中東に平和は来ない

2025.02.17


2023年10月のハマスによるイスラエルの音楽フェスへの襲撃テロから始まった今回の戦争は、1年4か月後にようやく停戦が成りました。
しかし、このまま平和になると思っている人は皆無でしょう。
イスラエルには自制を続けて欲しいものですが、そもそもの事を起こしたのはハマス側であり、ネタヤニフ政権にとっては「ハマスの殲滅しか道はない」という意識に変わりはありません。
しかも、中東への支援金の一部がハマスに渡っている恐れがあると言われている現実は、「国連が機能しない」状況を生み出しています。
国連としては、少々の違反には目をつぶり、人道支援第一で行きたいところですが、イスラエルにとっては看過できないことなのです。
 
トランプ大統領が、猪突に「パレスチナ人150万人をエジプトなどに移住させる」という案を出しましたが、賛同する国はありません。
移住先として名指しされたエジプトなどは即座に「No」を表明しました。
 
この案は、トランプ大統領の娘婿のクシュナー氏がイスラエルのネタヤニフ首相との会談で提案したと言われていますが、中東問題を自分の商売に利用する気持ちが露骨過ぎて、反発を生んでいます。
住民を移住させた後のガザ地区を「高級リゾート地」に造り変え、大統領引退後の大儲けを企んでいるとまで言われています。
トランプ大統領本人が、そこまでは言っていませんから、フェイクニュースの範疇を出ませんが、「あり得るかも」と思わせてしまう危うさを感じさせてしまっています。
 
あまり品がよくありませんが、こんな言葉があります。
「肥溜めの蓋をどんなに綺麗に磨いても、中身は“くさいもの”が詰まっている」
つまり、どんなに蓋を磨いて綺麗にしても(要するに、国家が法律や規則を整えても)、中身は糞尿という“くさいもの”が詰まったままであるという意味です。
「糞尿を浄化しない限り(国民の意識を変えない限り)、中身(国家)は綺麗にはならない」ということですね。
 
中東は、2000年以上に及ぶ「多くの人々の怨念」が詰まったままの状態です。
世界中の国が一致協力して、この糞尿自体を浄化しない限り、平和が来ることは無いのです。
こんな言い方をしてはいけないのでしょうが、現状での打開策は思い浮かびません。
その意味では、荒唐無稽なトランプ案も一考の余地があるのかもしれませんが、とても賛同は得ることは無理ですね。
 
さらに2000年の時が流れ、世界が統一される日まで、この地に平和は来ないかと考えると、私の思考も停止してしまいそうです。