2023年3月15日号(国際、政治)

2023.03.16


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2023年3月15日号
┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓
   H  A  L  通  信
┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ http://www.halsystem.co.jp
発行日:2023年3月15日(水)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2023年3月15日号の目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ニュース番組と報道娯楽番組の違い
◇ウクライナ侵攻が示唆する近代の戦争(前半)
◇今後の韓国は、少しは変わるでしょうか?
 
http://magazine.halsystem.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
高市早苗大臣を巡る総務省の行政文書がマスコミやネットで話題になっています。
今号は、この問題から入ります。
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇ニュース番組と報道娯楽番組の違い                ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
高市大臣の首を取ろうと、立憲民主党の小西洋之議員が総務省内から入手した行政文書をかざして参議院の予算委員会で高市氏とバトルを繰り広げました。
この問題については様々な意見がSNS上で溢れていますので、詳しくはそちらをお読みください。
本メルマガでは、別の観点でこの問題を論じます。
 
問題の文書ですが、所轄大臣だった高市氏本人や当時の事務次官の名前が回覧欄にない以上、信憑性には疑問符が付きます。
それゆえ、高市大臣から、少々過激ですが「捏造」と言われてしまうのです。
小西議員の「捏造であることを証明しろ」は逆で、「捏造でないこと」を小西議員が証明しなければならないのです。
そもそも、役所内で内容の怪しい行政文書が横行していることなど、行政と関わる仕事をした経験がある人なら、分かっていることです。
建設会社時代、こうした捏造文書を役所から強制されて作成した経験がある私自身が言うのです。
もう時効だから言えることが情けないですが・・
読者のみなさまが信じるか否かはお任せしますが、行政の世界が美しい世界ではないことぐらい想像がつくと思います。
まあ、東大卒が大半の中央官庁でも“この程度”の人は、かなりいるのです。
世の受験生や親には考えるべき“良い”事例となったことと思います。
 
ただし、この行政文書は高市氏が総務大臣時代に作成された文書なので、捏造であれば、当時の大臣としての文書管理不備の責任が問われることになります。
高市氏はそこに気が付いたのか、それとも誰かに言われたのか分かりませんが、「責任を感じている。たいへん申し訳ない」と陳謝しました。
 
もうひとつ、高市氏に言いたいことがあります。
大臣の任命権は総理大臣にあります。
小西議員の「辞めますね」という挑発に対し、「いいですよ」と返したのはまずい対応です。
「それを決めるのは総理です」と返すべきでした。
高市氏は血の気の多い方のようですが、今後は抑えたほうがよいでしょうね。
 
さて、本題が最後になってしまいました。
安倍元総理の発言にあったとされる「サンデーモーニング」ですが、ゲストの顔ぶれが偏向していることは「その通り」と私も思っています。
ですが、あの番組は、ニュース番組ではなく「報道“娯楽”番組」なのです。
ニュース番組には厳格な正確性、公平性が求められますが、娯楽番組ならば目くじらを立てる必要はないでしょう。
ゆめゆめ、このような番組を“高尚”な番組だと錯覚しないことです。
娯楽番組なのですから、右寄りも左寄りもOKなのです。
視聴者がそれぞれに判断して、「そのとおり」とか「けしからん」と楽しめば良いのです。
それを「おかしい」と非難したのでは娯楽ではなくなります。
 
米国のTVは、この手の“偏向”番組だらけですが、国民はそれを楽しんで受け止めているようです。
我々も、「たかが娯楽さ」と認識すれば良いだけの話です。
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇ウクライナ侵攻が示唆する近代の戦争(前半)           ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ロシアがウクライナに侵攻した1年前、現在の戦況を想定できた人はいたでしょうか(私を含めてですが)。
最も大きな“意外”は、ウクライナの官民一体の抵抗力の強さです。
欧米による武器援助や偵察衛星等の情報提供が大きいとはいえ、犠牲が積み重なっても“くじけない”ウクライナ国民の強い意思がその核になっています。
プーチンは、一番大事な“そのこと”を完全に見誤っていました。
日本の防衛を考える上での大きな要素といえます。
 
そもそも世界は、これほど大規模な国家間戦争が起きるとは考えておらず、もっぱら核戦争の防止のみに意識が傾いていました。
しかし、実際に起きたのは、先の世界大戦で終わったと思われていた“昔ながら”の泥臭い戦争です。
ドローンやミサイルなどの新たなハイテク兵器の登場もありますが、主要兵器は戦車や大砲といった従来型の兵器であり、戦闘の主力は歩兵です。
紛争を抱えている国、および、その怖れがある国は、戦略の立て直しが急務となっています。
 
日本が考えざるを得ないのは「国際合意を信じ切ることは出来ない」という冷徹な事実です。
ソ連から分離独立したウクライナは核兵器保有国でした。
ウクライナはこの核兵器を放棄する代わりに国際社会による安全保障を求めました。
これを受け、米英露の核保有3ヶ国はブタベスト覚書に署名し、この3ヶ国がウクライナの安全を保障することを約しました。
問題は、この時のウクライナ政権がロシア寄りの政権だったことです。
このことが、ロシアが同意した大きな要素でした。
しかし、その後の選挙で西側寄りのゼレンスキー政権が誕生しました。
民主主義国ならば当たり前の政権交代なのですが、プーチンは容認できなかったのです。
そして、国際合意であったブタベスト覚書を破りウクライナに軍事侵攻したわけです。
平和を希求する理想は大事ですが、このような現実がある限り、理想だけで国は守れません。
世界の歴史を俯瞰してみれば、理想だけで国を守れた例はほぼ皆無という現実は重いです。
 
ただし、軍事力で劣る国は、自力だけで国を守れません。
ゆえに、集団的自衛権なる軍事同盟が必要となるわけです。
外交的に中立方針を表明していたスウェーデンとフィンランドが、その立場を捨ててNATO(北大西洋条約機構)に加盟申請したのは、自国のみでロシアの侵攻を阻止できないからです。
ちなみに、この両国は、国際的に認められた「永世中立国」ではありません。
外交方針として中立を宣言しているに過ぎない国です。
国際的に永世中立国として認められている国は、スイス、オーストリア、トルクメニスタンの3カ国のみです。
 
軍事同盟を結ぶと、仲間(同盟国)を守ることは正当防衛とみなされますので、自国が侵略を受けて戦争になる確率は減ります。
では、日米軍事同盟を批判する人たちが主張する「米国の戦争に巻き込まれる」という懸念はどう考えるべきでしょうか。
米国が他国から軍事侵攻を受けた場合は、当然、日本も参戦する必要があります。
しかし、米国が他国に侵攻する場合には、参戦する義務はありません。
湾岸戦争やイラク戦争がそうした例です。
後方支援については明確な基準はありませんが、武器や弾薬の供与、機雷撤去などは可能というのが国際的な解釈でしょう。
 
直近の懸念は、中国による台湾侵攻があった場合の日本の対応です。
それは次号(4/15号)で解説します。
 
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇今後の韓国は、少しは変わるでしょうか?             ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
日本では“いわゆる”という定冠詞が付く徴用工問題に対し、韓国の尹錫悦政権は、韓国が肩代わりするという解決案を日本に提示しました。
その代わりに、日本側に“なんらか”の謝罪に近い反応を期待しています。
それに対し、岸田首相は過去の政権で行なった「お詫び」を踏襲することで韓国側に応える方針のようですが、それすら「危ないな」と思えるのが、今の日韓関係です。
 
たしかに、尹錫悦政権は日韓関係の改善に必死ですが、韓国の世論がそれを容認するかどうかは別問題です。
それでも伊大統領がそこまで必死になるのは、韓国の経済および安全保障が危うい状態になっているからです。
 
中国や北朝鮮に迎合していた前政権の姿勢は、日本にとっては“苦々しい”ものでしたが、それが前政権の考えた韓国の「生きる道」だったわけです。
その方針とは正反対の尹錫悦政権の誕生で韓国が西側から離反することは食い止められました。
しかし、先の大統領選挙での票差は紙一重でした。
まさに、韓国民の意識は“真っ二つ”なのです。
まして、対日感情は多少良くなった程度に過ぎないと認識すべきです。
 
戦前の日本政府には朝鮮の独立を容認しようという意見もあり、かなりの現実味を帯びていました。
1910年の朝鮮併合まで半島の統治者であった李氏朝鮮の皇族は、日本の皇族に準ずる王侯族として皇族と同様の扱いを受けていましたから、復活は容易でした。
あの戦争がなかったなら、朝鮮は独立して、日本との同盟関係となっていたと思います。
しかし、その全てを開戦、そして日本の敗戦が壊してしまいました。
半島の独立は南北に分かれてしまい、南の韓国では米国に亡命していた李承晩が初代大統領となりました。
この時、朝鮮の王族を復帰させ、日本と同じような国家体制とする案もありましたが、李承晩が強引に米国を説き伏せ、自らが大統領となりました。
こうした経緯が伏線にあり、李承晩は自己の正当性を誇示するため「国民の不満を反日に向ける」ための教育を強力に進めました。
これが、心の奥底で“くすぶっていた”韓国民の自意識の高さを刺激してしまい、今日まで続いているわけです。
 
その後、金泳三元大統領の時代には、「河野談話」「村山談話」といった日本の証言を引き出したことで、日本政府の思惑とは反対に反日世論はすっかり力を得てしまったのです。
こうした日本の政策は、真逆の結果を招いたわけです。
以来、韓国のメディアは左派の活動ばかりを取り上げるようになり、日韓問題は、ほとんどが「日本悪き」の構成になってしまいました。
そして、文在寅政権の反日教育の徹底で、中年以下の人々は「反日教育」しか知らず「反日ありき」の結論報道しか目にしなくなってしまったわけです。
 
もちろん韓国でも反日教育が「おかしい」と気がついている人もいますが、そうした人たちは声を出せないのです。
声を出せば左派系市民団体の批判の集中砲火を受け、社会的に抹殺されかねないのです。
「日本好き」的な発言をした韓国の芸能人が執拗な迫害に合う姿は、日本にも伝わっています。
また、慰安婦問題で実際の資料を基に本を書いた大学教授などが激しい糾弾にさらされる姿も見聞きしています。
韓国で、こうした声をあげる勇気は並大抵のことではないのです。
 
今の尹錫悦政権が、どの歴代政権より日韓問題修復に力を入れていることは、いまのところ間違いないと思ってよいでしょう。
しかし、反日に凝り固まった教育という根本から改革しないことには、先は暗いです。
その中での突破口は、観光やビジネスでの実体験やSNSでの投稿です。
尹錫悦政権の5年間で、こうした触れ合いが続き、教育改革が進み、次の政権に受け継げられていくなら、その先に望みはあるかもしれません。
それまで日本は、嫌韓反応は抑えて、しかし過度に“のめり込まず”、長い目で関係改善の合意を少しずつ進めていくしかないでしょう。
次の政権で元の黙阿弥になることも想定して、適当な距離は常に置くべきです。
 
----------------------------------------------------------------------
<編集後記>
日本でも、SNSの普及によってマスコミの底の浅さが浮き彫りになってきています。
一時期、TVで売れっ子だったコメンテータや評論家の評価が軒並みガタ落ちです。
報道よりSNSの情報のほうが真実に近いなと思えることが増えているように思います。
しかし、SNSには、ウソや中傷情報がそれ以上に多いのも事実です。
情報の真偽を見極める力が相当に必要となる大変な世の中になったのです。
我々は、今、文化が発展するか衰退するかの十字路に立っているように感じます。
 
 
----------------------------------------------------------------------
◎[PC]配信中止、変更の手続きはこちら
http://www.halsystem.co.jp/mailmagazine/
このメールは送信専用です。お問い合わせはこちらからお願いします。
http://www.halsystem.co.jp/contact/
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
【編集・発行】
  株式会社ハルシステム設計
http://www.halsystem.co.jp
 
  〒111-0042 東京都台東区寿4-16-2 イワサワビル
  TEL.03-3843-8705 FAX.03-3843-8740
 
【HAL通信アーカイブス】
http://magazine.halsystem.co.jp
 
【お問合せ・資料請求】
email:halinfo@halsystem.co.jp
tel:03-3843-8705
 
Copyright(c)HAL SYSTEM All Rights Reserved.
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵