2024年6月15日号(国際、政治)
2024.06.18
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2024年6月15日号
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発行日:2024年6月17日(月)
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2024年6月15日号の目次
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◇自民党総裁選が面白くなる?
◇日本の世界における役割とは?(5)
◇若い人の変化(その4)
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こんにちは、安中眞介です。
配信が2日遅れましたが、今号は国際問題、政治問題をお送りします。
台湾の新総統に民進党の頼清徳(ライチントー)氏が就任しました。
独自路線を貫く姿勢を鮮明にした新政権に対し、中国は台湾全島を囲む軍事演習で露骨な脅しを掛けましたが、何の効果もないセレモニーに終わりました。
習近平政権の戦略思考の浅さだけが目立ちました。
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┃◇自民党総裁選が面白くなる? ┃
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相次ぐ選挙の敗北に、さすがに自民党の議員たちの心理に“さざ波“が立ち始めたようです。
岸田首相は得意(?)と思い込んでいる外交で点を稼ごうと、海外旅行(失礼)ならぬ各国訪問に勤しんでいますが、支持率は下がる一方、ついに20%を切る世論結果も出だして「もう死に体」という声も聞こえます。
それでも、首相には今国会での抜き打ち解散という伝家の宝刀があります。
「不備だらけ」と言われても、政治資金規正法を成立させた上で解散すれば、なんとか政権は維持できると踏んでいるかもしれません。
しかし、サミットでイタリアへ行っている間に、麻生氏が茂木氏と会食を持ったり、菅前首相が萩生田氏や加藤氏と会ったりと、首相の外堀がどんどん埋められているようです。
つまり、今の政局は麻生氏と菅氏が軸になって動かしていると言われています。
お二人は、岸田首相を見限っている様子で、サミット前に首相から持ち掛けられた会食の誘いを断ったとの情報も流れています。
しかし、こうした動きで自民党内がうまく収まるとしても、総選挙の顔となると茂木氏や加藤氏では、まったくインパクトに欠けます。
当選が危ない議員たちからダメ出しが出そうに思うのです。
そうなると、保守派の雄として人気の高市氏や世論調査で常に名前が上がる河野氏や石破氏の芽もあると言えます。
ただ、彼らは常に名前が上がるだけの「候補止まり」の感もあり、一般国民に対するインパクトに欠けるきらいがあります。
総裁選に出馬するには国会議員20名以上の推薦が必要ですが、派閥の大半がなくなった現在、票が読み切れなくなっているようです。
また、マスコミの報道には載りませんが、ネットの世界では40代、50代の若手の名前が上がってきています。
表の報道とネットの世界は、かなり違った様相を見せています。
彼らが20人の推薦人を集められて立候補したなら、今回はともかく、その次の目となるかもしれません。
“ぼろぼろ”になりかけていても、自民党には、まだ上記のような芽があることは確かです。
一方の野党となると、そうした芽すら見出せない状態です。
立憲民主党の泉代表は「政権交代を!」と叫んでいますが、誰も耳を貸さない状態です。
政権交代をした先の青写真の1枚すら出せない政党が野党第一党だという現実が重たいです。
まあ、現在のところは、自民党の総裁選が唯一の劇場ですから、少しでも面白くなれば“いいな”と思うばかりです。
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┃◇日本の世界における役割とは?(5) ┃
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時代劇に興味がない方でも、柳生新陰流の「真剣白刃取り」という技の名前を聞いたことはあるかもしれませんね。
自分の剣は抜かずに相手に対峙し、自分の頭上に振り下ろされてくる相手の剣の白刃部分を両手で合掌するように挟んで止めるという超人技です。
時代劇スターの千葉真一などが演じた柳生十兵衛を思い出す方もいらっしゃると思います。
でも、あのようなシーンは完全な作り物です。
天才剣豪でも「あんなこと出来るはずがない」のです。
(私の知る限りですが・・)
実際は、切りかかってくる相手の剣を横にかわしながら、相手の腕の逆を取り、剣を奪いとるという技です。
それでも、たいした技ですから、よほど肝が据わった剣豪でもなければ、やはり無理ですね。
一方、一刀流の「隅落とし」という奥義は、本当にスゴイ技です。
日本刀の断面を正面から見ると、下から上(峰といいます)に向かって、膨らみがあります。
この膨らみを鎬(しのぎ)と言います。
「しのぎを削る戦い」とは、この鎬同士がぶつかり合うほどの接近した切り合いから生まれた言葉で、究極の接近戦という意味です。
一刀流の達人は、自分と同等かそれ以上の相手と戦う時、自分の剣を下段に構えます。
すると、自分の頭上は無防備に空きます。
相手が、その頭上めがけて、一気に剣を振り下ろしてきます。
それに呼応した達人は、下段に構えた自分の剣をただ真っすぐに上に上げます。
その時、振り下ろしてくる相手の剣筋からほんの僅かにずらした軌道で上げるのです。
すると、互いの剣の鎬(しのぎ)が触れ合うことで、頭上めがけて振り下ろしてくる相手の剣の軌道が放物線を描いてずれ、自分の体に触れるギリギリで下に落ちます。
逆に自分の剣は、相手の頭上に上がります。
そこで「勝負あった」です。
これは本当に存在した技で、一番優れた弟子だけが伝承してきた奥義です。
他の流派にも似たような奥義が伝えられていますが、共通項は、いずれの技も「相手が攻めてこない限り使えない」という究極の「専守防衛」の技なのです。
ただし、相手が攻撃してきた場合には必殺の技となり、戦いを続ければ確実に相手は死にます。
さて、日本防衛の奥義とはなんでしょうか。
憲法9条を、こうした奥義に進化させることは可能なのでしょうか。
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┃◇若い人の変化(その4) ┃
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今年のイタリアで開かれたG7サミットでは2人の女性首脳が際立っていました。
一人は開催国イタリアのメローニ首相、もう一人はEUのフォンデアライエン委員長です。
他の首脳が全員男性だったこともあり、ことさら目立っていたように感じました。
お二人は、今は若者という年齢ではないが、その存在感は若い頃からの強い意志と行動力によって培われたもので、「かっこいいな」と思います。
世界を見渡すと、民主国家と独裁国家の顕著な違いは女性の存在感にあります。
欧州では、もはや女性首脳は珍しいことではありませんが、中国やロシア、イスラム教の各国などにおける存在感はほぼゼロ状態です。
米国は、8年前の大統領選でトランプ氏に敗れたヒラリークリントン氏が「まだガラスの天井がある」と敗戦の弁で述べましたが、その天井が敗れる日は、次の4年後に来る可能性があります。
「日本は?」ですか・・、秋の自民党総裁選で「もしかしたら・・」を期待しましょうか。
話を若者に戻しますが、若い女性のリベラル化の傾向が強まる一方、若い男性は保守化の傾向を示しているといわれます。
フィナンシャル・タイムズの記事にありましたが、こうした男女の違いが克明になった転換点は2015年のMeToo運動からだということです。
男女の体力差から、暴力的な場面においては、女性はどうしても被害者になる傾向が強くなります。
男性同士の暴力沙汰においても、女性的な男性は被害者となる確率が強くなってしまいます。
被害者という点においては同じ立場なのですが、その後の行動において、2015年から男女の違いが鮮明になってきたと、記事にはありました。
具体的には、被害を受けた若い男性は黙るか、せいぜい「ひどい目にあった」と親しい者に語るにとどまっていました。
しかし、女性はMeToo運動のように「連帯して語る」ようになってきたというのです。
かつては、「自分は“恥ずかしい”存在だ」という被害者の殻に閉じこもっていたのが、他の女性たちと積極的に連帯し、その後押しで被害を語るようになってきたということだと記事は書いています。
こうした時代の変化から考えると、2026年から先の世界のトレンドが見えてくるように思います。
孤独に陥りがちな男性より、結束する傾向の強い女性のほうにリーダーシップが移っていくという世界です。
もちろん、単純に女性優位の世界になるという意味ではありません。
女性的な感性を持ち合わせた男性も、この範疇に入るでしょう。
男性は、年齢が高くなるほど、MeToo運動のような女性の連帯感を苦々しく見ているように思われます。
これまで長く続いた男性優位の社会通念から抜け出ることは、年配者ほど難しいでしょう。
私も同様の年齢なので、その難しさ、やるせなさは分かります。
また、輝かしい過去を持つ男性ほど、そのノスタルジアに浸っていたいのだと思います。
しかし、そんなものを捨てたほうが楽になれるのです。
捨てられないのであれば、自分だけのゲームにすればよいのです。
私は、時折、過去の栄光(?)ある自分にタイムスリップする心理ゲームを楽しんでいます。
そこでは、決して一番になれなかった自分ではなく、栄光に輝く自分を楽しんでいます(笑)。
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<編集後記>
少年易老学難成
一寸光陰不可軽
未覚池塘春草夢
階前五葉巳秋声
上記の漢詩「偶成」の、あまりにも有名な第一節「少年老いやすく学成り難し」を「人間はすぐに老いてしまうのだから、早く勉強しろ」というように解釈するのは間違いだと、前回述べました。
その続きです。
第二節以降は「ほんの僅かな時間も軽く考えてはいかん。小さな池のほとりで春の草にまどろんでいるうちに、すでに枯れ葉舞う秋になっているではないか・・」という意味です。
この詩は、若者への戒めではなく、作者の朱喜自身のことを語っているのです。
「若いと思っているうちに、あっという間に人生の黄昏の年になってしまった。それなのに、自分の学問は一向に進歩していない。焦るな~」という嘆きなのです。
今の私も同じ心境で、焦っています。
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