尖閣諸島の防衛

2023.10.15

【国際・政治】2023

中国海警局の船が尖閣沖の日本領海へ侵入することが常態化しています。
中国が発表し、各国で物議を醸している地図には、台湾だけでなく尖閣諸島も中国領とされています。
尖閣諸島に対して、中国は、よく使うフレーズ「核心的利益」に含まれると声高に主張しています。
「核心的利益」とは、軍事力を行使しても守るべき国益という意味です。
つまり、歴史的な事実や日本の実効支配は認めず、軍事力を行使するということです。
実際、中国の海警局は、日本の海上保安庁とは違い、中国海軍の下部組織となっていて、海警局の船は大型化し、かなりの武装もしています。
こんな艦船が、無防備の日本漁船を追い回しているのが尖閣の現状なのです。
海上保安庁の巡視船が必死に漁船を守っていますが、海警局の船が巡視船に武力攻撃をかける危険が高まり、いつ犠牲者が出るかも分からない情勢です。
 
さらに、こうした日本近海への領海侵犯は、尖閣に留まらず南西諸島や太平洋などの離島にまで拡大してきています。
それに対する日本政府の対応は、“いつもの”遺憾砲のみで、甚だ心もとないのが現状です。
 
ウクライナ侵攻や中東紛争などは、日本から遠いこともあって、どこか“よそ事”の感がありますが、尖閣は、すぐそこの危機です。
最前線である沖縄県知事の言動は明らかに中国寄りです。
もちろん、沖縄の置かれた現状から考えると全面的に玉城知事が悪いとは言えませんが、相手は、あの中国です。
このままでは、沖縄が中国に飲み込まれないまでも、利用されることは明らかです。
 
中国から見れば、日本が南西諸島に配備を始めているミサイル防衛網は、やっかいな存在です。
何度も言及していますが、台湾を侵攻する場合、断崖が多い大陸側への上陸は困難が予想されます。自ずと平場の多い東側の海岸からの上陸作戦となります。
しかし、その場合、日本の南西諸島に背後を取られる形となり、危険この上ない作戦となってしまいます。
 
となると、まず尖閣諸島を占領し、そこを橋頭堡に南西諸島のミサイル基地を叩き、背後を固めるという戦略が考えられます。
日本は、尖閣への上陸を許してしまったら、奪還はなかなかに難しく、沖縄が危険になります。
 
現実的な戦術としては、尖閣には米軍と共同使用する自衛隊の観測基地を設置し、要員の常駐化を実現、さらに南西諸島には射程1000kmの弾道ミサイルを配備するという二段構えの防衛線を敷くことです。
このことは台湾防衛への有効な手段にもなり、中国の軍事侵攻への大きな抑止力になります。
 
もちろん、現在の中国軍の軍事力を冷静に分析すれば、台湾はもちろん、南西諸島への攻撃は無謀すぎるので、実際に侵略する確率はかなり低いです。
しかし、可能性はゼロではないし、習近平独裁が強まる今の中国の危険度は高まる一方でしょう。
 
ロシアによるウクライナ侵攻の帰趨が大きな要素であることは勿論で、維新の会を離党した鈴木宗男議員が言うような「ロシアが勝つ」ことが現実化したら、日本の危機レベルが格段に上がることは確実です。
そうした現実を改めて確認させられた鈴木宗男議員の訪露は、彼の思惑とは逆に、ロシアや中国といった独裁国の危険性を浮かび上がらせたと言えるでしょう。