2025年4月15日号(国際、政治)

2025.04.15


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2025年4月15日号
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発行日:2025年4月15日(火)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2025年4月15日号の目次
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◇トランプ大統領の狙いは中国にある
◇軍事力は必要悪
◇政局の“凪状態”は嵐の前の静けさなのか?
 
http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
かなり前から、本メルマガで、しつこく「2025年が時代の大きな曲がり角」と言ってきました。
いま世界を翻弄しているトランプ台風も、その曲がり角の現象と認識しています。
では、その曲がり角を曲がった先は?
イスラエルの著名な歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、「国際秩序が今、崩壊しつつある」として、「弱肉強食」の時代へ逆戻りすることを危惧しています。
果たして、ハラリ氏が危惧するような世界になっていくのでしょうか。
今号も、この話題から入ります。
 
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┃◇トランプ大統領の狙いは中国にある            ┃
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ハラリ氏は、第2次大戦後に人類が繁栄したのは「強い国が一方的に小さい国を征服してはならないというルール」が作られたからだと言っています。
しかし、ロシアのウクライナ侵略と、強国の力を振り回すトランプ氏の復権によって、このルールが破られつつあるとして、ハラル氏は危機感をあらわにしています。
 
歴史を振り返ると、1930年代の大恐慌時代に米国は高関税による貿易戦争を引き起こし、その結果、世界は大戦へと突入していきました。
その当時との類似性から「世界は第3次大戦に向けた時代に入った」と指摘する評論家もいます。
そうした見方の是非は置くとして、世界が対立の時代の入り口をくぐろうとしていることは事実です。
 
経済の国境を低くすれば経済の流れが活発になり世界経済は発展し、平和になります。
しかしトランプ大統領は、これとは真反対の、とてつもなく高い関税の壁で経済の流れを阻害する政策を推し進めています。
こうした彼の真の狙いはどこにあるのでしょうか。
それは、ずばり中国の覇権を阻止することにあります。
 
近年、世界中に安い中国製品が溢れたことで中国経済は巨大に膨れ上がりました。
その経済力を背景にした軍事力増強で、中国は米国の覇権を脅かすまでになっています。
さらに中国は、自国中心の経済チェーンを全地球的に築き、世界の覇者になる野望を隠そうとしなくなりました。
その中国に欧州や日本がなびいているという現状認識がトランプ大統領にはあります。
だが、ここまで各国と中国の経済的結びつきが強くなった現状を簡単に変えることは難しい。
ゆえに、米国の力がまだ強いうちに、強硬に本丸の中国経済を叩こうとしているのです。
 
そうして世界中に例外なしの高関税を課すとしたトランプ大統領ですが、わずか半日で90日間の関税アップの停止という命令を出しました。
かつ、この停止期間中に各国との個別交渉を行うことを発表しました。
世界全体を相手にするのではなく、各国それぞれと個別にディール(取引)を行って敵と味方をはっきりさせようとの狙いがうかがえます。
しかし、90日間で70カ国との交渉などできるのでしょうか。
おそらく、個別交渉は米国と貿易額の大きな国に限り、後は一律的な関税にするのだと思われます。
 
今回、関税アップの停止対象から中国を外したことからも、中国潰しの目的は明白です。
かつ、最初の交渉相手に日本を選んだのは、中国になびいている今の石破政権に対して脅しを掛け、中国から離反させ、最初の成果にしようとの狙いがあるとみています。
しかし、その最中に自民党の森山幹事長と公明党の斉藤代表が相次いで中国を訪問するわけです。
無策の石破首相を良いことに、親中派勢力が自分の利権を固めておこうとする動きです。
トランプ大統領は怒り心頭でしょうから、米国に行かされる赤沢経済再生担当大臣は、針のむしろに座らせられる役回りで、気の毒なくらいです。
それほど、自公政権は親中派に牛耳られているのでしょうか。
石破首相にリーダーシップがあるのか、はなはだ疑問ですが、今後の事態には要注意です。
次回は、米国と中国、それぞれの今後の戦略を探ってみたいと思います。
 
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┃◇軍事力は必要悪                     ┃
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物騒な表題を掲げましたが、ミクロの世界から考えてみましょう。
読者の皆さんは、個人あるいは家に何か武器を持っておられますか。
包丁のような、いざという場合の武器にはなるが、使う目的が武器ではないものは別です。
 
私の場合でいうと、日本刀を一振り所持しています。
もちろん、武器としての所持ではなく美術工芸品としての所有です。
日本刀は強力な武器にはなりますが、非常の場合でも、とても素人が扱える代物ではありません。
つまり、大半の日本人は武器とは無縁の生活を送っているわけですが、それは、社会が安定している上に警察力による治安の維持が信頼できるからです。
 
しかし、日本のような大国(経済力はもちろん、軍事力でも世界で7位という大国です)が、このように真に平和な社会であることは奇跡といってもよいことです。
米国や中国をはじめ、いくつかの国に行きましたが、小さな国を例外として、日本のように安全を享受できる国は皆無でした。
多くの場合、警戒する意識は一時も抜けませんでした。
外国に行かれた多くの方も同様の意識をお持ちではないかと思います。
「日本に帰ってきて、ホッとした」という話をよく聞きますから。
 
その日本にいると実感が乏しいのですが、例えば、ロシアによる一方的な侵略を受け続けている今のウクライナなどは本当に悲惨です。
「戦争を止めてみせる」と大見えを切ったトランプ大統領は、もう「そんなこと言ったっけ」と言わんばかりの言動で、無責任この上ありません。
せめて、ウクライナへの軍事支援は継続し、ロシアに対する圧力だけでも強化して欲しいものです。
プーチンは、ウクライナを完全に支配下に置くまで戦争を止める気持ちは皆無でしょう。
ということは、ウクライナが戦い抜けるよう軍事支援を強化して戦局をロシアの劣勢に導き、プーチンを失脚させる以外の解決法は無いと思います。
 
平和な日本も、海を挟んだ対岸に目を向ければ、日本を憎悪し敵対する姿勢を隠そうともしない国々に囲まれているわけです。
しかも、いずれも核兵器保有国ばかり。
人類の歴史とは戦争の歴史といっても良いくらい戦争に明け暮れてきました。
しかし、この80年間は、危ない局面は何度かありましたが、大国同士の戦争は起きていません。
その大国同士の戦争を阻止しているのが核兵器の存在であることは、嫌なことですが、無視はできません。
核兵器が、阻止することが極めて難しく、しかも未曽有の破壊をもたらす兵器だからです。
それゆえ、大国に脅かされているが通常武力では対抗できない国は、その侵略を阻止できる唯一の武器が核兵器と考えているのです。
北朝鮮の存在は、そのことを世界に示しているといっても過言ではないでしょう。
 
こんなことを書くと「右寄り」とか「戦争を煽っている」とか言われそうですが、本当はみんな分かっているはずです。
核兵器が廃絶される日は、それ以上の大量破壊兵器が開発される日であることをです。
歴史を顧みるまでもなく、武器は進化を続けて現代に至っています。
古くは最高の武器だった弓矢が使われなくなったのは、鉄砲が発明されたからです。
このように、人類の歴史は武器発展の歴史であり、今、その頂点にある兵器が核兵器なのです。
核兵器廃絶を訴える人々は、今のままでは、やがて核戦争が起き人類は滅亡すると主張しています。
その恐れは十分にありますが、核兵器保有国は減るどころか増えています。
この先に核戦争が起こる可能性はどのくらいあるのか、そして、果たして核兵器を禁止することが出来るのか、
次回、そのことを考えてみたいと思います。
 
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┃◇政局の“凪状態”は嵐の前の静けさなのか?         ┃
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7月28日に参院議員の半分(124議席)が改選を迎えます。
与党は3年前の参院選挙で76議席という大勝を得ています(現在は75)ので、今回は50議席獲得で過半数を維持できる計算です。
さすがに「そのくらいは維持できるだろう」が大方の予想であり、今の政局の凪状態の一因になっていると言われています。
こうした情勢を受け、少々の敗北では石破首相は退陣せず、居座るつもりと思われます。
「衆院選で負け、参院選でも負けた初の首相」と言われてもです。
ゆえに、一部でささやかれている衆参ダブル選挙などの危険な手は打たないと思います。
やれば、自民党が政権の座から滑り落ちるのが、ほぼ確実だからです。
 
しかし、参院選での大敗予想が大きくなってくると石破おろしの声が大きくなるのは当然です。
特に、今回改選となる参院議員にとっては「大敗など冗談じゃない」となり「党を割っても・・」の動きが出る可能性も否定できません。
今のところ、自民党内で目立った動きは見られませんが、これが「嵐の前の静けさ」なのか、それとも何も起きずに、このまま選挙を迎えるのかが気になるところです。
 
ネットの世界では、一部の改選議員が激しく石破政権を批判していますが、地上波や新聞各紙はまったくの無視です。
ただ、国民民主党やれいわ新選組のネット人気は自公を上回る勢いになっていて、オールドマスコミも無視できなくなっているようです。
また、最近の地方選挙においてはネットの影響が無視できない結果が出てきていますが、果たして国政選挙でも同じことが起きるか、そこは注目点です。
 
このようにオールドマスコミは地盤沈下しているが、ネット情報も信じ切れないという不確実性が高まっている現状に、著名な評論家諸氏も自信のある予測ができないようです。
そこで、私自身の心理の変化を客観的な指標として解説してみます。
団塊世代の私は、サラリーマン時代は自民党に投票したことは一度もなく、また野党第一党だった社会党に投票したこともなく、新党ができれば、その党に投票していました。
つまり、既成政党はどれも信用できず、新たな政治を期待して新党にということだったと思います。
 
40代で創業した頃はバブル崩壊で不況が深刻化する時代でした。
苦しい経営が続いたことから、政治に対する考えに変化が生じました。
自身の政治信条は横に置いて「経済を上向かせるためには自民党に投票したほうが良いのでは」の気持ちが生まれました。
一方、そうした自身の投票姿勢に疑念も湧き、選挙のたびに揺れ動いていました。
そうした中、2009年に民主党政権が誕生しました。
当時の民主党には知り合いもいて、中には閣僚になった人もいたことで、一も二もなく民主党に投票しました。
たぶん、私のような考えの人が多かったことが、自民党に代わって民主党政権が誕生したと今でも思っています。
 
しかし、その知り合いの党員が私に言った言葉は衝撃でした。
「残念ですが、この政権は続きません。幹部に経済が分かっている人がほとんどいないんですよ」
その言葉に、政権運営も企業経営も同じなんだなと思いました。
そして、彼の言葉通り、3年余りで民主党政権は崩壊しました。
その後、自民党が(創価学会の集票に期待して)公明党を抱き込み、妙な政権が続いたことで、投票を棄権することが増えました。
今では、経営者として“仕方なく”自民党に投票するか棄権するかの“しょうもない”選択になっています。
政治の不毛は、そこまで深刻化していますが、「国民の義務を果たしていないな」との気持ちもあり、次の参院選は、しっかりと考えて投票をと思い直しています。
さて、どうなりますか。
 
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<編集後記>
トランプ大統領の高関税から始まった米中経済戦争の行方は、145%対125%という根拠も希薄な「バカみたい」な対立になっています。
日本人としては、どっちにも付きたくない心境ですが、独自路線を戦略的に思考し、実行できるだけの政治を持たない現状が悲しく無念でもあります。
 
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