2017年6月30日号

2017.07.24

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2017年6月30日号
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発行日:2017年6月30日(金)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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           2017年6月30日号の目次
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☆日本経済は新次元の入り口にある(その1)
☆中小企業は、みなブラック企業だ
★中国が「一帯一路」の成功例と主張する実態
☆短期的変動に備える経営へ(6)
これからの商売(2):怪しい商売(前半)
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
 
今号は経済、経営の話題をお送りします。
 
月並みな感想ですが、今年ももう半年が終わってしまいます。
年初に描いた目標の半分を達成出来ている方はどのくらいいるでしょうか。
私の場合は、2ヶ月遅れですから達成率66%です。
「う~ん、残念!」な事態です。
残りの半年で遅れを取り戻すのか、計画修正に踏み切るのか、はたまた”うやむや”にするのか。
自社の経営の質(というより、経営者の質?)が問われる季節です。
 
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┃☆日本経済は新次元の入り口にある(その1)            ┃
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経済データによると、今の日本は「戦後三番目の好景気」ということですが、巷では「実感なき好景気」との声が多く聞かれます。
たしかに、好景気というには消費の伸びもなく、給料も上がっていません。
さりとて、失業率は最低水準で、求人倍率はバブル期を上回る売り手市場。
不況とはほど遠い現象であることも確かです。
 
ですが、純粋に公平な見方をすれば、やはり、今の日本は好景気と言うべきでしょう。
そして、この景気をもたらした起爆剤がアベノミクスであることは疑いもないことです。
野党が主張する「アベノミクスの破綻」は全くの虚構であり、多くの国民に見抜かれています。
 
ただし、「景気回復」と手放しで喜べないのも事実です。
アベノミクスも、第1弾の金融緩和に続く第2弾、第3弾は不発気味で息切れ状態です。
それでも不況に陥らないのは、日本経済を支える仕組みが「平衡状態」にあるからです。
例えば、輸出と輸入がほぼ同額で、増えもせず減りもしません。
従って、為替変動の影響をほとんど受けません。
一時心配された米国との貿易交渉も、安倍首相の努力でトランプ大統領に気に入られたことで小康状態です。
これは、皮肉ではなく実感です。
 
個人収入はわずかずつですが増えていますし、企業の収益は大幅に改善しています。
しかし、個人消費も企業の設備投資も上がりません。
その主な原因は、過去のトラウマにあります。
バブル後の不況が長く続いたことで、個人も企業もすっかり臆病になり冒険をしなくなったのです。
若者の公務員志向などはその典型ですね。
その上、少子高齢化の社会に突入して将来への不安が高まっています。
その結果、「とにかく自衛を・・」という意識に支配されているのです。
 
このように、今の日本経済は極端な平衡状態にあります。
見方を変えれば、これほど安定した経済を持つ国は他にはないと言ってもよい状態なのです。
ということは、しばらくはこのままの経済状態が続くということです。
 
ただ未来永劫、この状況が続くはずはありません。
私は、現在を「経済が新次元に入っていく入り口」と見ています。
日本は、その前で足踏みをしている状況だと思います。
企業や個人が「新次元が危険に満ちている」と感じれば、後ろに下がり、不況になっていくでしょう。
反対に「希望に満ちている」と感じれば、前へ向かって歩き出し、好況になっていくでしょう。
 
では、今の状況を動かす変動要素は何でしょうか。
確実なプラス要素は、外国からの観光客の増加(今の倍くらいまでいく?)とITの進展です。
反対のマイナス要素は、消費税の増税と中国経済の破綻です。
ただし、いずれも決定的な要素ではありません。
次回は、その決定的な要素について論じたいと思います。
 
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┃☆中小企業は、みなブラック企業だ                 ┃
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最近は、残業が多い企業、休みが取れない企業は、みな「ブラック企業」の烙印を押される風潮にある。
こうした声に押される格好で、政府は残業規制を強化し、違反企業には罰則を設ける方向に進みかけている。
しかし、こうした政治は、多くの中小企業を「ブラック企業」に貶(おとし)めることにつながる「大衆迎合政治」と言わざるを得ない。
 
中小企業の多くは、大手を頂点としたピラミッド構造の中での下請け企業である。
大手企業にとっての「優良な下請け」とは、品質が高いこと、価格が安いことに加えて「どんな時でも依頼を断らず、納期を守る」企業である。
これが下請け企業を苦しめる最大の要点になっているのだが、注文を出す大手企業だって市場の動きに翻弄され、安定した注文を出し切れない。
さらに大手企業はブラックの烙印を押されやすく、マスコミや世間からの非難(餌食?)にさらされる危険も大きい。
自社の社員にムリをさせられなくなっているのである。
そのしわ寄せは、全て下請け企業に寄せられ、下請け企業がブラック企業になっていく。
下請け企業は、注文の波を緩和するために、さらに、その下の孫請け、ひ孫請けの下請け企業にムリを強いることになる。
そうした最末端の下請け企業は、従業員の数を注文に合わせて調整するしかないが、労働法に縛られて、それが出来ない。
非正規雇用が増える土壌は、この労働法の縛りにも原因がある。
 
しかし、問題は労働法だけではない。
高品質を維持するためには、長年の技術の蓄積が必要で、そのような社員を育てるには相当の時間と費用がかかる。
パートで労働力を調整しようとすれば、そのような技術やノウハウの蓄積ができない。
どうしても”出来る”社員の頑張りが必要になり、残業は増えていく。
こうして、「残業が増えれば労基法は守れなくなり、労基法を守ろうとすれば納期が守れない」となるのである。
 
少し前に、TVドラマの「下町ロケット」が評判になったが、よく考えて欲しい。
高品質と納期を両立させるため、ドラマの舞台になった中小企業では、従業員たちが寝食も忘れ、休日も返上して必死に取り組む姿が繰り返し放映された。
その必死の姿が感動を呼んだのであるが、どうみても、あの中小企業は「ブラック企業」である。
マスコミは、一方でブラック企業を非難しながら、一方でその姿を感動話にする。
こうした矛盾を平気で垂れ流すのがマスコミで、その矛盾に平気で乗っているのが大衆なのである。
 
私は「ブラックで、どこが悪い」と声を上げたいが、世間から袋叩きにされそうで、それも言えない。
中小企業のオヤジとして、日夜、この矛盾と戦っている毎日である。
 
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┃★中国が「一帯一路」の成功例と主張する実態            ┃
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中国が進める「一帯一路」が、経済減速で生じた中国国内の過剰生産問題を解消し、アジアでの覇権を確立する一石二鳥の手であることは、国際社会には知れ渡っている。
それでも多くの国が「一帯一路」に参加するのは、このプロジェクトで生まれる成果を自国の経済に利用することを目論んでいるからに他ならない。
戦争が、自国の権益の拡大を目指す(あるいは、他国のそうした意図から自国を守ろうとする)行動だと考えれば、「一帯一路」をめぐる駆け引きも「戦争」の一形態なのである。
 
そうした各国の警戒を和らげようとする中国は、最初の投資先として、中国の友好国とされるラオスとパキスタンを選んだ。
要するに「Win・Win」の成功例が欲しいということである。
 
ラオスは中国と仲の良い国とされ、ASEAN会議でも中国寄りの姿勢が鮮明な国である。
「一帯一路」では真っ先に投資先となり、中国とつながる鉄道建設に中国は70億ドル(約7700億円)の投資を行うとしている。
しかし、かなり強引な計画であり、採算が取れるかどうかも怪しいプロジェクトである。
 
本プロジェクトの金額はラオスの国内総生産(GDP)の半分強という巨額である。
さすがにラオス政府(ラオスも共産党一党独裁の国)内でも疑問の声があがり、工事は停滞気味である。
こうした中、ラオス共産党の政治局から中国寄りの副首相が排除された。
このプロジェクトがあまりにも中国に有利だという批判が噴出したことが理由とされている。
中国は、プロジェクトの停滞は「ラオスが些末な点を調査していることが原因」としているが、ラオス政府内の動きには神経を尖らせている。
 
AIIBからの融資利率は2~7%と言われているが、本プロジェクトに関しては3%以上になると言われている。
しかも、ラオスの市場を考えると、とても採算が取れるプロジェクトにはならない。
となると、ラオスが借款を返せないことは明白である。
そうした場合に備え、中国は鉄道沿線の土地の開発権をラオス政府に要求しているが、さすがにラオスとして飲める条件ではないようで、この要求には難色を示している。
 
この鉄道ルートは、ラオスの先のタイに入っていく計画になっているが、タイ側の反応は鈍い。
中国の思惑としては、ラオスより経済規模の大きいタイが狙いであるが、タイにはとっくに見抜かれている。
タイの大手銀行の頭取は「サンタクロースが費用を出してくれれば可能だ」という言い方で採算性に疑問を呈している。
タイのプラユット首相は、中国の李克強首相との会談で、「タイは独自に資金調達を行う」として、中国主導で進むことに関して明確な拒否反応を示した。
実際、タイの財務当局は、中国よりはるかに低い金利で日本から資金を調達できるとしている。
中国は「東南アジアに直接向き合っているのは自分たちだ」として、日本からの投資に警戒感を強めている。
中国は、タイにも沿線の土地の開発権を求めたが、タイは「土地の開発権については何の妥協もしない」と拒絶した。
 
「一帯一路」は、中国が仕掛けた経済戦争である。
安倍首相は「条件によっては参加することも・・」と述べたが、これが戦争だとの認識を持っての発言であれば良いが、その認識が薄いと心配である。
タイでのプロジェクトなどへの対応で、日本政府の認識がわかると思うので、注目している。
 
ラオスの話に戻るが、中国は2014年からラオス北部に進出し、大規模に土地の借地を始めた。
次回は、この顛末について解説したいと思う。
 
(追記)
インドとブータンと中国が国境を接する地帯が実際の戦闘が行われる寸前の状態にある。
日本人の多くが「平和の国」と認識し、先日、秋篠宮家の長女が訪問したことで注目されているブータンが、インドと呼応して国境警備を固めているとされる。
実は、ブータンと中国は国交が樹立されておらず、ブータンの発表では、じわじわと国境地帯を中国に侵略され、これまで兵庫県に相当する面積の領土が奪われているということである。
 
 
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┃☆短期的変動に備える経営へ(6)                 ┃
┃  これからの商売(2):怪しい商売(前半)           ┃
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「これからの商売」の第2弾は「怪しい商売」です。
これは、「これから・・」というより、「これまでも、これからも・・」の商売ですね。
 
たぶん、多くの方が感じていることだと思いますが、「儲かる仕事」は、どこか「怪しい仕事」であることが多いものです。
例えば「水商売」ですが、うまくすれば「とても儲かる商売」ですが、「怪しい商売」であることは否定できないでしょう。
 
本メルマガで何度も言及したように、私の商売の原点は19歳の時の「水商売」です。
大学に進学した時に直面したのが、実家の商売の破綻危機でした。
父が始めた水商売が儲かるどころか「赤字続き」で破綻寸前に追い込まれました。
このままでは大学に通うどころか、夜逃げだと考えた私は、自分が店に入ることで店を立て直すことを両親に提案しました。
頭を抱えるだけで判断能力を失っていた父は何も言いませんでしたが、母は同意してくれました。
 
まったくの素人だった私には水商売の知識は皆無でした。
とりあえず皿洗いでカウンターに入った私は、とにかく水商売の現場を観察し続けました。
特に、お客とホステスおよびバーテンとのやり取りを意識して観察しました。
その結果、お客には2つの大きな動機があることが分かりました。
一つは、ホステスの女の子との擬似恋愛です。
この動機は、読者のみなさまには、すぐにわかりますね。
お客様として、そうしたお店に行っておられる方も多いでしょうから・・(失礼!)
 
もう一つは、話し相手が欲しいという欲望と悩みの解決策を求めるという欲望です。
こうしたお客は、カウンターへ来てバーテンに話し掛けてきます。
両方に共通しているのは、質は違えど「欲望の開放」です。
ゆえに水商売は「怪しい商売」なのです。
 
私は、この2種類の「欲望の開放」を利用して「儲ける」手段をいろいろ考えました。
まずは、もちろん、店の女の子の能力の活用です。
美人の子がモテるのは当然ですが、それだけの子はダメです。
褒め言葉の定番に「かわいい」という言葉がありますが、実に幅の広い言葉です。
その要素は、容姿だけではありません。
カウンターの中から冷静に観察していると、一番の美人が一番モテるわけではないことがすぐにわかりました。
往々にして、美人は自分が黙っていても“モテる”ことを知っていますから、サービス精神に欠けるきらいがあります。
そうでない子のほうが一生懸命に努力するので、案外にお客の指名が多くなるのです。
うまいことに、クラブやスナックなどという場所は照明を落としていますし、お客も酔っています。
素顔がイマイチの子でも、化粧一つで美人に変身できます。
その上、一生懸命に客の気を引きますから、お客も楽しくなります。
こうした子は「ウソの会話」も得意なのです。
お客が喜ぶウソや気を引くようなウソを平気で言えるのです。
素顔も素性も知っている私からすれば「ほとんど詐欺だな」って思っていました。
そうです。
儲かる商売は、どこか詐欺っぽいのです。
物質的に満たされた現代における「これからの商売」のヒントの一つは、「怪しい詐欺っぽい商売」なのです。
後半(次回)に続きます。
 
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<編集後記>
水泳や卓球の世界で10代の選手たちが世界で戦う姿が話題になっていましたが、将棋の世界にも脅威の14歳が出現して話題沸騰です。
また、先日の陸上日本選手権の100m、200mでも10代選手が圧勝し、20代の選手たちがかすんでしまいました。
スポーツの世界では、このまま一気に世代交代が進んでいくのでしょうか。
 
企業経営の世界では、さすがに10代で台頭は難しく、30代、40代が「若手」と言われる年代です。
では、経済の世界でも、そうした若い層が躍り出る時代になるのでしょうか。
団塊世代の私などは、さしずめ「化石」とか言われるのでしょうが、「まだまだやるぞ」という気持ちと次へのバトンタッチの責任意識が交錯します。
イチローに「まだまだ頑張れ」と声援を送りながら、そんなことを考える日々です。
 
<建設ビジネスサロン>
7月は予定が多くOFFサイトのサロン開催が難しいので、夏休みに入る前の8月前半とセットで考えて、7月後半~8月前半で開催を考えます。
3回目となる次回は、「建設業の営業」をテーマにしたいと思います。
ぜひ、ご参加を。
 
 
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