2024年9月15日号(国際、政治)

2024.09.17


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2024年9月15日号
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発行日:2024年9月15日(日)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2024年9月15日号の目次
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◇自民党総裁選が始まった
◇福島第一原発の廃炉は出来るのか?
◇今の共産中国は昔からの中国ではない
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
兵庫の斎藤知事は県議全員が辞職を求めても「自分を支持する県民がいる」と抗弁していますが、
こうした錯覚を生む選挙民の浅い意識とマスコミの無責任な煽りが最近の選挙に多く見受けられます。
渦中の自民党の総裁選でも、「若いから・・」とか、「高学歴・・」、はては「イケメンだから」と、意味のない言葉が聞こえてきます。
自民党の国会議員ならびに党員の方々には、この国の未来を考えての投票をお願いします。
 
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┃◇自民党総裁選が始まった                 ┃
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自民党の総裁選が「雨後の筍」状態になっています。
最終的に20人の推薦人を集められたのは9人になりましたが、手を挙げた人は12人いました。
ここからどのような展開になるかを明確に言い切るマスコミも評論家もいません。
そこで、私の勝手な見解を以下に述べます。
 
万年候補の石破茂は「最後のチャンス」でしょうが、どうにも「人気が一番」が信じられません。
高市早苗は「今度こそ」の思いが伝わってきますが、好き嫌いがはっきりすることがどう出るか。
現幹事長の茂木繁允は、国民の人気はゼロ状態ですが、党内選挙なら「オレは強い」と思っているようです。
 
各種調査で有力と言われる小泉進次郎ですが、戦前から続く世襲中の世襲議員で、なんの苦労もせずに今の位置にいるだけです。
やったことは、環境大臣の時の「レジ袋の有料化」ぐらいしか思い浮かびません。
もっともコンビニでレジ袋代を払うたびに彼の顔が浮かびますから、それが吉か凶かは・・はて。
最年少候補は進次郎に奪われましたが、1974年生まれ(49歳)の小林鷹之は、マスコミが付けた「コバホーク」というあだ名と輝くばかりの高学歴、高キャリアで若者の一定の支持を得ていますが、逆に平均年齢層の高い国会議員票は厳しそうです。
 
序盤は鼻息が荒かった河野太郎は、完全に失速気味で、急速に影が薄くなっています。
上川陽子外務大臣は9人の中に滑り込みましたが、これまで自分の意志による確たる発言もなく“今さら感”満載でダメでしょう。
加藤勝信元官房長官は、「名前は知ってはいるが・・」で存在感は薄く、林芳正官房長官は「親中派」のレッテルが強く、望んでいるのは地元と中国だけでしょう。
これで9人かな?
 
結局、断トツの候補は不在で、どの二人が2回目の決選投票に望むかですが、石破、高市、小泉が有力になっています。
通常の総裁選であれば、派閥の力学で決まってしまう「コップの中」の選挙ですが、確実視される総選挙で苦戦が予想される中では、各議員の関心は「自分の当選可否」に集中しています。
有力議員はともかく、陣笠クラスの議員が「自分の選挙で勝てる総裁」を切望するのは当然です。
 
評論家諸氏にとってはネタに事欠かないわけですが、予想となると確実なことは誰も言えないようです。
私も同様で、以下のような「・・であれば」の条件付きで予想すると、
「マスコミの世論調査によれば」が本当ならば、石破茂
「派閥力学がまだ効いているならば」、茂木繁允か加藤勝信
「対中強硬派で女性初の総裁・首相ならば」、高市早苗
「若手で知名度ならば」、小泉進次郎
 
ところで、マスコミが無視する中で早くから立候補を表明してきた青山繁晴ですが、推薦人が15人止まりだったことで立候補を断念し、政治信条が近い高市早苗を支持するのではと思われています。
この影響がどう響くかにも注目しています。
 
<米国大統領選挙>
世界を考えれば自民党総裁選より遥かに影響力の大きい米国大統領選ですが、こちらも混迷の度合いを深めています。
9月10日の2人だけの公開討論の評価は、63%対37%でハリス優勢となっています。
もっとも、ハリスに決定的といえる強みがなく、実態は僅差といって良いでしょう。
予想されたことですが、人気歌手のテイラー・スウィフトがハリス支持を表明しました。
さて、これで若者の支持が大きく動くかにも注目です。
 
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┃◇福島第一原発の廃炉は出来るのか?            ┃
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福島第一原発の廃炉に向けての第一歩である「燃料デブリの取り出し」ですが、第1回の取り組みは、炉心からデブリの一部を取り出す配管の不備という初歩的ミスで見送りとなりました。
当然、世論の非難が殺到しました。
たしかに、あまりにも初歩的なミスですが、中止したことは評価されるべきと考えます。
そもそも、事故で溶融した燃料デブリを取り出すという前代未聞の取り組みです。
臆病なほどの慎重さが何よりも大切です。
 
4月14日に公開された1号機の原子炉土台の映像を詳しく何度も見ました。
水中ロボットによる撮影映像は想像したより鮮明で、現在の様子がよくわかりました。
格納容器の土台のほぼ全周でコンクリートが損傷し、鉄筋が露出していました。
私は、かつて、防護服に全面マスクの格好でこの場所に立ち残留放射性物質の調査を行っていました。
もちろん、燃料棒を取り出した後ですが、数分でアラームがけたたましく鳴り出しました。
いま現在、この同じ場所に同じ格好で立ったとしたら、1秒で致死量の放射線を浴び、その後数時間で死に至ることでしょう。
そのことを考えただけで息苦しくなるほどの緊張を映像から感じました。
格納容器の外からの遠隔操縦とはいえ、すぐ近くで作業する方々の緊張はその数倍でしょう。
マスコミも世論も、作業ミスを責めるのではなく、成功を願い、作業チームの安全をサポートすべきと考えます。
 
このデブリの取り出しが成功しても、その後の作業は数十年と続きます。
無事廃炉にこぎつけるのは、来世紀になってしまうかもしれません。
それでも、この成功は、人類に計り知れない恩恵をもたらすことは確実です。
 
2021年度末のデータですが、世界で稼働中の原発は436基、停止が10基、新たな稼働が6基、建設中が10基ということです。
最近、小型原発が開発されたこともあって、今後は増えていくと思われます。
ということは、停止する原発がどんどん増えていくわけですが、これまで廃炉まで至った例は僅かしかありません。
福島第一と同じように事故を起こしたチェルノブイリ原発は、「石棺」と呼ばれるようにコンクリートで固めてお墓のようになっていますが、残留放射線の影響で、コンクリートが脆くなっているとの報道があります。
 
日本は、どれほどの年月がかかっても、福島第一の廃炉を完了させるべきです。
そして、その技術と経験を、これから世界各地で起きる廃炉や事故の終息に生かすべきです。
唯一の原爆被害国である日本の使命ともいえることです。
福島第一原発で放射線を浴びながら仕事をしてきた一員として、そのことを強く願います。
残念ながら、生きてその日を迎えることはないでしょうが・・
 
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┃◇今の共産中国は昔からの中国ではない           ┃
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中国は、歴史授業で学んだように1400年前の昔から日本と関係が深い国でした。
しかし、現代ではまったく学べることのない異質な国になってしまいました。
 
最初に歴史の概説から入ります。
中国共産党が国民党を台湾に追い込み、中華人民共和国を建国したのは1949年10月1日です。
つまり、共産中国は、建国から僅か75年の若い国です。
第二次大戦後に独立した東南アジアやアフリカ諸国と同じ程度の歴史の浅い国なのです。
 
それでも、中国国民の多くは、「4000年の歴史ある国だ」と胸を張ります。
たしかに、歴史学上、確認されている最古の王朝の「殷」の建国から数えると3600年ぐらいの歴史はあります。
しかし、最初の統一王朝の秦から最後の「清」まで主な王朝だけで16の王朝が入れ替わっています。
曲がりなりにも一つの王朝が1500年ぐらい続いている日本とは、そこが違います。
 
最後の王朝「清」の後の1912年に、日本を拠点に活動していた孫文等が「中華民国」を建国しました。
中華民国は中国初の民主主義国家でしたが、孫文の後に権力を掌握した蒋介石率いる国民党は、日本との日中戦争で疲弊し、戦後の国共内戦で共産党に敗北し、台湾に逃れたわけです。
その結果、大陸の民主主義は消え、共産党による一党独裁の国となり、現在に至っています。
 
長々と小学校の歴史の時間のような前段ですみません。
つまり、3600年の歴史を自慢する中国ですが、主な王朝だけでも16~20回も変わり、
一瞬だけ民主主義国家になりましたが、結局、一党独裁の疑似的な王朝国家に戻ってしまったというわけです。
ゆえに、台湾は中華民国という民主主義の独立国家であり、共産中国の一部ではありません。
欧米や日本が「一つの中国」を認めたのは、認めることで中国がいずれ民主主義国家になると思ったからです。
残念ながら、その思惑は空振りに終わり、今の中国は、アジアはおろか西太平洋全域を支配する一大独裁国家になろうとする野望の国になってしまいました。
 
そうした政治形態とは別に、中国人の根底の意識は大昔から変わっていないのかなと思うことがあります。
中国で人気の歴史ドラマをネットで観ると(もちろん日本語版で)、その国民性の一端が見えてきます。
神がかり的な能力を持つ超人たちが派手に跋扈(ばっこ)するドラマが大人気です。
(見え見えなワイヤーアクションに食傷気味になりますが・・)
こうした「超人能力」を、政治指導者にも求める国民意識があるようです。
どの国にも似たような意識を持つ国民が一定数いて、そうした政治勢力が台頭することがありますが、民主主義国家では、その是正ができます。
しかし、中国のような独裁国家では、その選択の間違いを正す手段が“暴力”しかありません。
ロシアのように表面だけ民主主義の仮面を被っても、選挙では対立候補を殺害したり、でっち上げの罪で牢獄送りする国も同様です。
その意味で、旧統一教会問題の闇を明るみに出したとはいえ、安倍元首相を暗殺した犯人を英雄視してはならないのです。
それが民主主義国家の矜持(きょうじ)です。
 
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<編集後記>
マスコミが菅義則前首相をキングメーカーのように面白おかしく評していますが、本人の肉声がまったく聞こえない現実に、マスコミ・ファンタジーと思ったほうが良いようです。
マスコミには「いい加減にしろ」と言いたいですね。
 
 
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