2019年8月15日号(国際、政治)
2019.08.19
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2019年8月15日号
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発行日:2019年8月15日(木)
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2019年8月15日号の目次
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★韓国民が理解していないこと
◇北東アジアの軍事動静
★米中の激突
★核なき世界は来ない
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
官民が一体となった韓国の反日運動ですが、どうも韓国側の一人芝居のようになってきました。
日本のネットでは嫌韓発言が散見されますが、多くの日本国民は「やれやれ」という呆れの反応しかないようです。
そして、静かに韓国から距離を取っていくことになるでしょう。
今の文政権に人材と呼べる幹部はいません。
与党幹部の50人以上の愛車は日本製という笑えない話もあります。
来年4月の韓国総選挙でどのような結果が出るかに注目です。
その頃に韓国経済がどうなっているかが大きなポイントです。
そこで、韓国民が冷静になることを期待しますが、どうでしょうか。
今号は、韓国問題から入ります。
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┃★韓国民が理解していないこと ┃
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日本政府は関係ないという姿勢を貫いていますが、ことの発端が韓国大法院の、いわゆる徴用工判決にあることは誰もが知る通りです。
大法院は、1965年の日韓請求権協定を認めながら、同協定は「過去の不法な植民地支配の非を認めなかったので、その不法性に対する賠償権はある」との判決を下しました。
しかし、個々の原告が法律上の証拠を示せない(つまり、強制連行や賃金不払いの証拠が無い)ので、賠償権に代わるものとして「精神的な慰謝料を払え」という、法治国家ではあり得ない、苦し紛れの判決を出したのです。
そもそも、どう解釈したところで、1910年の日韓併合を違法というのには無理があります。
1910年当時は、欧米列強による植民地争奪戦の時代です。
植民地を違法とする法律などは、どの国にも、また国際法としても存在していません。
なのに、韓国は、日本による朝鮮併合だけを国際法違反だと主張しているのです。
しかも、この併合は、朝鮮(当時は大韓帝国)との正式条約であり、英米や欧州各国も認めた中で決まったものです。
韓国が主張する武力による「強制占領」は、完全なるフィクションです。
しかし、こうした事実を突き付けても、多くの韓国民は理解しようとしません。
「実際に植民地支配したのに、なぜ、日本は大法院判決を認めないのだ」としか考えないのです。
万が一、このような判決を日本が認めたら、韓国民すべてが日本に賠償を求めることが可能になってしまいます。
それは日本という国が破産することを意味します。
だから、日本は、このような無茶な判決に怒っているのです。
しかし、この日本国民の怒りを、韓国民は理解できないのです。
「法治は、正義の感情より上位にある」という近代国家の概念を理解しない限り、韓国との付き合いは、今回のように強硬な力を行使するしかなくなります。
日本側にも責任があります。
歴代政権が、要求すべきは要求し、拒否すべきは拒否するという「まっとうな外交」をしてこなかったツケが、これだけ大きくなったのです。
今でも、日本の一部政治家やマスコミが日本の譲歩を言い出していますが、それでは「いつもの結果」にしかなりません。
粘り強く丁寧に、国際世論への説明を続けていくことに尽きます。
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┃◇北東アジアの軍事動静 ┃
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トランプ米大統領の奔放な発言に世界中が振り回されています。
金正恩からの手紙を称賛する姿には、感情的な表現で申し訳ありませんが、吐き気すら催します。
例えば、以下の発言です。
「もう一度言うが、核実験は行われていない。行われたミサイル試験はすべて短距離だった。弾道ミサイルや長距離ミサイルの試験は行われていない」。
呆れる発言ですが、大統領執務室で、「同盟国の危機? そんなこと知るか!」と喚く姿が目に浮かびます。
安倍首相とトランプ大統領の仲の良さなどは、幻想に過ぎません。
日本をどう利用するかは考えていても、日本のことなど念頭には無いでしょう。
これが大国アメリカの大統領の言うことかと呆れますが、感情を抑えて、この言葉の裏側を探ることが大事です。
まず、こうした姿勢はトランプ大統領だけの思考ではないことを、我々は認識する必要があります。
米国人の多くは、海外のことには無知で関心もありません。
もちろん、日本のことなど頭の片隅にも無いでしょう。
こうした国に日本の安全を託している現状の危うさを考えるべきです。
日本は「米国に守ってもらっている」という幻想から脱し、「自国の安全は自国の手で確保する」という、国家として当然の道を歩んでいく分岐路に立っていることを自覚すべきです。
そうした冷徹な目で北東アジア情勢を眺めることが必要です。
今の米国のアジア戦略の核心が対中国にあることは、誰が見ても明白です。
ならば、日本は米国一辺倒になるのではなく、中国とも冷静に付き合うべきと考えます。
しかし、それは、中国と仲良くするのとは違います。
外交や軍事において、中国と対等の関係で付き合うという意味です。
もちろん、日本の国力で米中という大国に単独で対抗できるわけはありません。
ゆえに、インド太平洋構想に積極的に加わることが、これからの安保戦略の要となります。
インドや東南アジア諸国、オセアニア諸国との安保連携を強固にしていき、その中で米国との付き合いを再構築するのです。
かつ、中国とのあらゆるチャンネルを強化し、戦争の危機を可能な限り軽減していくべきです。
機密漏えいを防げる範囲での軍事交流も続けるべきでしょう。
まさに、孫子の言う「我を知り、彼を知らば・・」です。
その中で肝心なのは、日本自体の防衛力の強化です。
F-35の大量導入や「いずも」の空母化は、半島と中国以外のアジア諸国からは期待されています。
実際、インド版の「インターナショナル・ビジネス・タイムズ」は、F-35等による日本の防衛力強化を、「中国の顕著な軍拡主義と包囲網の圧力にさらされているインドの恩恵になる」と書いています。
今より強化した軍事力を背景にしない限り、中国は日本とのまともな対話に応じないでしょう。
武器を持たない平和主義は理想ですが、軍事国家相手には通用しません。
アジア太平洋の平和には、日本の軍事力の整備が欠かせないピースなのです。
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┃★米中の激突 ┃
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中国の習近平主席は、2021年7月1日の中国共産党100周年という節目に、毛沢東と並ぶ終身国家主席を宣言するという野望を抱いている。
そのために、どうしても必要と本気で考えているのが台湾統一である。
習主席は、共産中国の建国の父である毛沢東を敬愛してやまないと言われている。
その毛沢東と並んで、中華民族の歴史に名を残す指導者になる道が「大中華の再建」であり、台湾統一は欠かせないピースなのである。
しかし、台湾は自由な民主国家であり、共産党一党独裁の中国に組み入れられることを、台湾の人々は望んでいない。
それを見越して、中国は「武力統一を排除しない」という暴力団まがいの脅しで台湾を脅迫している。
中国が台湾という不沈空母を手に入れれば、米国のアジア戦略は根本から崩れ去る。
つまり、米中対決の真の決戦場は、台湾ということになる。
中国が尖閣諸島を狙うのも、尖閣を押さえれば、台湾の背後を抑えることになるからである。
日韓問題の影に隠れているが、中国海警による尖閣の領海侵犯は状態化している。
海上自衛隊の投入も辞さずという姿勢を見せることが大事である。
トランプ大統領は、中距離弾道ミサイルの全面破棄条約であるINF条約を破棄した。
表向きは「ロシアがINF条約に背いて、密かに中距離弾道ミサイルを開発している」という理由だが、この条約に縛られない中国が、野放しに中距離核ミサイルを量産していることへの危機感(というより焦り)が一番大きい。
日韓を相次いで訪れた米国国防省のエスパー長官は、「われわれの本当の敵、長期的な敵は、北朝鮮ではなく中国だ。現在、中国は一方的に在日、在韓アメリカ軍基地などに照準を定めた弾道ミサイルを配備しており、これに対抗していかねばならない」と明言し、中国への危機感をあらわにした。
中距離弾道ミサイルに関しては、圧倒的に中国が優勢であり、日本、韓国、台湾は無防備状態といってもよい。
頼みの米軍も、IMF条約に縛られて中距離弾道ミサイルは皆無である。
また、中国と違って、これら三国は、政府の命令一つでミサイル網の配備など出来ない国々である。
日本では、防衛用のイージス・アショアさえ、候補地の反対運動により、具体的な配備計画が決まらない状態である。
中国を攻撃できる中距離弾道ミサイルの配備などは、言うことすら出来ない。
しかし、ことミサイル配備に関する日中の差は天文学的に開いてしまっている。
いったい、何百発の核ミサイルが日本各地に照準を合わせて配備されているかを考えるとゾッとする。
台湾を巡って、米中の軍事衝突が起こった場合、後方基地である日本に向かって、これらのミサイルが放たれる危険性は高いが、どうしようも無いのが現実である。
現実論としては、米国の中距離ミサイル配備に期待するしか無いのであるが、それもまた、後世に禍根を残す結果となりかねない。
中国の軍事的脅威に対する真剣な討議を国会に期待したいが・・それも望み薄?
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┃★核なき世界は来ない ┃
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2017年7月に核兵器の開発、所有、使用などあらゆる活動を禁じた核兵器禁止条約が国連で採択され、それから2年が過ぎたが、署名・批准は足踏み状態である。
核兵器保有国が1国も批准しない条約には有効性がないとして、日本も批准していない。
今年の広島、長崎の式典でも、市長や被爆者は強い言葉で安倍首相に批准を迫ったが、首相は「保有国と非保有国の橋渡しに務め、粘り強く努力する」との従来の説明に終始する姿勢を崩さなかった。
こうした安倍首相の姿勢を非難する声は多いが、核廃絶を首相に迫ったところで効果は無い。
被爆者は高齢化し、やがて一人もいなくなる。
なのに、核廃絶の思いが伝わらないとの焦燥感が募る気持ちは理解できるが、感情で動かせるものではない。
また、「唯一の被爆国の日本が批准すれば、核保有国も・・」という考えも「甘い」としか言いようがない。
このように書くと、「おまえは何という冷たい人間なのだ」とお叱りを受けるかもしれないが、以下の現実を知って、考えて欲しい。
毎年8月にジュネーブで軍縮会議が開かれている。
この会議に、2014年から日本の高校生平和大使が参加し、核兵器廃絶を世界に訴えるスピーチをしてきた。
ところが、今年は、日本政府に圧力がかかり、スピーチは中止になった。
圧力を掛けてきた国は中国である。
「日本だけが第2次大戦の被害を強調することはどうなのか」というクレームがあったという。
今年の早い段階から、様々な場で「高校生のスピーチはやめていただきたい」、「高校生を政府代表団に含めるのは問題がある」と、日本政府に執拗に迫ってきたとのことである。
日本側は「被爆体験を語り継ぐためにも理解を」と説得したが、中国の軍縮大使は「スピーチを強行するなら、軍縮会議の規則違反の異議申し立てをするかもしれない」と脅してきた。
中国に同調するよう他国への働きかけの恐れも出てきたので、日本政府は断念したということである。
これが世界の現実である。
日本政府は努力しているが、核廃絶は絶望的な彼方にある。
単なる宣言や拘束なき条約などで、核兵器はなくならないのである。
世界は、オバマ前大統領のプラハでの「核なき世界」のスピーチに感動したが、結局、同大統領がノーベル平和賞を取っただけで終わってしまった。
「あのスピーチは、何だったんだ」と言いたい人は多いと思う。
高尚な演説より、現実を踏まえての小さな実行である。
まずは、核保有国は、非核保有国に対し「核兵器を使用しない、および脅しに使わない」という義務を負わせる国際条約が必要である。----------------------------------------------------------------------
<編集後記>
トランプ大統領は安倍首相に「神風のパイロットは(攻撃前に)酒や薬物で酔っていたのか」と尋ね、安倍首相は「違う。彼らはただ祖国を愛していただけだ」と答えたという記事を読みました。
安倍首相は、続けて「燃料タンクを半分だけ満たした飛行機に乗って祖国に対する愛で飛んで行くことを想像してみなさい」と話したという。
この話をトランプ大統領がツイッターで話したことに対し、ある米国シンクタンクに所属する博士は、韓国紙に「自身の祖国を攻撃した神風特攻隊をこのような形で美化するとは信じられない」と批判した。
立場が違う者の理解を得ることは、絶望的に難しいものです。
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