2015年9月16日号(国際、政治)
2015.09.16
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2015年9月16日号
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H A L 通 信
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発行日:2015年9月16日(水)
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H A L 通 信
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発行日:2015年9月16日(水)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2015年9月16日号の目次
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☆戦後70年談話の総括
★戦争と平和(その10):習近平主席の目論見
★戦争と平和(その11):在日米軍の存在
★愚かな政治家と賢い政治家
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2015年9月16日号の目次
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☆戦後70年談話の総括
★戦争と平和(その10):習近平主席の目論見
★戦争と平和(その11):在日米軍の存在
★愚かな政治家と賢い政治家
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こんにちは、安中眞介です。
本号は国際問題、政治問題の号です。
抗日戦勝利70周年という、日本人にとって不快この上ない式典が中国で行われました。
「特定の国をターゲットにしたものではない」と白々しいことを言いながら、あの軍事パレードです。
しかし、「怒り」に任せた行動は、戦略上、最も戒めなければならないことです。
中国で生まれた兵法がそう教えていますので、今号も冷静な解説に努めます。
「特定の国をターゲットにしたものではない」と白々しいことを言いながら、あの軍事パレードです。
しかし、「怒り」に任せた行動は、戦略上、最も戒めなければならないことです。
中国で生まれた兵法がそう教えていますので、今号も冷静な解説に努めます。
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┃ ☆戦後70年談話の総括 ┃
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8月14日に発表された安倍首相の「戦後70年の談話」を何度も読み返しました。
公式談話にしては異例の長文で、首相や官邸の真意を推し量りながら、私なりの分析をまとめるのに時間がかかりました。
まず全体を俯瞰して、今回の安倍談話は、多数の国を意識し、しかも文面が刺激的にならないよう、相当に苦心した跡が随所に見受けられます。
しかも、「マンネリ化した戦後談話は今回で終わりにしたい」という強い意志を持って取り組んだことが明白に現れています。
このように複雑な要素がいくつも重なったことが、異例の長文になった理由だと思われます。
また、熟考し過ぎたためか、文章にぎこちなさや冗長さが残り、お世辞にも名文とは言えない出来になっています。
それを批判して、「ひどい文章だ」と高飛車な意見を言う評論家がいますが、底の浅い批判と言わざるを得ません。
この種の談話は、名文である必要は全くありません。
素朴でも冗長でも良いですから、友好国の共感を引き出し、敵対国に付け入る隙を与えない文章であることが一番です。
この狙いは当たり、米国やEU諸国は、公式見解で評価しています。
真摯な反省や謝罪の言葉がないとして、韓国や朝日新聞などはおきまりの批判をしていますが、どこか「意表をつかれた」ようで、迫力に欠ける批判になっています。
一方で、中国の反論はごく控え目な印象でした。
勿論、談話を歓迎したわけではありませんが、日本との関係を決定的に悪くさせるのは得策でないと判断したようです。
談話の発表から、今日で1ヶ月です。
肝心の日本国民は、この談話のことなど、もう忘れています。
話題の端にも上りません。
良くも悪くも、これが日本人なのです。
国民の正直な気持ちは、「もういい」のです。
80年談話は・・要りませんね。
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┃ ★戦争と平和(その10):習近平主席の目論見 ┃
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前号で、私は「習近平国家主席は“当面は戦争できない”と思っている」と書いた。
問題は、この「当面」とはいつまでなのかということである。
習近平主席が、自分の在位中に尖閣の奪取と台湾侵攻を本気で考えていることは確実と言える。
ただ、今の中国の軍事力では日米連合軍に勝てないという現実は、よく理解している。
だから、領海侵犯という嫌がらせで、国際社会に対し「尖閣諸島は紛争地帯なんだ」というアピールを続け、さらに、日本の疲労を引き出そうという戦略を採っているのである。
ただ、今の中国の軍事力では日米連合軍に勝てないという現実は、よく理解している。
だから、領海侵犯という嫌がらせで、国際社会に対し「尖閣諸島は紛争地帯なんだ」というアピールを続け、さらに、日本の疲労を引き出そうという戦略を採っているのである。
では、どのような状況になったら中国は本格的に侵攻を開始するのか。
中国の国家主席の任期は5年で、最大2期まで(10年)となっている。
ということは、習近平主席は、最大であと7年、2022年までやれるということである。
習近平主席は、演説で「中国の夢」という言葉をよく使うが、具体論として、「中国の大国としての自信を取り戻す」とも言っている。
ここから先は推測になるが、中国が「自信を取り戻す」には、以下の2つのことを成し遂げる必要がある。
それは、台湾を完全に中国の支配下に置くことと、かつて中国を侵略した日本を屈服させることの2つである。
これに成功すれば、太平洋の半分は中国の支配下になり、米国と対等の存在となる。
習近平主席の在位期間を考えると、それを2022年までに達成したいということになる。
とすると、仕掛けてくるのは、遅くとも2年前の2020年ということになる。
奇しくも東京オリンピックの年である。
オリンピックで浮かれている日本の足元をすくうという戦略かもしれない。
ただし、相手は、「孫子の兵法」の国である。
いきなり武力攻撃はしないであろう。
まずは謀略をもって侵攻を開始するはずである。
孫子には「戦わずして勝つ」という有名な言葉がある。
近年で、そのモデルとなっているのが、ロシアによるウクライナのクリミヤ半島の強奪である。
あの時、ロシアは、軍事力を背景にして、クリミヤで住民投票を実施、圧倒的多数の賛成を得てロシアへの編入という、一見、合法に見える謀略でクリミヤを強奪した。
第二次世界大戦前夜、ナチスドイツが当時のチェコスロバキアのズデーデン地方を強奪した手法とそっくり同じである。
今回も、あの時の英仏同様、アメリカや英国は口だけの非難に終始し、効果ある対抗策を打ち出せていない。
プーチン大統領は、英国などに対し「核戦争も辞さない」と露骨な脅迫を掛けた。
まさにヒットラー並みの発言であり、当時の英仏のように、今のEUも沈黙である。
中国は、この手法を台湾に仕掛ける準備をしている。
親中派の勢力が多数になれば、住民投票で中国への編入を決めさせ、間髪をいれずに人民解放軍を進駐させるという策である。
ただ、親中派と言われる現在の馬英九政権が今年の選挙で大敗したことで、政権が台湾独立志向の強い民進党に戻ると予測されている。
これは習近平主席にとっては誤算である。
そもそも、戦後、中国大陸から台湾に移住してきた人とその子孫である「外省人」系は人口の1割強を占めるに過ぎないとされているから、現在の情勢では、住民投票で台湾を中国に帰属させることは難しいと判断していると思われる。
とすると、武力侵攻となるが・・
実際、中国の台湾に面した対岸には、ずらりとミサイルが並んで、いつでも総攻撃に移れる体制を整えている。
では、台湾で民進党が政権党に返り咲き、独立機運が高まった場合、中国は武力侵攻に踏み切るのであろうか。
次章の「戦争と平和(その11)」を引き続き、お読みください。
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┃ ★戦争と平和(その11):在日米軍の存在 ┃
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読者の方々は、前章を読んで、台湾が中国に奪取されるかも・・と思ったかもしれない。
台湾奪取は、「中国の夢」の序章ゆえに、可能性はある。
しかし、中国にとって非常に厄介な存在がある。
そう。横須賀を母港とする米第7艦隊の存在である。
主力の原子力空母ジョージ・ワシントンを中心とする空母打撃群の力は想像を絶するレベルで、中国軍がそのレベルに達することは、今世紀前半ではとても無理と思われる。
つまり、米国が台湾防衛政策を堅持する限り、近未来を含めて中国が台湾を武力侵攻することは無謀と言える。
要するに、習近平政権が常識思考を備えていれば、米中戦争は起きないということである。
ところで、第七艦隊の戦力を調べていて、気づいたことがある。
空母ジョージ・ワシントンの戦力である。
約70機もの艦載機を搭載できる10万トン超の大型空母だが、主力は戦闘攻撃機F/A-18E/Fの48機である。
その他の艦載機を含めて、搭載しているのは、ほぼ全てが攻撃用の機種である。
では、空母本体の防空はどうするのか。
もちろん、イージス艦などの対空戦闘能力を備えた護衛艦隊に防護されているが、制空権の確保も必須である。
それは、日本の航空自衛隊のF-15が担うことになっている。
だから、ジョージ・ワシントンは迎撃戦闘機を積んでいないのである。
日本列島という不沈空母上に200機のF-15が配備されているという図式である。
コンピュータ・メーカーでSEをしていた昔、潜水艦システムの開発を担当していた。
そこで知った事実にショックを受けたことがある。
海上自衛隊の潜水艦の一番の任務は、第7艦隊の空母を守る最外縁の防衛だという事実である。
結局、空の防衛でも同じことだったわけである。
でも、それは当たり前のことと言える。
軍事同盟である日米安保条約を結んでいる両国である。
実質的には、昔から集団的自衛権は確立していたと考えるのが自然である。
米国の保守派が主張する「日本は安保条約にただ乗りしている」わけではないのである。
そのことを知れば、安保法案をめぐる騒動がバカバカしく思えてくる。
国民は、もっと冷徹な目で、感情抜きで事実のみを見ていくべきである。
日米の集団的自衛権の存在が、中国に台湾侵攻を思いとどまらせ、戦争を防いでいるという事実をである。
国民は、もっと冷徹な目で、感情抜きで事実のみを見ていくべきである。
日米の集団的自衛権の存在が、中国に台湾侵攻を思いとどまらせ、戦争を防いでいるという事実をである。
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┃ ★愚かな政治家と賢い政治家 ┃
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歴史の上っ面を、感情で浅い判断をする政治家は、愚かな政治家である。
歴史を深く探り、論理的に判断をする政治家は、賢い政治家である。
「戦争」の歴史を、大きく時を隔てた二人の人物が、以下のように論じた。
・軍拡競争が戦争を招いた。
軍事バランスの崩れと外交的失敗が重なった時に、戦争は起きる。
※20世紀:村山富市元首相
・戦が戦を止む
戦を好めば国は滅び、戦を忘れれば国は危うし
※春秋戦国時代(紀元前500年):斉の武将 田穰苴(でん じょうしょ)
村山元首相と田穰苴の間には、2500年の歳月が流れている。
どちらの言葉が「賢い」と言えるかは、読者のご判断にお任せする。
人間が武器を持たない大昔から人類は殺し合いをしてきた。
武器の発達及び軍拡によって、戦争の犠牲者数はうなぎ上りになっていったが、軍拡が戦争を引き起こしたわけではない。
経済と宗教が戦争の2大要因である。
孫子の作者である孫武は、先の田穰苴(でん じょうしょ)と同時代の人で、田将軍とは同族の人である。
その孫武曰く、「武」とは「戦を止める」ことである。
なるほどと思った次第である。
その孫武曰く、「武」とは「戦を止める」ことである。
なるほどと思った次第である。
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<編集後記>
安保法案への賛否を問う世論調査を見ていて「新聞も意味のない調査をするな」と思っています。
「法案が成立したら戦争に巻き込まれる」わけではありません。
法案があっても、戦争に参加するか否かは日本国の意思です。
自動的に他国の戦争に参加する法案など、どの国にもありません。
<編集後記>
安保法案への賛否を問う世論調査を見ていて「新聞も意味のない調査をするな」と思っています。
「法案が成立したら戦争に巻き込まれる」わけではありません。
法案があっても、戦争に参加するか否かは日本国の意思です。
自動的に他国の戦争に参加する法案など、どの国にもありません。
また、「法案が成立したら戦争が起きない」わけでもありません。
戦争を起こす国は、他国の法案などに何の注意も払わないでしょう。
攻める理由があり、大義名分と勝てる自信があれば、戦争を起こすのです。
世界の歴史を少し掘り下げるだけで、そんなことはすぐに分かります。
戦争を起こす国は、他国の法案などに何の注意も払わないでしょう。
攻める理由があり、大義名分と勝てる自信があれば、戦争を起こすのです。
世界の歴史を少し掘り下げるだけで、そんなことはすぐに分かります。
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