2020年6月15日号(国際、政治)
2020.06.16
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2020年6月15日号
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発行日:2020年6月15日(月)
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2020年6月15日号の目次
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★韓国は狂ってしまったのか?
★独裁国家の強み(後半)
☆台湾の存在感
◇抑止力という名の軍事力(2)
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
まだ分かりませんが、米国の次期大統領がバイデン氏となる可能性が高まってきています。
ただ、トランプ大統領が勝手にコケて、バイデン氏の支持率が上がっているだけなので、11月の選挙まで二転三転があるかもしれません。
仮にバイデン氏が勝利したとしても、77歳という年齢を考えると1期4年で終わる公算が大です。
そうなると、4年後は若手同士の大統領選となるのではないでしょうか。
個人的な願望ですが、日本もそうなって欲しいと思う日々です。
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┃★韓国は狂ってしまったのか? ┃
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「やはり」というべきか、韓国の文政権は常軌を逸してきました。
あれほど持ち上げてきた元慰安婦の女性を、一転してボケ老人扱いする姿は醜い限りです。
コロナウィルス対策を自画自賛していましたが、慰安婦問題の虚構の一端があぶり出されてきて右往左往です。
学生運動や労働運動出身の偏った思想の持ち主が政権の中枢を占めているのですから当然の姿といえます。
このような政党に絶対多数を与えてしまったことを韓国民はどう思っているのでしょうか。
日本による半導体材料の輸出許可の厳格化に対しても、「5月末で解除」などと手前勝手に主張し、日本が動かないとWTOへの提訴とGSOMIAの破棄というワンパターンの芸の無さです。
その幼稚さに呆れるばかりですが、どうやら韓国がこだわっているのは、半導体材料より「ホワイト国への復帰」のようです。
半導体材料は許可を取ればOKなので、実際は輸出されていて、実害はほとんどありません。
それを韓国は「自国で調達できている」と強弁しています。
しかし、ホワイト国の問題は、貿易全体に影響します。
このままでいると、韓国は常に日本の貿易規制に怯えることとなります。
ホワイト国に戻れないことで、反日も「おっかなびっくり」状態が続いてしまうのです。
そうなると、国民の不満を反日に向けることにも「へっぴり腰」になってしまいます。
元徴用工問題の現金化に着手できないのも、こうした日本の反撃が怖いからです。
だから、幼稚な外交手段で日本が門戸を開いてくれるのを待つしかないのが実態です。
もっとも、破れかぶれになって現金化を実行する可能性はあります。
そうなったら、日本はただちに金融制裁を含む全面的な制裁を課すだけです。
その意思が強いことを、公式、非公式に伝え続けることです。
また、最近の北朝鮮の異様に見える言動は、「韓国は頼りにならん」とのメッセージだと受け止めるべきでしょう。
北朝鮮は追い詰められています。
その突破口を韓国に求めているのですが、言葉だけで動けない韓国に不満は頂点にきています。
金正恩の妹の咆哮は文大統領に向けられたものです。
「てめえ、あん時の約束を果たせよ」・・とです。
韓国民は、こうした現状を冷静に自覚し、感情ではなく理性で政治を動かすことを学ばなければなりません。
まあ、日本も偉そうなことは言えませんが、それでも国民は安倍劇場の舞台裏に気付いてきています。
その点は、韓国よりはマシかもしれません。
もっとも次の政権がどうなるかですが・・
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┃★独裁国家の強み(後半) ┃
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中国が野望をむき出しにしてきました。
英国との約束に我慢ができずに香港の民主主義を強引に潰しにかかりました。
台湾については、平和の衣を脱ぎ捨て武力行使に出る構えを見せています。
日本に対しても、習近平主席の訪日が怪しくなったことで、猫なで声を捨て恫喝的な言動を見せ始めてきました。
米国との本格衝突さえ怖くないと強行一辺倒の姿勢には要注意です。
西側諸国が、経済的に豊かになれば中国は民主化へ進むと考え、技術移転や工場建設などを進めてきたことが、完全に裏目になったといえます。
爆買いの恩恵に酔った欧米日は、中国の本質を見誤ってきました。
消費者たる国民の自由な消費に任せるよりも、国有企業を中心とする企業に資金を回し、投資、雇用などを政府がコントロールするという国家資本主義が、現代中国の真の姿です。
そうした中国共産党の中央集権的な発想と政策手法は、近年、ますます独裁色を強めてきました。
戦後、米国が主導してきた「リベラルな国際秩序」の最大の受益者となった中国は民主化へは向かわず、その経済力を強大な独裁政治力および軍事力に変え、世界の覇権を握る野望を隠そうとはしなくなったわけです。
欧米が抱いた幻想が間違っていたと認めるしかありません。
ただ、その幻想を中国のせいにすることは間違っています。
1945年、欧米連合国は「悪」と呼んだ日独の枢軸国に勝利し、リベラルな国際秩序を確立したと自負してきました。
そうして、国際連合、WTO(世界貿易機関)、EU(欧州連合)などの自由なグローバル経済を築き上げ、金融、資本、生産物、そして人が自由に行き交う平和でリベラルな世界を作り上げたと喧伝してきました。
唯一の例外は、旧ソ連を中心とした共産主義陣営でしたが、ソ連の崩壊で自由主義陣営の最終的な勝利が成ったとする「安直な」歴史理論が出来上がったのです。
そうした欧米の思い上がりを利用して一気に強国化したのが中国です。
ダボス会議で中国の習近平主席は、リベラルな国際秩序をたたえ、自由貿易や資本の自由な移動の大切さを、これでもかとばかり強調していました。
TV画面に映るこの光景は、私には悪夢としか思えませんでした。
だって、リベラルな国際経済の最大の受益者が、一党独裁国家という、およそリベラルではない政治形態の中華人民共和国なのですから。
つまり、戦後「善」とされてきたリベラルでグローバルな国際秩序は、独裁国家にとっては好都合な欠陥品だったということです。
同じような独裁国家だったソ連の失敗は、経済力に見合わない軍事力で米国に挑戦したことでした。
これを教訓に、中国の指導者は「爪を隠す」戦術で巧みに、この国際秩序を利用してきたのです。
しかし、隠すことに我慢しきれなくなった今の中国は、その爪をむき出しにしてきました。
この豹変は、「トランプ米国大統領は軍事力行使には臆病だ」と踏んだことが理由です。
こうした中国の最大の標的は、実は日本です。
さて、憲法9条という歯止めを掛けられている日本は、どうすべきなのでしょうか。
それは「抑止力という名の軍事力」の項で解説していきます。
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┃☆台湾の存在感 ┃
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香港問題とコロナウィルス禍が台湾の存在感を大きくさせてきています。
こうした国際機運を背景に、台湾の蔡英文総統は、台湾独立への意思を鮮明にしてきました。
そして、親中派で知られる高雄市の韓国瑜(ハングオユー)市長をリコールで罷免するという驚く手を繰り出してきました。
中国による強引な締め付けで危機に瀕すると見られている香港の金融センターとしての地位をあわよくば手に入れようと、香港からの移住に門戸を広げました。
もちろん怒り心頭の中国は、軍事攻撃も辞さずとばかり、軍事的圧力を強めています。
台湾の人口は2350万人(韓国の半分くらい)ですから、決して小国ではありません。
しかし、14億人の中国とは比べるべくもありません。
中国がその気になれば、あっという間に軍事占領されるだろうと言われています。
しかし、中国が「台湾は中国の一部だから、国内紛争だ」と言っても、後ろにいる米国の動向は無視できません。
また、後方基地となる日本の米軍基地や日本を母港とする空母艦隊の存在も無視はできません。
さらに、日本自体が台湾防護に加担する可能性も捨てきれず、台湾侵攻の具体的戦略が描ききれないのです。
米国と台湾は、公式には国交が存在しません。
しかし、米国の窓口機関であるAIT(在台米国協会)の代表は、事実上の駐台大使に相当します。
2018年に完成した同協会の新庁舎は、1.5万平方キロの広さを持ち、駐在武官までいるといわれている、事実上の大使館です。
訪問した人が「要塞のような」と表現するくらいの威容です。
中国の怒りと焦りが中途半端ではないことは、容易に想定される事態です。
尖閣諸島への中国の挑発がエスカレートしてきているのは、尖閣を奪取できれば、台湾を背後からも攻撃できるという戦術面の利点と、日本に「介入するな」という脅しの両面があるのです。
一方の台湾にとっても日本の存在は大切です。
一昨年、台湾を訪れた岸信夫衆議院議員(安倍首相の実弟)を、蔡英文総統が永和寓所(ちゅうこう ぐうしょ)に招きました。
ここは、日本でいえば「総理公邸」に相当する場所で、いわば総統の公的な住まいです。
首相の実弟とはいえ、一国会議員です。
台湾が、どれほど日本を重要視しているかの現れです。
日本を巡っての中台の綱引きは、今後ますます激化してくるのは確実です。
日本外交の力量が試されるところです。
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┃◇抑止力という名の軍事力(2) ┃
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日本の防衛は、大きな曲がり角に来ています。
野党や平和団体は「憲法9条を守れ」と声高に叫んでいますが、憲法9条をうまく利用してきたのは歴代の自民党政権でした。
つまり、憲法9条の制約から専守防衛に特化してきた日本は、高価な攻撃用兵器に予算を配分せずにすみ、非常に効率の良い防衛軍隊(自衛隊)を整備することが出来たのです。
こと通常兵器に限定すれば、日本の実力は大国並みといっても良いでしょう。
たしかに総力戦となれば、中国にはかなわないでしょう。
しかし、中国といえども、軍事同盟を結んでいる米国が後ろに控える日本に核攻撃は勿論、通常兵器による全面攻撃も仕掛けられません。
たとえ戦闘になっても限定的な局地戦となります。
しかも、四方を海に囲まれた日本の海軍(海上自衛隊)は、世界でもトップクラスの実力です。
特に潜水艦隊の実力は、原潜を保有する中国を上回っていると推定されます。
中国海軍は、日本の防衛線を突破できないでしょう。
空においても、数の上では中国が優勢ですが、日本を攻撃するには長距離の飛行を強いられます。
戦闘機の性能においても、日本のF15やF35のほうが上でしょうし、パイロットの技量においても差があります。
こうした海空の優位性の保持こそが、日本にとっての「抑止力としての軍事力」です。
中国の2隻の空母は、政治的なデモンストレーション以上のものではありません。
とても実戦に投入できるレベルの艦とはいえませんし、横須賀を母校とする米海軍の空母艦隊の敵とはいえない艦隊です。
しかし、少々問題になるのは、最近の防衛装備が政治的な思惑で“ちぐはぐ”になってきていることです。
例えば、イージス・アシュアです。
1基3000億円の基地を2基作る計画ですが、最終的な費用は1兆円を超えると言われています。
北朝鮮の核ミサイルの迎撃用と言われていますが、軍事的効果ははなはだ疑問です。
それより、イージス艦を3隻作るほうがはるかに理にかなっています。
また、F-2に代わる次期支援戦闘機を国産で作る案も疑問です。
日本には、十分な性能を持つ戦闘機を作る技術は、潜在的にはありますが、短期には無理です。
ここは、米国と秘密技術の移転を含めた共同開発の交渉に入ることがベストでしょう。
また、軍用機といえども、採算の問題は無視できません。
現行のF-2戦闘機より高価となる上に、150から200機程度は生産したいところです。
そうなると、日本だけではなく米国はもちろん、海外に売れる機体であることが必要となります。
日本単独開発となると、武器輸出三原則から輸出は難しくなりますから、ここでも壁にぶち当たってしまいます。
軍事力整備は、ファンタジーではありません。
冷徹な現実を土台に置き、さらに近未来をも見据えるという難題への挑戦です。
日本においては、賛成派も反対派もファンタジーになってしまっています。
現実問題として「抑止力としての軍事力」を改めて考えることが必要ではないでしょうか。
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<編集後記>
韓国の日本に対する目線は、常に「上から目線」です。
こうした言い方しか出来ないのは、民族性なのでしょうか。
そうではなくて、教育の質(徹底した反日教育)だと思いたいです。
そうでないと、未来永劫付き合えない国となってしまいます。
人も国も、長く続く付き合いは、平等の意識と姿勢から生まれます。
韓国が今の言い方を続ける限り、両国民の心理距離は離れるばかりです。
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