トランプ大統領の言動は、マッドマン戦略なのか?
2025.03.18
2月28日のトランプ・ゼレンスキー会談の口喧嘩(?)は、TVで全世界に配信されていたこともあり、世界を唖然とさせました。
こうしたトランプ大統領の言動は就任前からですが、就任後は過激さが倍になっている印象です。
トランプ流のディール(取引)は、相手を脅すことから始める手法なので驚きはないですが、
今の言動が交渉戦略論で言うところのマッドマン戦略(狂人を装い過激な発言を繰り返し、相手を混乱させる手法)なのか、はたまた本心なのか、見解が分かれるところです。
それより気になるのは、大統領の背後にいるロシアのオルガルヒ(大金持ち連中)の存在です。
8年前に最初の大統領になる前のトランプ大統領の政治経験はゼロです。
彼の主な経験は親から受け継いだ不動産業で、しかも何度も倒産しているので、事業家としては成功者とは言えません。
ネット情報によれば、彼の破産を救ったのはロシアのオリガルヒの一人で、現在でも大きなつながりを持っていると言われています。
その情報のすべてが正しいとは言えませんが、裏付けのある情報もあり、オリガルヒとの関係が続いているのは確かだと思います。
例えば、4000万ドルで買った家を1億ドルでロシアの実業家に売ったという話などは、買ったロシア人の名前まで判明しています。
ただし、不動産のビジネスマンとしては当然の行為であり、それが「悪い」とは言えません。
問題は、現在もロシアから大統領個人へ資金が流れていること、そして選挙介入疑惑にあります。
米国大統領という立場で、こうした関係を持つことの問題は言うまでもありません。
今後、ロシアに対する経済制裁の解除や緩和を打ち出すことがあるとしたら、この疑惑は深まります。
また、トランプ大統領は平気でウソが言える人物でもあります。
もちろん、ウソも言えない指導者では困るわけですが、ここまでバレバレのウソを平然と言える人物であることには注意を払う必要があります。
最高の指導者とは、「だれもが信じざるを得ないウソを『本当のこと』として言える人」です。
これは私が言っていることではなく、古くは孫子や韓非子、三十六計などの中国の古典、さらに16世紀イタリアの政治家であったマキャベリの「君主論」などで詳細に述べられています。
だけど、これは「真っ赤なウソ」を「誰もが信じてしまう真実」として言える場合に限られます。
しかし、トランプ大統領のウソは、トランプ信者以外は“お見通し”のウソです。
それでも平然とウソを言うのは、彼の願望である「独裁者になれば全部OKとなる」という意識にあるのでしょう。
トランプ大統領の旗印として有名になったMAGA(Make America Great Again=米国を再び偉大な国家にする)は、「そうなれば、すべての交渉を自分の思い通りの結果に導ける」という独裁思考から出ています。
その実現で、彼はプーチンや習近平と同等になれると考えているのでしょう。
実際、2度目の今回は「プロジェクト2025」と銘打った策で、自分と思想が一致する人材で政権幹部を固めています。
連邦職員についても、大統領に忠実な人材を選別・採用して「思想統一」を徹底させてきています。
さらに、FBIも司法も彼の下に置くため、CIAなど4つの情報機関の解体を目指して全職員に退職通知を出しています。
もちろん、これらの機関を完全に消すためではなく、自分に忠実な人間に入れ替えるためです。
そうした策の一環で、忠実な子分となったイーロン・マスクに米国民の全情報にアクセスできる権限まで与えました。
これには、さすがに抵抗が大きく、その権限に制限を掛けましたが、そこまで露骨に独裁色を推し進めたいのです。
もちろん、NATOなどの同盟国からは、これでは自国の軍事情報がロシアに流れてしまう。
トランプは、事実上、ロシアのエージェントではないかとの声が出ています。
ただ、こうした極端な自国主義は、そもそも米国の伝統的な考え方であることに注意を払う必要があります。
トランプ支持者は、その中でも極端で、米国というより「自分の利益になること」にしか意識がいきません。
そうした実情を考えた上で、日本は“この国”と付き合うしかないのです。
石破さんにできるかな~
次回は、トランプ大統領の最大の懸念、中国に対する戦略について解説します。