ続けてきましたが、数字的には発展を続けてきました。
しかし、今や、この数字そのものが信用できないことが明らかになってきて、ようやく(?)破綻に向かっているのではないかと世界は気づき始めています。
 
かつての日本のバブル崩壊が典型的な例ですが、経済問題は、現象が表に出てきた時は既に終盤に入っているとの認識が必要です。
日本のバブル時代、高層ビルやマンション、大型商業施設の建設ラッシュが起き、札びらが飛び交ったことは、今では誰もが知っています。
当時の建設業界では、一晩で百万円単位の接待が常態化し、政治家への裏工作も「当然」という風潮がまん延していました。
私は、その最前線にいて、異様に膨らんでいくバブルの有様を実体験していました。
そして「こんな経済、続くわけがない」と確信していました。
怖いのは、そんな私でも、自分の感覚が麻痺して、その渦の中に飲み込まれていったことです。
 
現在の中国は、あの時の日本の数倍規模のバブルが膨れ上がっています。
すでに不動産市場の破綻が現実になってきていますが、若者の失業率が20%超という数字にも現れています。
この数字すら「ウソだ」という声が上がってくると、なんと当局は失業率の発表を止めました。
こうした中国の姿勢には呆れるだけですが、様々な経済数値のサバ読みは、世界中で周知のこととなっています。
世界第二位で、日本の3倍といわれるGDPに対する信憑性は無いと思ったほうが良いようです。
 
習近平主席が経済に弱いことは、今や世界中に知れ渡っています。
その上、経済通と言われていた李克強前首相に代わりNo.2に抜擢された李強首相は、とても経済通とは言えない“しくじり先生”です。
強引に三期目に入った習近平主席は、「共同富裕」という“かびの生えた”共産主義経済を強引に進めています。
まるで、原始共産主義に戻る政策といえますが、政権幹部は、李強首相をはじめ、みな習近平主席のイエスマンであり、こうした無理な経済の方向転換に何の異議も唱えません。
 
では、この先、どうなっていくのでしょうか。
商売人は、「掛け売りはできない、現金で・・」と言いたいでしょうが、過度にスマホ決済が進んでいる都市部のお店では、そもそも現金での支払いはほぼ皆無です。
そうなると、信用決済を行っている金融会社の破綻、銀行預金の引き出し騒ぎと続き、やがて、ハイパーインフレへ進み、輸入もできなくなるという事態へと進行するでしょう。
 
もちろん、上記は最悪のシナリオですが、「あり得ない」とはいえないのです。
何より、一人独裁者となった習近平主席が何も発言せず、何もしない(できない?)という酷さです。
中国国民は、経済センスゼロの指導者を抱くことの怖さを、これから身をもって味わうことになるのではないでしょうか。
 
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┃◇ビジネスのオンライン化は焦らないほうが良いようで    ┃
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街を歩いていると、スマホに夢中な人と何度もぶつかりそうになります。
「歩きスマホは止めましょう」などの警告は、まったく意味が無い状態です。
ほとんどの人は、情報の悪用にまったく無関心です。
LINEなどの手軽なSNSは、個人の浅いレベルでの情報交換には良いでしょうが、深いレベルでは信用度ゼロで、とても使えません。
「そんなことは分かっているよ」と言われるでしょうが、ビジネスの現場にも、こうしたSNSでのやり取りがどんどんと浸透しています。
 
日本人は、おそらく世界でも稀な「無限の信用人種」です。
ビジネスでも、「悪い人はほんの一握りで、自分とは関係ない」と思っている人が大半です。
しかし、SNSやネットビジネスの爆発的な普及は、浅いレベルの情報を使うことの危険性を大幅に増しています。
特に危ないのは「深いように見せかけ、実は浅いレベルの情報」ですが、こうした情報が急激に増えています。
 
このような外部からの危険性以上に問題なのは、社内外との情報交換をオンラインに頼ることです。
インターネットの世界は、固定電話のように1対1で繋がる世界ではありません。
世界中にある無数のサーバーや通信回線を経由して繋がっているわけですが、「どこをどう経由して繋がっているか」はわからない世界です。
 
そもそも、インターネットは、核戦争後の世界で生き残った僅かな人々が、互いに「生きている」ことを確認し合うことを目標に、米国国防総省が設計したものです。
核戦争後の世界で生き残った僅かなサーバーや通信回戦を探して、なんとか繋いでいくことを目標に設計された仕組みです。
当然、セキュリティはゼロの世界ですが、それが基本の通信手段なのです。
 
もちろん、それでは困るので、実際はTCP/IPと呼ばれる4階層のプロトコル(規約)で管理されています。
それを厳格に守れば守るほど、通信でのやり取りは遅くなっていきます。
実際、「遅いな」と感じることが多いでしょうから、それは分かると思います。
TV放送で、局にいるアナウンサーとオンラインで繋がっている外部の人との応答が遅いことは、日々実感しているはずです。
 
ビジネスにおける会議では、このタイムラグの影響は無視できません。
瞬間的に応答がずれるだけでも、互いの認識や意識にずれが生じ、コミュニケーションがスムーズにいかないことは実感していると思います。
リモート会議などのインフラのメイン提供者であるZOOM社では、リモートワークやオンライン会議を減らして、社員には出社を促し、リアルな会議を増やしているということです。
ほとんど笑い話のようですが、実際、笑えない話です。
私は、オンライン会議は報告だけに限定しています。
会議の内容が「上っ面をなでるだけ」となり、議論が煮詰まらずに飽きてしまうからです。
口には出さなくても、同じ思いを抱いている方も多いと思っています。
 
もちろん、オンライン営業はすべて拒否です。
利便性より危険性が大きいと判断してのことです。
オンラインでのやり取りが詐欺や強盗などの犯罪に使われるケースも増える一方です。
 
パソコンが誕生する前、メインフレームと呼ばれる大型のコンピュータしか無かった時代から現在に至るまで、システムを駆使してビジネスを行ってきた私ですから、システムやネットワークを否定しているわけではありません。
それどころか、死ぬその日まで、システムの世界から離れることは無いと自覚しています。
ですから、信頼性の高いネットワークの世界が来ることを願っています。
 
しかし、それを使う人の倫理観は下がり続ける一方です。
「悪意は善意より強い」という論理は真理のひとつです。
その悪意を打ち破るのは「悪意を知り尽くした善意」だけです。
ゆえに、ネットワーク社会の悪意を知り尽くした善意が主導権を確立するまで、ビジネスのオンライン化は焦らずに進めるほうが良いと思っています。
「そんな日を待っていられない」というのであれば、自分および自社が信頼できる相手の能力を借りることをお勧めします。
 
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┃◇企業にとっての借入金(4)               ┃
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企業にとり商品開発は魅力ですが、非常な危険が伴います。
多額の開発資金を投入しても成功率は低いので、その危険は当然です。
ソフトウェア業界には星の数ほどの企業が存在していますが、大半は重層下請け構造の中に組み込まれています(建設業界とよく似ています)。
自社開発の商品を有する企業はほんの一握りです。
たとえ持っていても、自社の屋台骨を支える商品となると、さらに「ほんの僅か」となります。
 
商品開発には、資金と時間のリスクとは別に、営業・販売という大きな山を越えなくてはなりません。
当社は、建築の設計事務所としてスタートしましたから、基本は「依頼された設計を行う」という“待ち”の商売でした。
サラリーマン時代に勤務していた建設会社では営業も経験していましたが、大手の看板があっての営業です。
他社との競合はあっても、「おたく誰?」という最初の関門はありません。
それが、知名度のない小さな企業となると、商品の開発以上に、営業は一番のネックでした。
 
その弱さを補うため、当社が最初に開発した商品はCADでした。
最初の勤務先がコンピュータメーカーの開発要員でしたし、その後の建設会社ではCADの開発経験もありました。
さらに、独立後の建築設計の仕事で、中堅の設計事務所や建設会社と付き合いがあったから、当然といえば当然の選択でした。
 
前の会社での信用もあり、営業段階では、たいていデモ実演までは出来ました。
そのデモでの評価も良かったのですが、なかなか契約までには至りません。
「どうしてなのか?」と思い悩みましたが、ある担当者から、こう言われました。
「おたくのCAD、とても良いのだが、入れ替えるには“圧倒的な”性能が必要なんだよ」
「圧倒的?」と思い、さらに聞いた話は当然の理由でした。
 
その営業先の会社が使っていたCADは、当の担当者が導入責任者でもあったわけです。
当社の製品がそのCADより良いとしても、変えるには決定的な理由が必要なのです。
担当者は、それを「圧倒的な性能が・・」と表現したわけです。
「例えば、どんな性能ですか?」とさらに食い下がったところ、「そうだね。例えば、補助線を十数本引いたら、望みの図が出来るとか・・かな」との回答。
「自分に出来ないことはない・・」と思いましたが、相当の年月と新たなスタッフが必要です。
要するに、天文学的な開発費が必要というわけで、諦めるしかありませんでした。
 
さらに新たな商品も開発しましたが、営業的には失敗続きで、資金を浪費するだけの結果でした。
そんな折、中堅の不動産会社から、ある誘いを受けました。
子会社の建設会社を含めた基幹業務系システムの全面刷新を計画しているので、応募しないかというものでした。
僅かな付き合しかない会社でしたが、総務部長が私のシステム経歴を知っていて「応募しませんか」と推薦してくれたのです。
 
当の不動産会社は、大手財閥グループの一員であり、すでに大手のシステム会社が何社も提案書を出していました。
起業したばかりの知名度ゼロの当社が受注する可能性はゼロだと思いましたが、せっかくの誘いを断るのも悪いと思い、総務部長から聞き取った内容を基にA3用紙1枚だけの提案書を提出しました。
 
「まあ、付き合いだ」と軽く作った提案書だし、競合相手は大手会社ばかりです。
期待度はゼロでしたが、数日後、総務部長から電話がかかってきました。
内容はこうでした。
「実は、すでに○○社(大手の会社です)に内定したんだが、ウチの社長がおたくの提案書を見て、こう言ったんだ」
『いったん内定を白紙に戻し、この新しい会社を含めて、提案書を再提出してもらいなさい』
 
私は「へえ~、面白い。では真剣に提案するか」と、俄然やる気が出ました。
しかし、この段階では、このことが、現在まで続く当社の主力商品の開発に結びつくとは、まったく思っていませんでした。
 
少々、長くなるので、この話、次回に続けます。
 
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<編集後記>
もう読者の皆さまはご存知かと思いますが、スマホなどに「86」から始まる“見知らぬ”番号からの着信があったら、応答せず、すぐに切ることです。
「86」が中国の国番号であることを知れば、福島処理水の放出に対する嫌がらせの電話や着信だということが分かるでしょう。
これら中国からの嫌がらせに対し、岸田首相は相変わらずの「遺憾砲」です。
一国の首相には失礼ですが、「まことに芸のない」話です。
こうした相手には「目には目を・・」です。
サプライチェーンから中国を外す良い好機が到来したと考えないのでしょうか。
 
 
 
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