2025年3月15日号(国際、政治)

2025.03.18


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2025年3月15日号
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発行日:2025年3月15日(土)
 
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2025年3月15日号の目次
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◇トランプ大統領の言動は、マッドマン戦略なのか?
◇ロシアの敗北しか戦争を止める方法は無い
◇日米軍事同盟から脱却の時代とは
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
トランプ大統領の奔放な言動に世界が振り回されています。
日本は、このトランプ台風をどう受け止め、どう対処すべきなのでしょうか。
今号は、この話題から入ります。
 
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┃◇トランプ大統領の言動は、マッドマン戦略なのか?     ┃
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2月28日のトランプ・ゼレンスキー会談の口喧嘩(?)は、TVで全世界に配信されていたこともあり、世界を唖然とさせました。
こうしたトランプ大統領の言動は就任前からですが、就任後は過激さが倍になっている印象です。
トランプ流のディール(取引)は、相手を脅すことから始める手法なので驚きはないですが、
今の言動が交渉戦略論で言うところのマッドマン戦略(狂人を装い過激な発言を繰り返し、相手を混乱させる手法)なのか、はたまた本心なのか、見解が分かれるところです。
それより気になるのは、大統領の背後にいるロシアのオルガルヒ(大金持ち連中)の存在です。
 
8年前に最初の大統領になる前のトランプ大統領の政治経験はゼロです。
彼の主な経験は親から受け継いだ不動産業で、しかも何度も倒産しているので、事業家としては成功者とは言えません。
ネット情報によれば、彼の破産を救ったのはロシアのオリガルヒの一人で、現在でも大きなつながりを持っていると言われています。
その情報のすべてが正しいとは言えませんが、裏付けのある情報もあり、オリガルヒとの関係が続いているのは確かだと思います。
例えば、4000万ドルで買った家を1億ドルでロシアの実業家に売ったという話などは、買ったロシア人の名前まで判明しています。
ただし、不動産のビジネスマンとしては当然の行為であり、それが「悪い」とは言えません。
問題は、現在もロシアから大統領個人へ資金が流れていること、そして選挙介入疑惑にあります。
米国大統領という立場で、こうした関係を持つことの問題は言うまでもありません。
今後、ロシアに対する経済制裁の解除や緩和を打ち出すことがあるとしたら、この疑惑は深まります。
 
また、トランプ大統領は平気でウソが言える人物でもあります。
もちろん、ウソも言えない指導者では困るわけですが、ここまでバレバレのウソを平然と言える人物であることには注意を払う必要があります。
最高の指導者とは、「だれもが信じざるを得ないウソを『本当のこと』として言える人」です。
これは私が言っていることではなく、古くは孫子や韓非子、三十六計などの中国の古典、さらに16世紀イタリアの政治家であったマキャベリの「君主論」などで詳細に述べられています。
だけど、これは「真っ赤なウソ」を「誰もが信じてしまう真実」として言える場合に限られます。
しかし、トランプ大統領のウソは、トランプ信者以外は“お見通し”のウソです。
 
それでも平然とウソを言うのは、彼の願望である「独裁者になれば全部OKとなる」という意識にあるのでしょう。
トランプ大統領の旗印として有名になったMAGA(Make America Great Again=米国を再び偉大な国家にする)は、「そうなれば、すべての交渉を自分の思い通りの結果に導ける」という独裁思考から出ています。
その実現で、彼はプーチンや習近平と同等になれると考えているのでしょう。
実際、2度目の今回は「プロジェクト2025」と銘打った策で、自分と思想が一致する人材で政権幹部を固めています。
連邦職員についても、大統領に忠実な人材を選別・採用して「思想統一」を徹底させてきています。
さらに、FBIも司法も彼の下に置くため、CIAなど4つの情報機関の解体を目指して全職員に退職通知を出しています。
もちろん、これらの機関を完全に消すためではなく、自分に忠実な人間に入れ替えるためです。
そうした策の一環で、忠実な子分となったイーロン・マスクに米国民の全情報にアクセスできる権限まで与えました。
これには、さすがに抵抗が大きく、その権限に制限を掛けましたが、そこまで露骨に独裁色を推し進めたいのです。
もちろん、NATOなどの同盟国からは、これでは自国の軍事情報がロシアに流れてしまう。
トランプは、事実上、ロシアのエージェントではないかとの声が出ています。
 
ただ、こうした極端な自国主義は、そもそも米国の伝統的な考え方であることに注意を払う必要があります。
トランプ支持者は、その中でも極端で、米国というより「自分の利益になること」にしか意識がいきません。
そうした実情を考えた上で、日本は“この国”と付き合うしかないのです。
石破さんにできるかな~
 
次回は、トランプ大統領の最大の懸念、中国に対する戦略について解説します。
 
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┃◇ロシアの敗北しか戦争を止める方法は無い         ┃
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トランプ大統領はウクライナ戦争を早期に止めると豪語していましたが、可能性は限りなくゼロに近づいています。
ロシアは、プーチンの要求(ウクライナの政権交代そしてロシアの属国化)に繋がる停戦しか認めないからです。
当然、同意しないウクライナに対しては、米国の支援どころかEUからの支援も止めろという強引さです。
 
そもそも、この戦争はウクライナが仕掛けたものではなく、ロシアによる一方的な侵略です。
であれば、終戦はロシアの撤収が筋のはずです。
しかし、それはプーチンの失脚を意味することであり、ゆえに認めるはずはありません。
しかも、こうしたトランプ大統領の「平和を愛する?」気持ちが分かったプーチンは、米国の参戦は無いとして、軍事攻撃を激化させています。
 
一方、軍事大国ではなかったウクライナの抵抗は驚異的なレベルといえます。
もちろん、欧米による軍事援助や日本を含む西側諸国の援助があってこそですが、実際の前線で戦っているのはウクライナ人だけです。
ウクライナ人は、皇帝時代のロシアや旧ソ連の最精鋭部隊であったコサック騎兵の末裔です。
戦うDNAは強固に受け継がれています。
ベトナムのようにゲリラ戦となっても戦い抜く姿勢は崩れないと見ています。
ゆえに、プーチンはウクライナの属国化という成果を上げない限り、自分の権力の座が危ないわけです。
 
こうした当たり前の事情を分かっていたのか、または本当に分かっていなかったのか、
トランプ大統領は「就任後、24時間で終わらせる」と豪語していたが、就任後は「6カ月以内」と発言を後退させました。
でも、その言い訳が必要だったので、ウクライナの鉱物資源を手に入れるとかの“ごまかし”発言になっています。
この鉱物資源の埋蔵量が本当だとしても、採算に乗るのはトランプ大統領の退陣後です。
トランプ大統領は、自分に都合の良いことを言う側近しか近くに置かないので、間違いやごまかしのような情報ばかりがインプットされ、それをロシアや中国に利用されているのです。
 
トランプ・ゼレンスキー会談を「最悪だった」と非難する声が多いですが、別な見方もあります。
「これで、欧州が本気でウクライナを支援する覚悟を決めなければならなくなった」というものです。
たしかに、米国の軍事支援が止まり、スターリンクまで使えなくなる事態になれば、ウクライナの敗色は濃厚となります。
 
実は、あの交渉決裂で焦っているのはトランプ大統領のほうでしょう。
6月までに停戦にならなければ、狙っていたノーベル平和賞の候補にならないからです。
どうやら本気でこの賞を狙っていたようで、「そこまで自己愛の強い人なんだ」と呆れるばかりです。
大統領選の後、知り合いの米国人に米国の事情を聞いたところ、彼は、「アメリカ人の過半数は、無知で自分のことしか考えない。さらに、最上層に君臨する大金持ちたちの大半は、知識はあるが、やはり自分のことしか考えない。こうした米国人の浅はかさの上に乗っかっているトランプを破るだけの政治家が現れないのが今の残念な米国だ」と言っていました。
 
戦後80年となり、世界の戦後体制はもうボロボロです。
その象徴が国連の無能ぶり、そして無力化です。
もはや、国連はまったく意味のない無用の長物と化し、根本の改革がなされない限り、消滅も時間の問題だと思います。
 
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┃◇日米軍事同盟からの脱却とは               ┃
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さて、世界がこのように「力こそすべて」になってきている現状の中で、我が日本の採るべき道はどこにあるのでしょうか。
その策を考える力も胆力もない石破首相に、このままかじ取りを任せられないことだけは確かです。
国民は、夏の参院選、いや、その前に自分の意思を示さなくてはなりません。
 
こんな意見があります。
「アメリカ人はそういう『アメリカのケツ持ちありきで綺麗事を語り、理想論ばかりの政治に奔走する国』にいい加減ウンザリしているのだろう、しかもそういう国が往々にしてアメリカに対してはちゃっかり貿易黒字を出していることにも、また不満があるのだろう」
 
戦後の日本人は「日米は、かつて大戦争をした仲だけど、今は親友みたいになった」という意識が強いですが、その意識は払拭すべきでしょう。
あの戦争について、米国人は、年配者ほど「卑怯な日本が、いきなり真珠湾を爆撃して戦争を始めたが、米国の正義の反撃で逆転し、最後は原爆でとどめを刺した。それで日本は米国の子分になった」という意識が強いのです。
かつて、在日米軍のトップが「日本に駐留している米軍は“瓶のふた”である」と発言しましたが、そうした米国人たちを納得させるための発言です。
つまり、在日米軍は「日本を守る」軍隊ではなく、「日本を米国の属国に閉じ込める」ための軍隊なのです。
私は、それが悪いと主張したいのではありません。
敗戦後、首相となった吉田茂は、米国のこうした姿勢を利用し、軍事費を戦後日本の復興費に回したわけです。
その後の政権も吉田政権の政策を踏襲し、結果として日本は世界でも有数の経済大国になったわけです。
 
戦前の日本は世界でも有数の軍事大国でしたが、経済的には大国の領域に達していませんでした。
当時の日本政府は、世に言われているほどバカだったわけではありません。
経済的にも欧米に負けない大国にならないと、いつか戦争を仕掛けられ負けると思っていました。
しかし、アジアの主な地域はみな欧米の植民地となっていて手が出せない。
唯一彼らが手を出さなかったのが、極寒の満州でした。
日本は、欧州が進出しない、その場所に「満州国」という傀儡政権を作り、日本の植民地にしようと考え、巨額の投資を行ったわけです。
日本人の多くが認識違いをしているのは、当時の満州は中国(当時は、中華民国)の覇権が及んでいない地域で、幾つもの軍閥が群雄割拠する地域だったことです。
そこなら欧米は文句を言わないだろうという思惑が日本にあったわけです。
 
しかし、こうした日本政府の思惑は崩れ、半分独立化した満州軍が中国・満州の国境を越え、中国との全面戦争にした上、米国との戦争にまで発展し、そして敗戦という結果を経て米国の属国になってしまったわけです。
これで米国は一安心したわけですが、潜在的な日本への警戒感は薄れていませんでした。
その姿が日本駐留の米軍というわけです。
 
そうした戦後を終わりにすべく、故安倍晋三首相は「戦後レジームからの脱却」というキャッチコピーを掲げ、日本が防衛の主体となり日米軍事同盟をその補完とする防衛体制の構築を目指したわけです。
その目標は正しいといえますが、後を継いだ岸田、石破首相は米中の双方に“いい顔”をする「蝙蝠外交」を志向しているわけです。
 
ところがトランプ大統領は、安保条約を「米国ばかりが損な条約だ」と批判し、日本から利益をむしり取ろうとする野心を隠そうとしなくなりました。
日本としては、「ふざけたこと言うんじゃねえ。日本は多額な駐留費を負担し、米兵の横暴にも我慢しているが、米国はそもそも日本を本気で守る気なんかねえだろう」と言いたいところですが、石破首相は経産相を派遣して「お願いだから、関税対象から外して」と懇願外交をしているわけです。
真っ向から核心をついて対抗できる首相の登場が待たれます。
 
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<編集後記>
中国の政治や経済の不安定さが言われていますが、情報が政治統制されている国ゆえ、実態が分かりません。
中国には知人もいますが、危なくて政治の話題は話すこともメールも出来ません。
そもそも、私のようにネットで中国に対し批判的な配信をする人物は「要注意」としてマークされている可能性があります。
かつて中国の建設現場で、中国の技術者を指導したりして中国に貢献したと自負していますが、そんなこと歯牙にもかけないのが今の中国ですから、怖くて行くことはできません。
難しいですが、同国が民主化されて自由に往来できる日が来ることを願っています。
 
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