2023年12月15日号(国際、政治)
2023.12.15
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2023年12月15日号
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発行日:2023年12月15日(金)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2023年12月15日号の目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇パーティー券は、そもそも裏金?(前半)
◇アラブ諸国の本音
★独裁者の心理
http://magazine.halsystem.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
今年も残り半月となり、大きな曲がり角の2025年が近づいてきました。
その前年となる2024年は、1月31日の台湾総統選を皮切りに、4月の韓国総選挙、11月の米国大統領選挙と民主主義国家の政治イベントが続きます。
日本でも9月の自民党総裁選に向かって大きな政変が起こる可能性が高くなっています。
今号は、この問題から入ります。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇パーティー券は、そもそも裏金?(前半) ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
自民党の派閥によるパーティー券の売上の一部が所属議員にキックバックされていたことが発覚し、党内はドタバタ騒ぎです。
怒りよりも「オソマツ」という言葉しか浮かんできません。
キックバックは違法の匂いはしますが、しかし、それだけで違法とはいえません。
派閥の政治資金収支報告書に記載されていなくても、キックバックを受けた議員が自身の収支報告書の収入に記載していれば合法です。
では、記載がなければ違法・・とは、これまた簡単には断定できないのです。
マスコミは、こうした説明を抜きに「違法だ」と騒ぎ、国民は、それだけで単純に怒りを募らせます。
しかし、日本が法治国家であるなら、まず、法的な分析から入るべきです。
私は、過去に、知り合いの政治家のパーティー券を数回購入したことがあります。
このときに関係する法律を調べ、会社のカネで買うことは「マズイ」と考えました。
当の政治家から自社へ何らかの便宜を期待して購入すると、「贈収賄罪」に問われる恐れがあります。
逆に、何の見返りも期待せずに会社のカネを使うと、たとえ社長であっても「背任罪」に問われます。
つまり、会社のカネは使えないと判断し、個人で購入しました。
もちろん、見返りは「国民にとって良い政治をしてね(ウソくさい?)」です。
しかし、当の政治家の政治姿勢に疑問を感じ、数回で止めました。
「損した!」が、正直な感想です。
話が脱線したので、適法か否かに話を戻します。
政治献金を規制しているのは「政治資金規正法」ですが、以下のように規定されています。
「政治活動に関する金銭のやりとりは、政治資金規正法に基づき、自身の政治団体の政治資金収支報告書に記載して公開しなければならない」
そして、この報告書への記載漏れや虚偽記載には禁錮や罰金の規定があります。
ですが、その罰則を適用するか否かの詳細規定はありません。
では、「記載しなくても罪にはならないのか」の疑問が湧きますが、総務省の政治資金課の見解が公開されていました。
そこには、捜査当局が罰則規定を適用するかどうかは「個別案件ごとに判断する」となっています。
国民からしたら「なんだ、この見解は」と怒りたくなりますね。
つまり、違法か否かは、捜査当局の判断しだいということなのですから。
こうなると、名奉行の大岡越前守か遠山金四郎に出てもらうしかありませんね。
令和の現代が、徳川時代から一歩も進歩していないことに呆れるばかりです。
そこで、「では、脱税の線から調べてみたら・・」と国税庁の資料を調べることにしました。
その結果は、新年1月15日号の「後半」に。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇アラブ諸国の本音 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
中東ガザでの犠牲が増え続ける中、攻撃を続けるイスラエルへの非難が高まっています。
たしかに、TVやネットでの悲惨な映像を見れば、それも頷けます。
しかし、表面的な情報及び人道的な基準だけで判断すると、ことの本質を見誤る恐れがあり、紛争の解決からは遠のくばかりです。
そうは言っても、的確な情報はそう簡単に入手できるものではなく、また、その情報の真偽を見極める難しさがあります。
ならば、どうする・・
正しいと思われる情報も、その内容をよく調べていくと「?」と思うことが浮かび上がってきます。
今回のガザ侵攻の情報でも、そうした「?」が浮かび上がってきます。
その一番の「?」は、アラブ諸国の動向です。
既にイスラエルを承認しているエジプトや承認しようとしていたサウジアラビアは、公式にはイスラエルを非難していますが、非難だけです。
また、トルコ、UAE、ヨルダンなどの中立的な国も、イスラエル非難だけで具体的な行動を取る姿勢は見せていません。
つまり、イスラエルの報復攻撃は行き過ぎとしつつも、「ハマスにも困ったもんだ」が本音なのです。
こうした本音の背景にあるのは、自国政治への跳ね返りの恐れと、先行きの経済に対する不安です。
湾岸諸国の経済を潤してきたオイルマネーの未来は、温暖化阻止という国際的な流れだけでなく、資源枯渇の恐れや代替エネルギー手段の進歩により先細りが確実です。
将来的には、日本などが石油を含めた海底資源の採掘に成功する可能性もあり、湾岸諸国の先行き不安は増大する一方です。
こうした未来を考えると、アラブ諸国は欧米側と事を構えたくはないのです。
イスラエルは中東に位置していますが、外交的には欧米に属していますから、アラブ諸国の多くはイランやシリアなどのような明確な反欧米国家と同じ道は歩めないのです。
もう一つ、日本を含めた先進諸国とアラブ世界とで価値観が大きく異なるのは、人の命の重さです。
先進国では死刑囚の人権すら尊重されますが、アラブ諸国は「すぐに処刑」が当たり前です。
しかし、それを「野蛮だ」とか「人権無視」と非難しても意味はありません。
先進国の国民も、実は知っています。
人権や命が普遍的な価値とはいえず、人の命にも等級があることを。
辛いことですが、紛争や戦争を止めるのは、人権や命の重さではなく「利害の損得だけ」と認識して行動するしかないのです。
「アラブにはアラブの信義や利害」があるのです。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃★独裁者の心理 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
中国の習近平主席は「中国の夢」という言葉を語りますが、その意識の底には歴史上の3人の皇帝がいると言われています。
その3人とは、初めて中国の統一皇帝となった「秦の始皇帝」、中国の版図を東南アジアにまで広げた「唐の太宗皇帝」、そしてモンゴルやベトナムにまで領土を拡大した「明の永楽帝」です。
歴史上、最大の帝国となった元の創始者「チンギス・ハーン」や清の「乾隆帝」は、そこには含まれません。
なぜなら、彼らは漢民族ではなく異民族だからです。
つまり、習近平主席は、“漢民族”の中国に強くこだわっているのです。
一方、ロシアのプーチン大統領には、3人の歴史上の助言者がいると言われています。
その3人とは、イヴァン雷帝とピョートル大帝、そしてエカテリナ2世です。
歴史に詳しい方でなくても、この3人がロシアの絶頂期の皇帝であることはお分かりと思います。
つまり、中露のお二人は、帝国の領土を拡大した歴史上の「皇帝」と並び立ちたいという共通の気持ちがあるということです。
近代の感覚では、驚くほどの時代錯誤感覚と言わざるを得ません。
しかし冷静に考えてみると、現代でも政治指導者の多くは「偉大な指導者」と言われたいという願望は強いのではないでしょうか。
独裁者はもちろん、民主国家でも大国の指導者ほどその意識が高いように感じます。
また、企業経営者にも、似たような意識があるのではないかと考えるのです。
頻繁に報道に登場する“くせの強い”経営者に、そんな匂いを感じるのは私だけでしょうか。
ちょっと脱線しましたので、独裁者の話に戻します。
歴史好きな方は、多くの本や文献で、過去の独裁者のことをよくご存知だと思います。
でも、彼らの人生が幸せだったとはとても思えないのです。
その心理を一言で言えば「孤独」そのものではないでしょうか。
例えば、ローマ帝国の第5代皇帝ネロは、とんでもない「暴君」として有名です。
私もそのように思っていましたが、近年の文献を読むうち、そうした話の大半は後世の捏造だったことが分かりました。
ローマ市内に火を放ち、宮殿のテラスでその大火を見物しながらワインを飲んだという話も、今では「嘘」と断定されています。
分かってきたのは、恐ろしいほどの孤独感に苛まれていた若き皇帝だったということです。
今のプーチン大統領の心理も非常に不安定な状態にあると思われます。
正しい情報は入らず、誰も信用できず、怯えに近い心理ではないでしょうか。
危惧されるのは、そうした不安定な心理状態から核兵器の使用に踏み切るのではないかということですが、私は、その危険はほとんど無いと思っています。
彼が、先制使用に対する自分への跳ね返りを考え怖くなる程度の小物の独裁者だからです。
仮定の話ですが、歴史上の独裁者が現代にいたら核兵器を使うかもしれません。
でも、現代の独裁者は、肝っ玉の小さい小物ばかりです。
彼らがそんな恐ろしい独裁者でないことは、少しだけ安心材料です。
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<編集後記>
2019年の香港の民主化運動の中心人物の一人だった周庭さん。
その後、中国政府の完全な支配下に置かれた香港政府により逮捕され、その動向は消えました。
その彼女が、突然にカナダに現れ、事実上の亡命を発表しました。
それだけでも驚きですが、香港トップの李家超行政長官が「戻らなければ逃亡犯として“引っ捕らえる”」と、まったく冷静さを欠いた言葉で非難したのは、もっと驚きでした。
政府高官が、このような品格のない言葉を発するのは「いかにも中国だな」ということですが、それだけ中国の高官たちは、みな習近平主席の怒りを恐れているのです。
香港も中国も、もう安全に行ける国ではないなと思うばかりです。
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今年も残り半月となり、大きな曲がり角の2025年が近づいてきました。
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派閥の政治資金収支報告書に記載されていなくても、キックバックを受けた議員が自身の収支報告書の収入に記載していれば合法です。
では、記載がなければ違法・・とは、これまた簡単には断定できないのです。
マスコミは、こうした説明を抜きに「違法だ」と騒ぎ、国民は、それだけで単純に怒りを募らせます。
しかし、日本が法治国家であるなら、まず、法的な分析から入るべきです。
私は、過去に、知り合いの政治家のパーティー券を数回購入したことがあります。
このときに関係する法律を調べ、会社のカネで買うことは「マズイ」と考えました。
当の政治家から自社へ何らかの便宜を期待して購入すると、「贈収賄罪」に問われる恐れがあります。
逆に、何の見返りも期待せずに会社のカネを使うと、たとえ社長であっても「背任罪」に問われます。
つまり、会社のカネは使えないと判断し、個人で購入しました。
もちろん、見返りは「国民にとって良い政治をしてね(ウソくさい?)」です。
しかし、当の政治家の政治姿勢に疑問を感じ、数回で止めました。
「損した!」が、正直な感想です。
話が脱線したので、適法か否かに話を戻します。
政治献金を規制しているのは「政治資金規正法」ですが、以下のように規定されています。
「政治活動に関する金銭のやりとりは、政治資金規正法に基づき、自身の政治団体の政治資金収支報告書に記載して公開しなければならない」
そして、この報告書への記載漏れや虚偽記載には禁錮や罰金の規定があります。
ですが、その罰則を適用するか否かの詳細規定はありません。
では、「記載しなくても罪にはならないのか」の疑問が湧きますが、総務省の政治資金課の見解が公開されていました。
そこには、捜査当局が罰則規定を適用するかどうかは「個別案件ごとに判断する」となっています。
国民からしたら「なんだ、この見解は」と怒りたくなりますね。
つまり、違法か否かは、捜査当局の判断しだいということなのですから。
こうなると、名奉行の大岡越前守か遠山金四郎に出てもらうしかありませんね。
令和の現代が、徳川時代から一歩も進歩していないことに呆れるばかりです。
そこで、「では、脱税の線から調べてみたら・・」と国税庁の資料を調べることにしました。
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そうは言っても、的確な情報はそう簡単に入手できるものではなく、また、その情報の真偽を見極める難しさがあります。
ならば、どうする・・
正しいと思われる情報も、その内容をよく調べていくと「?」と思うことが浮かび上がってきます。
今回のガザ侵攻の情報でも、そうした「?」が浮かび上がってきます。
その一番の「?」は、アラブ諸国の動向です。
既にイスラエルを承認しているエジプトや承認しようとしていたサウジアラビアは、公式にはイスラエルを非難していますが、非難だけです。
また、トルコ、UAE、ヨルダンなどの中立的な国も、イスラエル非難だけで具体的な行動を取る姿勢は見せていません。
つまり、イスラエルの報復攻撃は行き過ぎとしつつも、「ハマスにも困ったもんだ」が本音なのです。
こうした本音の背景にあるのは、自国政治への跳ね返りの恐れと、先行きの経済に対する不安です。
湾岸諸国の経済を潤してきたオイルマネーの未来は、温暖化阻止という国際的な流れだけでなく、資源枯渇の恐れや代替エネルギー手段の進歩により先細りが確実です。
将来的には、日本などが石油を含めた海底資源の採掘に成功する可能性もあり、湾岸諸国の先行き不安は増大する一方です。
こうした未来を考えると、アラブ諸国は欧米側と事を構えたくはないのです。
イスラエルは中東に位置していますが、外交的には欧米に属していますから、アラブ諸国の多くはイランやシリアなどのような明確な反欧米国家と同じ道は歩めないのです。
もう一つ、日本を含めた先進諸国とアラブ世界とで価値観が大きく異なるのは、人の命の重さです。
先進国では死刑囚の人権すら尊重されますが、アラブ諸国は「すぐに処刑」が当たり前です。
しかし、それを「野蛮だ」とか「人権無視」と非難しても意味はありません。
先進国の国民も、実は知っています。
人権や命が普遍的な価値とはいえず、人の命にも等級があることを。
辛いことですが、紛争や戦争を止めるのは、人権や命の重さではなく「利害の損得だけ」と認識して行動するしかないのです。
「アラブにはアラブの信義や利害」があるのです。
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中国の習近平主席は「中国の夢」という言葉を語りますが、その意識の底には歴史上の3人の皇帝がいると言われています。
その3人とは、初めて中国の統一皇帝となった「秦の始皇帝」、中国の版図を東南アジアにまで広げた「唐の太宗皇帝」、そしてモンゴルやベトナムにまで領土を拡大した「明の永楽帝」です。
歴史上、最大の帝国となった元の創始者「チンギス・ハーン」や清の「乾隆帝」は、そこには含まれません。
なぜなら、彼らは漢民族ではなく異民族だからです。
つまり、習近平主席は、“漢民族”の中国に強くこだわっているのです。
一方、ロシアのプーチン大統領には、3人の歴史上の助言者がいると言われています。
その3人とは、イヴァン雷帝とピョートル大帝、そしてエカテリナ2世です。
歴史に詳しい方でなくても、この3人がロシアの絶頂期の皇帝であることはお分かりと思います。
つまり、中露のお二人は、帝国の領土を拡大した歴史上の「皇帝」と並び立ちたいという共通の気持ちがあるということです。
近代の感覚では、驚くほどの時代錯誤感覚と言わざるを得ません。
しかし冷静に考えてみると、現代でも政治指導者の多くは「偉大な指導者」と言われたいという願望は強いのではないでしょうか。
独裁者はもちろん、民主国家でも大国の指導者ほどその意識が高いように感じます。
また、企業経営者にも、似たような意識があるのではないかと考えるのです。
頻繁に報道に登場する“くせの強い”経営者に、そんな匂いを感じるのは私だけでしょうか。
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でも、彼らの人生が幸せだったとはとても思えないのです。
その心理を一言で言えば「孤独」そのものではないでしょうか。
例えば、ローマ帝国の第5代皇帝ネロは、とんでもない「暴君」として有名です。
私もそのように思っていましたが、近年の文献を読むうち、そうした話の大半は後世の捏造だったことが分かりました。
ローマ市内に火を放ち、宮殿のテラスでその大火を見物しながらワインを飲んだという話も、今では「嘘」と断定されています。
分かってきたのは、恐ろしいほどの孤独感に苛まれていた若き皇帝だったということです。
今のプーチン大統領の心理も非常に不安定な状態にあると思われます。
正しい情報は入らず、誰も信用できず、怯えに近い心理ではないでしょうか。
危惧されるのは、そうした不安定な心理状態から核兵器の使用に踏み切るのではないかということですが、私は、その危険はほとんど無いと思っています。
彼が、先制使用に対する自分への跳ね返りを考え怖くなる程度の小物の独裁者だからです。
仮定の話ですが、歴史上の独裁者が現代にいたら核兵器を使うかもしれません。
でも、現代の独裁者は、肝っ玉の小さい小物ばかりです。
彼らがそんな恐ろしい独裁者でないことは、少しだけ安心材料です。
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その後、中国政府の完全な支配下に置かれた香港政府により逮捕され、その動向は消えました。
その彼女が、突然にカナダに現れ、事実上の亡命を発表しました。
それだけでも驚きですが、香港トップの李家超行政長官が「戻らなければ逃亡犯として“引っ捕らえる”」と、まったく冷静さを欠いた言葉で非難したのは、もっと驚きでした。
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