2023年12月28日号(経済、経営)
2024.01.17
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2023年12月28日号
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H A L 通 信
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発行日:2023年12月28日(木)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2023年12月28日号の目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇日本経済が上りきれない理由
◇これからの中小企業の経営(1)
◇税金を考える(4):消費税と付加価値税
http://magazine.halsystem.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
2023年の最後のメルマガを送ります。
今年もご愛読いただき、ありがとうございます。
来年は、「出す、出す」と言いながらオオカミ少年状態になっていた建設HPをリリースします。
名称は「建設情報館・儲かる建設会社になろう」です。
新年最初の号で、アドレスをお知らせします。
ぜひ覗いてみてください。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇日本経済が上りきれない理由 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
賃金は少しずつ上がっていますが、物価上昇に追いつかず国民の不満が溜まっています。
岸田首相は「賃金上昇と物価上昇の好循環を」と連呼しますが、言葉が踊るだけの虚しさです。
労働組合の団体である連合は、ここぞとばかり「来年は最低賃金を1600円/時以上に、賃上げは6%以上を勝ち取る」と威勢はよいですが、その存在感は薄くなるばかりです。
日銀の慎重姿勢から分かるように、日本経済はデフレ状態から脱したとは言い難く、いつ揺り戻しが来てもおかしくない状態といえます。
こうした影に怯えている経営者は「賃上げはやむを得ない」と思いつつも、慎重にならざるを得ないのです。
欧米のように解雇や賃下げが自由に出来ない日本では、大胆な賃上げは、そもそも無理です。
労働法を変え、労使関係の硬直性を解き、社会主義的な国民意識を変えない限り、日本経済の将来は暗いのです。
日本は、「労働者は経営者に搾取されている」とする「女工哀史」的な労働観から抜け出せていないのです。
もちろん、そうした事例はゼロではないでしょう。
ですが、企業はすべて搾取企業だとしてきた現行法は、時代遅れです。
その意識から脱して、自由な働き方を推進する新たな法整備を進めるべきです。
そもそも、日本人は「見えるモノ」の価値は認めても「見えないモノ」の価値を認めない国民性を有しています。
ゆえに、「見えるモノを造る」製造業主体の経済から抜け出せないのです。
それに対し米国は、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に代表されるような、ソフトウェアやネットサービスなどの「見えない価値」を商品にして大成功しています。
近年の大金持ちの代表のようなイーロン・マスク率いるテスラはEV(電気自動車)メーカーですが、その収益はハードである車本体ではなく、搭載する「見えない」ソフトウェアにあります。
つまり、目に見える「自動車」は見せ金に過ぎないのです。
生産台数でテスラの5倍以上のトヨタの時価総額を大きく上回っているのは、この「見えない価値」にあるのです。
しかし、「見える価値」に比べ「見えない価値」の持続は難しいです。
理由は、模倣が容易だからです。
それが分かっているからイーロン・マスクはEVに固執せず、「スペースX」を宇宙産業の雄に仕立て上げています。
人間的には呆れる面の多い人物ですが、無謀ともいえる「挑戦経営」には脱帽しかありません。
いずれ、彼が凋落する日が来るかもしれませんが、第2、第3のマスクが出現するのが米国です。
しかし、日本にそれを求めるのは無理です。
米国は、多民族国家であるから可能なのであり、単一民族に近い日本は別の道を歩むべきです。
その道とは、「見えるモノの価値を、見える以上に価値あるモノに見せる工夫」です。
その「工夫」とは・・、2024年のテーマとして次号以降で話しましょう。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇これからの中小企業の経営(1) ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ウクライナ侵攻が始まった約2年前、本メルマガで以下のように書きました。
------------------------------------------------
2025年から2050年まで続く大きくカーブを切る時代の「後半の始まり」は、すぐそこに来ています。
ウクライナ侵攻から始まった政治・経済の混乱は、その前兆です。
こうした時代には、若く鋭い感性を持ったリーダーを、深い戦略思考を持ち、多様な経験を有するベテランが補佐するという体制が、どの企業にも必要なのです。
もちろん、国家もです。
------------------------------------------------
みなさん、自動車を運転して、大きくカーブする道を走っていく場面を想像してみてください。
カーブの向こうはなかなか見えてきません。
しかも、急な登り坂だったらどうでしょうか。
さらに見えないはずです。
今、我々は、こうしたカーブの中を走っているのです。
やがて、このカーブの、かつ登坂の頂点である2025年を回ると、向こう側の景色が見えてきます。
その景色を想像したことがありますか?
企業経営者や経営幹部にとって必要な能力は、そうしたカーブの向こうの景色を想像する能力です。
「若く鋭い感性を持つリーダー」とは、年齢に関係なく、そのような経営者のことです。
かつ、「深い戦略思考を持ち、多様な経験を有する右腕」が必要です。
この右腕は、社内にいることが必須ではありません。
社外役員や経営コンサル、はたまた経営トップ個人が尊敬する指導者や支援者であっても良いのです。
私が創業した会社は、まもなく34期になりますが、同じ頃、創業した企業の多くは消えたり、買収されたり、音信不通になったりしています。
当社も、二度ほど絶体絶命状態に陥り、倒産を覚悟しました。
そこを切り抜けられたのは、そうした社外の指導者や支援者のおかげです。
本人が頑張るのは当然ですが、それだけでは無理だと実感を持ってお伝えできます。
私も高齢の経営者になったことで、やたらM&Aの封書や電話、メールが増えています。
M&Aが悪いとは言いませんが、持ちかけてくる相手は、あくまでも商売であることを念頭に置く必要があります。
米国では、M&Aは、当たり前の経営手段となっています。
かつて、知り合いの米国の経営者から言われた言葉を忘れることができません。
彼は、数人で創業した会社を20数年で従業員1万8000人の大企業に育て上げましたが、あっさり売却してしまいました。
私が「もったいないだろう!」と言ったところ、「何が?」と不思議がり、「会社なんて売り物だろう」と言いました。
私は「なるほど」と、それがアメリカ人の合理性なのだと理解しました。
日本人である私は、彼の考えに全面的に賛成はできませんが、自分と会社を切り離して考えることは大事だと学びました。
2025年の大曲りのカーブを曲がって見えてくる景色を想像しながら、これからの中小企業の経営を、数回に分けて考えていこうと思います。
新年から少々のお付き合いを。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇税金を考える(4):消費税と付加価値税 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
消費税は、欧米では「付加価値税」となっています。
つまり、消費者が負担する税金ではなく、企業が負担する「第二法人税」なのです。
実際、日本でも消費者が申告して納税するわけではなく、申告は企業の負担です。
「付加価値税」のほうが正しい名称だと思います。
欧米の「付加価値税」は、「輸出企業に対して合法的に事実上の補助金を支給するために考案された制度」なのです。
日本も加盟しているWTO(World Trade Organization=世界貿易機関)では、自国の輸出企業に対する補助金の支給を禁止しています。
フランスは、この禁止条項を回避するため、付加価値税(消費税)の導入を考えた最初の国です。
つまり、自国の輸出企業の国際競争力強化のための補助金を、付加価値税の還付金という形で導入したのです。
しかも、この補助金は輸出しない企業が負担するのですから政府の懐はまったく痛みません。
もちろん、税率が高ければ高いほど非輸出企業の負担は大きくなりますが、輸出企業に対する補助金は拡大するので、輸出企業は強くなります。
日本の消費税は、この付加価値税と何ら変わるものではありません。
そこに目を付けた経団連は、会員である輸出大企業への還付金を増やそうと消費増税を主張しているのです。
たしかに、企業は利益を追求する存在ですから、経団連の振る舞いを不当だとすることはできません。
しかし一方で、企業は国民の利益を考える公的な存在でもあります。
それゆえ、法律で様々な行為が規制されているのであり、金儲けのためなら何をやっても良いとはなっていません。
その代表といえる大企業の連合体である経団連には、より高い目線で国益を考える倫理観が求められます。
しかし、還付金目当てに消費増税を主張している姿からは、そうした姿勢は微塵も感じられません。
輸出還付金とは無縁の多くの中小企業と国民は、こうした真実を知り、大企業信仰から抜け出す必要があります。
----------------------------------------------------------------------
<編集後記>
NHKの朝の番組で興味深い実験が紹介されていました。
大学生を使った実験で「記憶の定着」がテーマでした。
ネットの発達で、「辞書を引く」ことが死語となりつつありますが、「スマホ検索は記憶に残らない」ということでした。
辞書を引く場合は4割ぐらい残る記憶が、スマホの場合はゼロというのです。
また、リアル会議では、参加者の「大脳の前頭前野」が同調して活性化しますが、オンライン会議では、この同調がほとんど起きないというのです。
日頃の実感からも、これらの結果には納得です。
また、睡眠と運動が脳を活性化させるという指摘にも納得します。
朝のランニングにも拍車がかかりそうです。
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2023年12月28日号の目次
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◇日本経済が上りきれない理由
◇これからの中小企業の経営(1)
◇税金を考える(4):消費税と付加価値税
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こんにちは、安中眞介です。
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今年もご愛読いただき、ありがとうございます。
来年は、「出す、出す」と言いながらオオカミ少年状態になっていた建設HPをリリースします。
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賃金は少しずつ上がっていますが、物価上昇に追いつかず国民の不満が溜まっています。
岸田首相は「賃金上昇と物価上昇の好循環を」と連呼しますが、言葉が踊るだけの虚しさです。
労働組合の団体である連合は、ここぞとばかり「来年は最低賃金を1600円/時以上に、賃上げは6%以上を勝ち取る」と威勢はよいですが、その存在感は薄くなるばかりです。
日銀の慎重姿勢から分かるように、日本経済はデフレ状態から脱したとは言い難く、いつ揺り戻しが来てもおかしくない状態といえます。
こうした影に怯えている経営者は「賃上げはやむを得ない」と思いつつも、慎重にならざるを得ないのです。
欧米のように解雇や賃下げが自由に出来ない日本では、大胆な賃上げは、そもそも無理です。
労働法を変え、労使関係の硬直性を解き、社会主義的な国民意識を変えない限り、日本経済の将来は暗いのです。
日本は、「労働者は経営者に搾取されている」とする「女工哀史」的な労働観から抜け出せていないのです。
もちろん、そうした事例はゼロではないでしょう。
ですが、企業はすべて搾取企業だとしてきた現行法は、時代遅れです。
その意識から脱して、自由な働き方を推進する新たな法整備を進めるべきです。
そもそも、日本人は「見えるモノ」の価値は認めても「見えないモノ」の価値を認めない国民性を有しています。
ゆえに、「見えるモノを造る」製造業主体の経済から抜け出せないのです。
それに対し米国は、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に代表されるような、ソフトウェアやネットサービスなどの「見えない価値」を商品にして大成功しています。
近年の大金持ちの代表のようなイーロン・マスク率いるテスラはEV(電気自動車)メーカーですが、その収益はハードである車本体ではなく、搭載する「見えない」ソフトウェアにあります。
つまり、目に見える「自動車」は見せ金に過ぎないのです。
生産台数でテスラの5倍以上のトヨタの時価総額を大きく上回っているのは、この「見えない価値」にあるのです。
しかし、「見える価値」に比べ「見えない価値」の持続は難しいです。
理由は、模倣が容易だからです。
それが分かっているからイーロン・マスクはEVに固執せず、「スペースX」を宇宙産業の雄に仕立て上げています。
人間的には呆れる面の多い人物ですが、無謀ともいえる「挑戦経営」には脱帽しかありません。
いずれ、彼が凋落する日が来るかもしれませんが、第2、第3のマスクが出現するのが米国です。
しかし、日本にそれを求めるのは無理です。
米国は、多民族国家であるから可能なのであり、単一民族に近い日本は別の道を歩むべきです。
その道とは、「見えるモノの価値を、見える以上に価値あるモノに見せる工夫」です。
その「工夫」とは・・、2024年のテーマとして次号以降で話しましょう。
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ウクライナ侵攻が始まった約2年前、本メルマガで以下のように書きました。
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2025年から2050年まで続く大きくカーブを切る時代の「後半の始まり」は、すぐそこに来ています。
ウクライナ侵攻から始まった政治・経済の混乱は、その前兆です。
こうした時代には、若く鋭い感性を持ったリーダーを、深い戦略思考を持ち、多様な経験を有するベテランが補佐するという体制が、どの企業にも必要なのです。
もちろん、国家もです。
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みなさん、自動車を運転して、大きくカーブする道を走っていく場面を想像してみてください。
カーブの向こうはなかなか見えてきません。
しかも、急な登り坂だったらどうでしょうか。
さらに見えないはずです。
今、我々は、こうしたカーブの中を走っているのです。
やがて、このカーブの、かつ登坂の頂点である2025年を回ると、向こう側の景色が見えてきます。
その景色を想像したことがありますか?
企業経営者や経営幹部にとって必要な能力は、そうしたカーブの向こうの景色を想像する能力です。
「若く鋭い感性を持つリーダー」とは、年齢に関係なく、そのような経営者のことです。
かつ、「深い戦略思考を持ち、多様な経験を有する右腕」が必要です。
この右腕は、社内にいることが必須ではありません。
社外役員や経営コンサル、はたまた経営トップ個人が尊敬する指導者や支援者であっても良いのです。
私が創業した会社は、まもなく34期になりますが、同じ頃、創業した企業の多くは消えたり、買収されたり、音信不通になったりしています。
当社も、二度ほど絶体絶命状態に陥り、倒産を覚悟しました。
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本人が頑張るのは当然ですが、それだけでは無理だと実感を持ってお伝えできます。
私も高齢の経営者になったことで、やたらM&Aの封書や電話、メールが増えています。
M&Aが悪いとは言いませんが、持ちかけてくる相手は、あくまでも商売であることを念頭に置く必要があります。
米国では、M&Aは、当たり前の経営手段となっています。
かつて、知り合いの米国の経営者から言われた言葉を忘れることができません。
彼は、数人で創業した会社を20数年で従業員1万8000人の大企業に育て上げましたが、あっさり売却してしまいました。
私が「もったいないだろう!」と言ったところ、「何が?」と不思議がり、「会社なんて売り物だろう」と言いました。
私は「なるほど」と、それがアメリカ人の合理性なのだと理解しました。
日本人である私は、彼の考えに全面的に賛成はできませんが、自分と会社を切り離して考えることは大事だと学びました。
2025年の大曲りのカーブを曲がって見えてくる景色を想像しながら、これからの中小企業の経営を、数回に分けて考えていこうと思います。
新年から少々のお付き合いを。
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消費税は、欧米では「付加価値税」となっています。
つまり、消費者が負担する税金ではなく、企業が負担する「第二法人税」なのです。
実際、日本でも消費者が申告して納税するわけではなく、申告は企業の負担です。
「付加価値税」のほうが正しい名称だと思います。
欧米の「付加価値税」は、「輸出企業に対して合法的に事実上の補助金を支給するために考案された制度」なのです。
日本も加盟しているWTO(World Trade Organization=世界貿易機関)では、自国の輸出企業に対する補助金の支給を禁止しています。
フランスは、この禁止条項を回避するため、付加価値税(消費税)の導入を考えた最初の国です。
つまり、自国の輸出企業の国際競争力強化のための補助金を、付加価値税の還付金という形で導入したのです。
しかも、この補助金は輸出しない企業が負担するのですから政府の懐はまったく痛みません。
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しかし一方で、企業は国民の利益を考える公的な存在でもあります。
それゆえ、法律で様々な行為が規制されているのであり、金儲けのためなら何をやっても良いとはなっていません。
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しかし、還付金目当てに消費増税を主張している姿からは、そうした姿勢は微塵も感じられません。
輸出還付金とは無縁の多くの中小企業と国民は、こうした真実を知り、大企業信仰から抜け出す必要があります。
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大学生を使った実験で「記憶の定着」がテーマでした。
ネットの発達で、「辞書を引く」ことが死語となりつつありますが、「スマホ検索は記憶に残らない」ということでした。
辞書を引く場合は4割ぐらい残る記憶が、スマホの場合はゼロというのです。
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日頃の実感からも、これらの結果には納得です。
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