2017年7月15日号(国際、政治)
2017.08.03
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2017年7月15日号
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発行日:2017年7月17日(月)
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2017年7月15日号の目次
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◇都議選の結果が意味するところ
★中国の対日政策
◆モリカケ問題
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
各種世論調査で安倍内閣の支持率が急落しています。
さすがの安倍首相も反省の弁を述べていますが、世論は反応しません。
最後の切り札は内閣改造ですが、「おお~」と思わせるような大胆な内閣が出来るでしょうか。
それとも、これが「一強」と呼ばれた安倍政権の「終わりの始まり」なのでしょうか。
権力とは“うつろいやすい”ものです。
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┃◇都議選の結果が意味するところ ┃
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7月2日の都議選は予想通りの結果となった。
都民は、政党というにはあまりにも未熟な政党に第一党の座を与えた。
事実上、この選挙は小池都知事への信任投票であり、都民の目に「都民ファーストなる政党は映っていない。
小池劇場の次の芝居を見たいがための投票行動に過ぎないのである。
国政における「安倍一強」がほころびを見せる中、都政においては「小池一強」に変わったということである。
政治姿勢において、小池氏は安倍首相とあまり変わりがない。
そこが小池氏の強みになるのが今の時代である。
国民は旧民主党政権のひどさを忘れてはおらず、民進党を始めとする野党には何の期待も抱いていない。
「あんな政権はもうコリゴリ」なのである。
国民のそんな心理を見透かしているからこそ、安倍首相は強気で政局を押し通してきた。
ダメ大臣でも子飼いの部下であれば罷免もせず、国会の答弁も高飛車に終始する。
しかし首相は、そうした安泰にあぐらをかきすぎたようである。
さすがに、国民の側に「いい気になりすぎ」との懸念が広がってきた。
それでも「蓮舫はもっとイヤだ」との心理のほうが強く、首相への懸念は顕在化しなかった。
そこに登場したのが小池都知事である。
小池氏は外交感覚も安倍首相とほぼ同じ。
ゆえに、中国や韓国に対しても卑屈にならずに対処できる安心感を国民に与える。
かつ、女性の持つしなやかさと優雅さを備えながらも、強く、一人でも反旗を翻す勇気を合わせ持つ。
そのうえ、どんな攻撃をも笑ってかわす余裕(図太さ?)まで見せる。
一言で言えば、「新鮮さと実務能力を兼ね備え、見た目も良い指導者」。
今の多くの国民が望む指導者像、そのものなのである。
(少し褒め過ぎかもしれませんが、国民の多くはそのような目線で小池氏を見ています)
一方、自民党より深刻なのは野党(特に民進党)である。
小池氏が国政新党を立ち上げれば、自民党より先に野党が総崩れを起こし、競って新党になだれ込もうとするであろう。
このような寄せ集めの小池新党に対する実質の期待度はほぼゼロなのだが、
ある程度の数と組織を整えて次の総選挙に臨めば、もしかしたら政権を取れるかもしれない。
ただし、問題が2つある。
(1)真の力を持つブレーン組織を構成できるか。
(2)必要な資金が集まるか。
そして、それより大きな問題は、小池氏の国政に対する姿勢がはっきりしないことである。
もちろん、現在は都知事という立場で、都政に対する責任があるので、国政への言及はしないであろう。
野望をいつ口にし、いつ行動を起こすのか。
今後の小池氏の言動に要注意である。
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┃★中国の対日政策 ┃
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今号では「一帯一路」に対する日本の関わり方を論じるつもりでしたが、その前に、中国の対日政策を知るほうが先と思い、その話をします。
先の大戦で日本は負けましたが、日本国民は「米国に負けた」と思っていても、「中国に負けた」とは思っていません。
実は中国政府も同じなのです。
「日本に勝った」とは思っていないのです。
実際、当時の日本軍と戦ったのは中華民国軍であり、それも連戦連敗です。
共産党軍には日本軍と戦闘できるだけの力はなく、半ば傍観者のような立場に終止していました。
そうした日本との戦争も、昭和20年8月15日に突如終わりました。
その後、日本軍が引き上げた中国では、共産党と国民政府との間で内戦が始まり、共産党が勝利しました。
当然の結果といえます。
日本軍との連戦連敗の戦いで疲弊しきった国民党軍に余力は残っていませんでしたから。
日本軍との戦いを回避して余力を残した共産党の戦術は”賢かった”と言えますが、「日本に勝てなかった」という冷徹な事実が残ってしまいました。
「抗日戦勝利70周年」などの大げさな軍事パレードも、ことさら領海侵犯するのも、荒唐無稽な抗日ドラマを続けるのも、そうした事実を「無かったことにしたい」ためなのです。
しかし、それは虚しい努力に過ぎず、日本に対する潜在的恐怖心は消えません。
それどころか、敵国同士だった米国と日本が軍事同盟を結び、中国のアジア覇権の大きな障害となっています。
戦争中は味方だったはずの米国が敵に回り、日本と組んでいるのです。
習近平主席は米中首脳会談でも、戦争中は米中が組んで日本を倒したことを強調したようですが、米国首脳の反応は冷たいものでした。
中国は、こうした「離間(りかん)の計」で日米分断を狙ったのでしょうが、逆効果となりつつあります。
米国と離せば日本は急速に力を失い、中国の傘下に入るしか道はなくなると、中国は本気で考えたのでしょうか。
こうした中国の思惑に反して、今の日本は、米国抜きでも戦える軍事能力を身に付ける方向に転換しつつあります。
中国にとっては当てが外れた方向でしょうが、純粋な防衛論から考えれば、それは当然の方向です。
「まず自国の軍事力を整備した上で、足らない部分を他国との軍事同盟で補う」ということは、兵法の常識だからです。
北朝鮮の脅威以上に、中国からの度重なる軍事的挑発が、そうした常識を日本人に気付かせつつあるのです。
それでも、この先も、中国の軍事的挑発は止まることはないでしょう。
国民に洗脳してきた”ウソ”の日本の情報が足かせとなり、方向転換が出来なくなっているのです。
本格的な戦争になる確率はほぼゼロですが、偶発的な軍事衝突は起こり得るものと覚悟する必要はあります。
日本は、外交と組み合わせた防衛力の整備を進め、中国の侵略の意図を挫(くじ)く戦略の整備が欠かせません。
もっとも、あの防衛大臣の更迭が先かもしれませんが・・
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┃◆モリカケ問題 ┃
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森友学園問題、加計学園問題を総称して「モリカケ問題」ということを、最近知りました。
まだ一部でしか使われていないようですが、なにやら「もりそば」と「かけそば」の違いみたいで、
「しょうもない問題」の典型のような呼び名です。
この問題が内閣支持率急落の原因とまで言われている割には、未だにことの真相がはっきりしません。
国会の休会中に「休会中審査」を開くということですが、時間と費用の無駄使いになるだけです。
民進党に至っては「特区廃止法案」を出すなどと息巻いていますが、呆れてモノが言えません。
このような声に代表されるように、何が違法なのかがはっきりしないまま、個々の事象のみが浮かんでは消えているのが、この「モリカケ問題」の姿なのです。
「国有地の払い下げ」「獣医学部の設置認可」「国家戦略特区制度」、問題はこの3点だけのはずなのに、
報道が「総理夫人の名誉校長就任」「100万円もらった?」「総理のお友達」などの違法とはいえないことばかりを取り上げた結果、完全にワイドショー化し、それに野党が乗っかり、国会までもがワイドショーになってしまいました。
さらに、籠池氏夫妻や前川氏などのアクの強いキャラクターの言動をマスコミが面白おかしく取り上げたことで、真相究明などはどこかに飛んでいってしまいました。
安倍首相の、時に感情むき出しの軽率な言動も混乱に輪をかけました。
あの態度は、内閣支持率にもかなりの影響を与えたと思います。
しかし、国会で本質の議論がさっぱり進まない最大の責任は野党の戦術にあります。
籠池氏や前川氏の言動に頼って「首相のクビを取ろう」とする幼稚な戦術がオソマツ過ぎるのです。
彼らの言動で浮き彫りになったのは、我が国の「法制度の不備」です。
情報公開の規準や公文書としての規定、その管理などに対する法律が未整備のままであることです。
どのような規準で個人のメールを”正しく”本人のメールと確認するのか、また、その保管規準は・・といったような法整備なのです。
そこを指摘できない民進党は野党第一党としての資格すら無いといえます。
こうした法律の未整備は、憲法論議を70年間も封印してきた”ツケ”なのです。
全ての法律は時代や国内外の変化とともに改編しなくてはなりません。
それは、憲法といえども例外ではありません。
良い悪いではなく、現憲法は「賞味期限切れ」なのです。
前述した「国有地の払い下げ」や「学部の設置認可」について、法律は厳密に整備されていません。
それを拒んできたのは、各省庁の官僚たちです。
その巣窟の代表が農水省や文科省などであり、財務省というわけです。
厳密な法制度が整備されると、官僚の裁量余地がなくなり、こうした許認可の”うまみ”が無くなります。
私は、過去に、そうした”あいまい“な裁量に苦しめられてきましたし、今でも苦しめられています。
前川氏などは、そうした”うまみ”を吸ってきた張本人なのに、野党やマスコミによってヒーローに祭り上げられています。
呆れた話です。
「国家戦略特区制度」とは、そうした官僚の“うまみ裁量”(これが「岩盤規制」の正体)を突破するべく、首相官邸が打ち出した戦術です。
だから、それを廃止する法案を出そうとする民進党は「狂った」としか言いようがありません。
もちろん、特区は、規制の突破口としての役割なので、効果を見極めないうちの乱発は害になります。
その監視制度のための法案提出なら理解はできますが、廃止は理解不能です。
貴重な税金を使うわけです。
「休会中審査」をドタバタに終わらせないためにも、正式な国会による法整備の議論への入り口になることを期待します。
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<編集後記>
中国の民主化運動家、劉暁波氏の死は、中国に対する欧米の世論を強く刺激したようです。
民主主義国家にとって人権は何よりも大切なものです。
しかし、一党独裁の中国では、基本的人権そのものが理解できないのです。
「なんで欧米は騒ぐんだ。内政干渉だ」と態度を硬化させています。
欧米の各国政府は、経済と人権を秤にかけながらの難しい対中政策を採ることになります。
我が国は・・戦略的には、はっきりしない態度のままが良いのかもしれません。
(悪魔の戦略と言われそうですが・・)
<建設ビジネスサロン>
なかなか次回のサロン日程が決められなくて申し訳ありません。
もし、ご希望があれば、どの時間帯でも結構ですので、ご連絡ください。
気楽な話を楽しめればと思っています。
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