2023年11月30日号(経済、経営)
2023.12.15
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2023年11月30日号
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H A L 通 信
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発行日:2023年12月2日(土)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2023年11月30日号の目次
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◇岸田首相の頭の中
◇税金を考える(3)
◇GDPの順位の逆転
http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
配信が2日遅れました。申し訳ありません。
インボイスに続き、来年1月から電子帳簿保存法が始まります。
この両方が合わさることで混乱が広がるとの懸念が囁かれています。
その声に押されたのか、緩和策がいろいろ囁かれていますが、“うわさ”レベルの話ばかりです。
法律には逆らえないので、これを機に、自社の経営体質の強化に務めましょう。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇岸田首相の頭の中 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
10月の発表によると、2021年度に決算を迎えた法人の申告所得合計が79兆4790億円となり、過去最高だったということです。
それを受けて、岸田首相は「予定より超過した分を減税する」として、一人あたり一律4万円減税を、胸を張って言い出しました。
しかし、まったく評価されず、案の内容を二転三転させています。
なにより、一時金として一人4万円の支給は「減税」ではなく「給付金」に過ぎません。
それを「減税」とごまかすから、こうなるのです。
しかも、「予定より多かった税金納付が減税の原資」と言った後から、鈴木財務大臣が「あの分はもう使ってしまい、ありません」と国会で答弁したことで、首相のメンツは丸つぶれです。
おそらく、財務省から岸田首相に対する「減税などは口にするな」という叱責なのでしょう。
国民としては、こんな茶番国会を見せられては“シラケる”ばかりです。
また、岸田首相は、口を開けば「経済再生なくして財政健全化なし」のフレーズを繰り返しています。
たしかに、それは「正しい」のですが、単なる「口だけ」で、具体論はさっぱりです。
かつて「口だけ番長」と揶揄された政治家がいました(今も、新党立ち上げをぶち上げていますが)。
岸田首相も、その方に劣らず「口だけ」政治家のようですが、首相ですから、もっと悪いといえます。
口を開けば飛び出す「異次元の少子化対策」も「国民負担の引き上げ(つまり増税や社会保険料の引き上げ)が不可避」という本音が続きます。
こんな岸田首相の援護射撃なのか「日銀が保有する国債が10兆円の含み損」という報道もなされています。
しかし、「日銀が保有する国債の全てを売却すれば」という前提自体がナンセンスなので、まったく無意味な報道です。
また、国債の保有残高(約500兆円)の2%ですから、それで国が破綻するはずも無い仮定話です。
この話の出処も財務省でしょうが、首相の頭の中は財務省へのすり寄りしかないのでしょうか。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇税金を考える(3) ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
前回の「消費税が上がれば、輸出大企業に対する還付金が増える」に対し、こんな声もあります。
「輸出企業は、輸出相手から消費税を受け取れない(外国に対し日本の法律は適用できないから当たり前・・)。それなのに、国内の仕入先や下請け企業には消費税を含めて支払っているのだから、その分の還付を受けるのは当然ではないか」
つまり「輸出企業は、余分に払った消費税を後で返してもらっているのだから、還付金は正当だ。故に、経団連は別に還付金欲しさに増税を主張しているのではない」という意見です。
たしかに、建前はそのとおりです。
しかし、問題の根源は、経団連に所属するような大企業と下請け企業との関係にあります。
言うまでもなく、大企業と下請け企業との関係は平等ではなく圧倒的な格差下にあります。
大企業は、言うことを聞かない下請け企業は使わず、言うことを聞く下請け企業だけを使うことができます。
もちろん、公正取引委員会(公取委)が「優先的地位の乱用」をもって、こうした大企業を取り締まることはできます。
しかし、下請け企業がこうした訴えを起こすことがあるでしょうか。
たとえ、その訴えが取り上げられ、大企業に是正命令が下されたとしても、それでも、その企業との正常な取引が続くなどと誰が考えるでしょうか。
取引がなくなる覚悟を持ってしか、そうした訴えなどできるはずはないのです。
事実、公取委から消費税の転嫁で処罰されたという話を聞いたことがありません。
下請けはただ泣き寝入りするしかないのが現状なのです。
中小企業である弊社にも、毎年、公取委から「下請法への違反がないか、消費税転嫁に対する不当な圧力がないか」というアンケートが届き、「ある場合は、具体的な企業名および内容を報告せよ」との回答要求が来ます。
しかし、いつも「誰がこんな訴えを起こすのだろうか?」という疑問しか湧きません。
訴えの実態報告を目にしたことがないので、本当にあったら、その事例を見てみたいものです。
幸い、弊社は大半のお客様と良好な関係が築けていて、消費税の転嫁も問題なく行われています。
弊社が発注側の時は当然支払っていますし、消費税も正しく納付しています。
ゆえに、経団連会長の「消費税上げろ」の主張から見えるのは、輸出大企業はその圧倒的な権力を使って、多くの下請け企業に対して正当な「消費税」を支払っていないという実態です。
消費税を認めるが、元の金額の値下げを強要するなどのもっと悪質な行為も見聞きします。
2022年の輸出還付金の合計額は6兆6千億円に上り、これが輸出企業に還付されているわけです。
一方、22年度の消費税収は26兆円なので、消費者が支払った消費税の25.4%が、輸出企業に対する還付金(事実上の補助金)となっているわけです。
つまり「還付金」という制度が存在する消費税の仕組みは、輸出企業に対する事実上の「補助金」支給の仕組みとして機能しているのです。
この仕組みを最初に取り入れたのはフランスですが、WTO(World Trade Organization=世界貿易機関)で規定されている「自国の輸出企業に対する補助金の禁止」をくぐり抜けるために考え出された税制なのです。
次回は、消費税と付加価値税の違いについて解説します。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇GDPの順位の逆転 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
長らく世界第3位を保ってきた日本の名目GDPが、ドイツに抜かれて4位に転落すると予想されています。
国民の多くは「えっ」となり、次に「本当?」と思い、「どうして?」となっているでしょう。
たしかに、私もその思いは同じですが、「どうして?」の答えは単純です。
名目GDPとは、実際に市場で取引されている価格に基づいて算出される経済指数です。
つまり、為替動向や物価変動に左右される指標であり、円安・ドル高基調が続いていることで日本のドル換算のGDPはかなり目減りしています。
これが第一の要因です。
さらに、ドイツは物価上昇率が高いことで名目GDPを押し上げています。
今後も日本の物価上昇率が3~4%前後で推移するという見込みに対し、ドイツは昨年後半で10%超であり、今年8月までは6%以上で推移していて、物価高が続いています。
日独のこうした物価上昇の違いが第二の要因です。
2005~2021年まで続いたメルケル政権時代、失業率は11.3%から5.2%へと向上し、成長率も安定的に推移して好調な経済状況が続きました。
それを支えたのは、中国という巨大市場を得たことと、ロシアからの天然ガスの大量購入という安価なエネルギー源の確保にあります。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻は、その基調をすっかり変えてしまいました。
海外企業がドイツに対する直接投資を大幅に減少させているだけでなく、ドイツ内の支店や工場の閉鎖を激増させています。
当然ですが、ドイツ企業の国内投資も大幅に減少し、その結果、投資の純流出はGDP比で-4%に迫っています。
この数字、「たいした減少ではない」と思われるかもしれませんが、この減少が今後10年は続くと考えてみてください。
34.5%減となる計算です。
-4%が、とんでもない数字だということが分かるでしょう。
実際、バブル崩壊から近年に至るまでの日本は30年のデフレ不況を味わいました。
この間、日本経済は実質半分以下に落ち込みました。
もし、この30年間、逆に2%成長が続いたならば1.8倍となっていて、ドイツに抜かれることはなく、第2位の中国の経済崩壊が本格化すれば、逆転することが可能だったはずです。
こうした「仮定の話」はこれくらいにして、これからどうなるか、そして「どうするか」が大事です。
ドイツは、日本が経験したような産業の空洞化が進み、失業が増え、経済がさらに落ち込むでしょう。
それを防ぐには、まず「再生エネルギーを主にする」というエネルギー政策を転換し、原子力発電に回帰することです。
当然、連立を組んでいる「緑の党」の強硬な反対に合い、政権運営が行き詰まるかもしれません。
ならば、選挙に訴えて、国民に実情を開陳し、審判を仰ぐことが民主主義の王道です。
日本にとっても「対岸の火事」ではなく、エネルギー問題は最大の課題です。
折しも、COP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)がドバイで開催中ですが、科学的根拠に乏しく、各国の政治的思惑に翻弄される取り決めに単純に従わないことが正解です。
「CO2を削減すれば温暖化を防げる」という短絡的な発想は、かえって危険です。
様々なエネルギー源を組み合わせ、かつ二次汚染に繋がらない技術の確立が“まず必要“なのです。
幸い、日本には、石炭火力発電所から出るCO2の固定化技術や自動車のハイブリット技術など、卓越した技術があります。
こうした技術に磨きをかけ、世界に供給することが日本の役割と認識すべきです。
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<編集後記>
能率協会の新入社員調査によると、「理想の上司・先輩」は、「丁寧に指導する人」が79%でした。
過去1位だった「仕事を任せ、見守る」は16.9%と下落。
さらに、「機会があれば転職・独立したい」が30.1%とありました。
そして「転職を考える動機」は、「会社の将来性が見込めなくなったとき」が78.4%。
こうした調査の平均的な回答者へ私のアドバイスを送ります。
「独立も転職も考えないほうがいいよ」です。
さて、読者のみなさまは、どんなアドバイスを送りますか?
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◇岸田首相の頭の中
◇税金を考える(3)
◇GDPの順位の逆転
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こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
配信が2日遅れました。申し訳ありません。
インボイスに続き、来年1月から電子帳簿保存法が始まります。
この両方が合わさることで混乱が広がるとの懸念が囁かれています。
その声に押されたのか、緩和策がいろいろ囁かれていますが、“うわさ”レベルの話ばかりです。
法律には逆らえないので、これを機に、自社の経営体質の強化に務めましょう。
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┃◇岸田首相の頭の中 ┃
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10月の発表によると、2021年度に決算を迎えた法人の申告所得合計が79兆4790億円となり、過去最高だったということです。
それを受けて、岸田首相は「予定より超過した分を減税する」として、一人あたり一律4万円減税を、胸を張って言い出しました。
しかし、まったく評価されず、案の内容を二転三転させています。
なにより、一時金として一人4万円の支給は「減税」ではなく「給付金」に過ぎません。
それを「減税」とごまかすから、こうなるのです。
しかも、「予定より多かった税金納付が減税の原資」と言った後から、鈴木財務大臣が「あの分はもう使ってしまい、ありません」と国会で答弁したことで、首相のメンツは丸つぶれです。
おそらく、財務省から岸田首相に対する「減税などは口にするな」という叱責なのでしょう。
国民としては、こんな茶番国会を見せられては“シラケる”ばかりです。
また、岸田首相は、口を開けば「経済再生なくして財政健全化なし」のフレーズを繰り返しています。
たしかに、それは「正しい」のですが、単なる「口だけ」で、具体論はさっぱりです。
かつて「口だけ番長」と揶揄された政治家がいました(今も、新党立ち上げをぶち上げていますが)。
岸田首相も、その方に劣らず「口だけ」政治家のようですが、首相ですから、もっと悪いといえます。
口を開けば飛び出す「異次元の少子化対策」も「国民負担の引き上げ(つまり増税や社会保険料の引き上げ)が不可避」という本音が続きます。
こんな岸田首相の援護射撃なのか「日銀が保有する国債が10兆円の含み損」という報道もなされています。
しかし、「日銀が保有する国債の全てを売却すれば」という前提自体がナンセンスなので、まったく無意味な報道です。
また、国債の保有残高(約500兆円)の2%ですから、それで国が破綻するはずも無い仮定話です。
この話の出処も財務省でしょうが、首相の頭の中は財務省へのすり寄りしかないのでしょうか。
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┃◇税金を考える(3) ┃
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前回の「消費税が上がれば、輸出大企業に対する還付金が増える」に対し、こんな声もあります。
「輸出企業は、輸出相手から消費税を受け取れない(外国に対し日本の法律は適用できないから当たり前・・)。それなのに、国内の仕入先や下請け企業には消費税を含めて支払っているのだから、その分の還付を受けるのは当然ではないか」
つまり「輸出企業は、余分に払った消費税を後で返してもらっているのだから、還付金は正当だ。故に、経団連は別に還付金欲しさに増税を主張しているのではない」という意見です。
たしかに、建前はそのとおりです。
しかし、問題の根源は、経団連に所属するような大企業と下請け企業との関係にあります。
言うまでもなく、大企業と下請け企業との関係は平等ではなく圧倒的な格差下にあります。
大企業は、言うことを聞かない下請け企業は使わず、言うことを聞く下請け企業だけを使うことができます。
もちろん、公正取引委員会(公取委)が「優先的地位の乱用」をもって、こうした大企業を取り締まることはできます。
しかし、下請け企業がこうした訴えを起こすことがあるでしょうか。
たとえ、その訴えが取り上げられ、大企業に是正命令が下されたとしても、それでも、その企業との正常な取引が続くなどと誰が考えるでしょうか。
取引がなくなる覚悟を持ってしか、そうした訴えなどできるはずはないのです。
事実、公取委から消費税の転嫁で処罰されたという話を聞いたことがありません。
下請けはただ泣き寝入りするしかないのが現状なのです。
中小企業である弊社にも、毎年、公取委から「下請法への違反がないか、消費税転嫁に対する不当な圧力がないか」というアンケートが届き、「ある場合は、具体的な企業名および内容を報告せよ」との回答要求が来ます。
しかし、いつも「誰がこんな訴えを起こすのだろうか?」という疑問しか湧きません。
訴えの実態報告を目にしたことがないので、本当にあったら、その事例を見てみたいものです。
幸い、弊社は大半のお客様と良好な関係が築けていて、消費税の転嫁も問題なく行われています。
弊社が発注側の時は当然支払っていますし、消費税も正しく納付しています。
ゆえに、経団連会長の「消費税上げろ」の主張から見えるのは、輸出大企業はその圧倒的な権力を使って、多くの下請け企業に対して正当な「消費税」を支払っていないという実態です。
消費税を認めるが、元の金額の値下げを強要するなどのもっと悪質な行為も見聞きします。
2022年の輸出還付金の合計額は6兆6千億円に上り、これが輸出企業に還付されているわけです。
一方、22年度の消費税収は26兆円なので、消費者が支払った消費税の25.4%が、輸出企業に対する還付金(事実上の補助金)となっているわけです。
つまり「還付金」という制度が存在する消費税の仕組みは、輸出企業に対する事実上の「補助金」支給の仕組みとして機能しているのです。
この仕組みを最初に取り入れたのはフランスですが、WTO(World Trade Organization=世界貿易機関)で規定されている「自国の輸出企業に対する補助金の禁止」をくぐり抜けるために考え出された税制なのです。
次回は、消費税と付加価値税の違いについて解説します。
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長らく世界第3位を保ってきた日本の名目GDPが、ドイツに抜かれて4位に転落すると予想されています。
国民の多くは「えっ」となり、次に「本当?」と思い、「どうして?」となっているでしょう。
たしかに、私もその思いは同じですが、「どうして?」の答えは単純です。
名目GDPとは、実際に市場で取引されている価格に基づいて算出される経済指数です。
つまり、為替動向や物価変動に左右される指標であり、円安・ドル高基調が続いていることで日本のドル換算のGDPはかなり目減りしています。
これが第一の要因です。
さらに、ドイツは物価上昇率が高いことで名目GDPを押し上げています。
今後も日本の物価上昇率が3~4%前後で推移するという見込みに対し、ドイツは昨年後半で10%超であり、今年8月までは6%以上で推移していて、物価高が続いています。
日独のこうした物価上昇の違いが第二の要因です。
2005~2021年まで続いたメルケル政権時代、失業率は11.3%から5.2%へと向上し、成長率も安定的に推移して好調な経済状況が続きました。
それを支えたのは、中国という巨大市場を得たことと、ロシアからの天然ガスの大量購入という安価なエネルギー源の確保にあります。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻は、その基調をすっかり変えてしまいました。
海外企業がドイツに対する直接投資を大幅に減少させているだけでなく、ドイツ内の支店や工場の閉鎖を激増させています。
当然ですが、ドイツ企業の国内投資も大幅に減少し、その結果、投資の純流出はGDP比で-4%に迫っています。
この数字、「たいした減少ではない」と思われるかもしれませんが、この減少が今後10年は続くと考えてみてください。
34.5%減となる計算です。
-4%が、とんでもない数字だということが分かるでしょう。
実際、バブル崩壊から近年に至るまでの日本は30年のデフレ不況を味わいました。
この間、日本経済は実質半分以下に落ち込みました。
もし、この30年間、逆に2%成長が続いたならば1.8倍となっていて、ドイツに抜かれることはなく、第2位の中国の経済崩壊が本格化すれば、逆転することが可能だったはずです。
こうした「仮定の話」はこれくらいにして、これからどうなるか、そして「どうするか」が大事です。
ドイツは、日本が経験したような産業の空洞化が進み、失業が増え、経済がさらに落ち込むでしょう。
それを防ぐには、まず「再生エネルギーを主にする」というエネルギー政策を転換し、原子力発電に回帰することです。
当然、連立を組んでいる「緑の党」の強硬な反対に合い、政権運営が行き詰まるかもしれません。
ならば、選挙に訴えて、国民に実情を開陳し、審判を仰ぐことが民主主義の王道です。
日本にとっても「対岸の火事」ではなく、エネルギー問題は最大の課題です。
折しも、COP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)がドバイで開催中ですが、科学的根拠に乏しく、各国の政治的思惑に翻弄される取り決めに単純に従わないことが正解です。
「CO2を削減すれば温暖化を防げる」という短絡的な発想は、かえって危険です。
様々なエネルギー源を組み合わせ、かつ二次汚染に繋がらない技術の確立が“まず必要“なのです。
幸い、日本には、石炭火力発電所から出るCO2の固定化技術や自動車のハイブリット技術など、卓越した技術があります。
こうした技術に磨きをかけ、世界に供給することが日本の役割と認識すべきです。
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能率協会の新入社員調査によると、「理想の上司・先輩」は、「丁寧に指導する人」が79%でした。
過去1位だった「仕事を任せ、見守る」は16.9%と下落。
さらに、「機会があれば転職・独立したい」が30.1%とありました。
そして「転職を考える動機」は、「会社の将来性が見込めなくなったとき」が78.4%。
こうした調査の平均的な回答者へ私のアドバイスを送ります。
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さて、読者のみなさまは、どんなアドバイスを送りますか?
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