何も変わらない韓国

2024.12.18


突然の戒厳令、そして、わずか6時間での解除。ただただ呆気に取られました。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、軍を使って野党が多数を占める国会の機能を停止させようとしたと言われていますが、周到な準備もなく、“お粗末”というしかありません。
腹心の国防大臣の発案ということですが、閣議でも反対が多く、軍トップも「寝耳に水」というありさま。
野党による1回目の弾劾案は僅差で否決しましたが、尹大統領が、野党代表はおろか、国会議長や与党代表までの逮捕を命じたことが分かると、与党も大きく動揺して、二回目の弾劾は可決され、大統領は職務停止という事態に。
今後は、まず憲法裁判所の判断がどうなるかがテーマとなります。
大統領弾劾を認める公算が強いと言われますが、認めない確率も一定程度あります。
裁判の結審は来年3月、あるいはそれ以降とも言われ、混乱はさらに続くと思われます。
 
そもそも戒厳令を出せるのは、戦争かそれに準ずる事態のみとの認識が現代では定着していますが、軍事政権下の韓国では日常的に発令されていました。
私が初めて韓国を訪れたのは20代のとき
でしたが、当時は、朴正熙大統領による戒厳令が敷かれていました。
ソウル空港に到着し、ターミナルビルに入ったところで、銃を持った兵士たちの検問を受けました。
仕事だったので、その旨の書類を見せると、わりとすんなり通してくれましたが、銃を持った兵士から尋問を受けるのは嫌な気分です。
しかし、市内は平静で、買い物や通勤で行き来する人々の姿は、日本とそう変わらないなと思ったものです。
しかし、チェックインしたホテルでは、「夜12時以降は、決して外出しないように」と、何度も念押しされました。
興味本位に、時計が12時を回ったところで、部屋の窓のカーテンを少し開け、下の通りを眺めたところ、通りには「猫の子一匹」と言ってよいほど人の姿は消え、車のヘッドライトすら見えない状態でした。
よく見ると、通りの角々に動かない人影が見えたのですが、それはすべて銃を肩に掛けた兵士でした。
時折、ビルの上方を警戒するかのように兵士が顔を上げるのを見たときは、背筋にすっと冷たいものを感じ、慌ててカーテンを締め、部屋の奥に下がったものです。
 
今回の韓国の戒厳令騒ぎのニュースを見た時、あの時の光景を思い出し、韓国という国が何も変わっていないことを痛感させられました。
 
野党の嫌がらせが激化し、政府要人に対する弾劾要求の連発、政府予算を国会で片っ端から否決するという事態に伊大統領が切れた(?)という説が有力ですが、奥さんを疑惑から守るためという話まであり、何が真相かは判然としません。
確かなことは、韓国の政治の未熟さと激高し易い国民性が重なり合うと、常に“こうなる”ということです。
韓国の医療現場では、こうした個人や家族の要求と病院側との対立が激化し、医療体制は崩壊寸前の状態だといいます。
私は仕事で何度も韓国側と交渉しましたが、要求ばかりの自分本位の姿勢と激高し易い国民性の前に良い結果に終わったことがありません。
 
次の大統領は左派の大統領になると思われますが、反日に逆戻りする可能性が大です。
中国や北朝鮮は「しめしめ」と喜ぶでしょうが、日本は距離を置いたほうがよいでしょう。
トランプ政権の考えはまだ分かりませんが、関心は薄く、米軍引き上げの口実にするかもしれません。