2024年8月15日号(国際、政治)

2024.08.20


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2024年8月15日号
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発行日:2024年8月19日(月)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2024年8月15日号の目次
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◇自民党総裁選が面白くなった?
◇長崎市長の判断の是非は?
◇日本の世界における役割とは?(7)最終回
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
今年は、会社の夏季休暇に合わせ自分の仕事も休みましたので、8/15号の配信が大幅に遅れました。
申し訳ありません。
 
この間にもロシア・クルスク州へのウクライナ軍の電撃攻撃が進行しています。
ウクライナの狙いは成功したと言えますが、占領の拡大および長期化は難しいという現実があります。
停戦交渉を見越し、少しでも有利な状況を作ろうというウクライナの意図は明らかですが、
その狙いが通じるか否かは、ロシア側の、特にプーチンの動揺の程度によります。
「防衛だけでは戦争は負ける」という厳しさを突きつけられた思いです。
 
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┃◇自民党総裁選が面白くなった?              ┃
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岸田首相の再選断念で、総裁選が“がぜん”面白い・・というより、「雨後の筍」状態になりそうです。
手を挙げた人は、まだ少しですが、最終的に10人を超えるかもしれません。
万年候補といえる石破茂、河野太郎、高市早苗は「今回はチャンス」の思いでしょうし、現幹事長の茂木繁允は、国民の人気はゼロですが、党内選挙なら「オレは強い」と思っているでしょう。
また、上川陽子外務大臣も立候補を宣言しましたが、「アンタ、遅いよ」でダメでしょうし、態度を明確にしない小泉進次郎は親父の影が問題です。
マスコミは完全無視ですがネットでは支持者が多い青山繁晴。人物としては清廉潔白な人ですが、参議院議員ということで難しいでしょう。
さらに、斎藤健経済産業相、加藤勝信元官房長官、林芳正官房長官、野田聖子元総務相の現および元閣僚経験者の名前が挙がっていますが、浮上しただけで終わる気がします。
 
ここに来て、1974年生まれ(49歳)の小林鷹之が、若手代表として出馬の意向を示しました。
名前から「コバホーク」というあだ名が付けられているように若者の支持を引き付ける要素があり、党内の支持を集める可能性があります。
 
通常の総裁選であれば、派閥の力学で決まってしまう「コップの中」の選挙ですが、来年に確実視される総選挙で自民党惨敗が予想される中では、各議員の関心が「自分の当選可否」に集中しています。
つまり「選挙で勝てる総裁」が切望されるのは当然です。
 
評論家諸氏にとってはネタに事欠かないわけですが、予想となると確実なことは誰も言えないようです。
私も同様で、以下のような「・・であれば」の条件付きでしか言えません。
「マスコミの世論調査によれば」、石破茂か河野太郎
「派閥力学がまだ効いているならば」、茂木繁允か加藤勝信
「女性初の総裁・首相ならば」、高市早苗
「若手で知名度ならば」、小泉進次郎
「新鮮な若手ならば」、小林鷹之
 
まずは、「20名の推薦人の確保」の第一関門で5名程度に絞られるかなと思っていますが、ばらけて多人数になったら面白いです。
その先は闇のトンネルですが、この段階を公開討論会などで公開していけば、自民党の明日が開ける可能性がありますが、さてどうなるでしょうか。
 
<追記>
世界を考えれば自民党総裁選より遥かに影響の大きい米国大統領選ですが、若干ハリスに傾いてきたかなと思っていました。
最近のトランプ発言がハリス個人への攻撃に集中してきているのが、その根拠です。
ただ、前日発表されたハリスの経済政策があまりにも社会主義的で、それがマイナス要因となり、現在は五分五分に戻っています。
両候補が大した人物でないことが分かってくると、両陣営のブレインの能力が当選の行方を左右することになります。
今後は、その点を注視していきます。
 
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┃◇長崎市長の判断の是非は?                ┃
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8月9日の「長崎原爆の日」に長崎市長がイスラエル大使を招待しなかったことで、米国や欧州の有力国が不参加という事態になりました。
市長の鈴木史朗氏の念頭に、中東ガザ地区で侵攻を続けるイスラエルに対する忌避があったと思われます。
個人の感情に物申すことはできませんが、被爆市の市長という公的な立場からは特定の国を排除するという決定は残念です。
こうした排除が正当化されるとしたら、原爆投下国の米国がまず排除されることになります。
米国は、公式には原爆投下を「誤った決定だった」とは、現在に至るまで表明していません。
しかし、私は過去より現在、そして未来を重視する考えなので、こうした米国の姿勢を非難する考えはありません。
 
ロシアは、ウクライナ戦争において、現在も核兵器使用をちらつかせています。
その意味でロシアを原爆の日の儀式から排除することはやむを得ないと考えます。
ガザ地区での戦闘の犠牲者が4万人を超えたことは痛ましい事実ですが、ハマスによる民間人の刺殺や拉致が引き金になっています。
また、核兵器を持っていると言われているイスラエルですが、公式には認めず、今回も使用には言及していません。
 
広島、長崎は、核兵器の使用に対する歯止めの存在です。
両市の市長は、その一点に絞っての発言に徹するべきと思います。
今回のように中東の戦争にまで言及してしまうと、賛否両論となり、被爆市の意味は薄らいでしまうように感じて、とても残念です。
 
あと10年も経てば、原爆の記憶を持つ被爆者の多くは他界してしまいます。
語り部の伝承があっても、当時の記憶は次第に風化していきます。
私が初めて原爆ドームの前に立ったときは、なんの修復もされていない被爆当時のままのドームでした。
そのとき、心に生じた衝撃は、それまで感じたことの無いものでした。
「この場所の時間は、あの時で止まったままだ」と、過去の現実を眼前に見るデジャブ(既視感)に襲われました。
しかし、修復されたドームを訪れたとき、最初の時の衝撃はほぼ消えてしまっていました。
風化を防ぐことは困難との思いだけが残りました。
 
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┃◇日本の世界における役割とは?(7)最終回        ┃
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前回までに述べた一刀流の「隅落とし」は「切り落とし」ではないかとのご指摘がありました。
たしかに「切り落とし」の表現のほうが多いのですが「隅落とし」との表現もあり、私は、こちらのほうが「意味が明確」と思い、この表現を使っています。
あしからずご了解ください。
 
中国による台湾進攻が2027年(習近平主席の3期目の任期)までにあるとの意見が増えてきています。
しかし、私はその可能性はゼロではないけど低いと思っています。
習近平主席の意思が台湾進攻にあるのは確実ですが、中国軍の能力がそこまではないからです。
台湾の防衛能力はかなりの水準ですし、欧米からの武器や弾薬の支援が対ウクライナ並みにあれば、中国軍は上陸すらままならないでしょう。
中国軍の侵攻シナリオでは、1週間~1ヶ月で上陸を果たし、総統府の制圧まで進むとなっています。
しかし、こうした短期決戦が可能かは、はなはだ怪しいです。
第一に、台湾軍はウクライナ軍よりずっと強いし、迎撃の準備や兵站の整備状況は、ウクライナとは天と地ほど違います。
その上で、日本と米国が連携して防衛支援すれば、上陸前に撃退される可能性のほうが大きいです。
ならば、海上封鎖で台湾を締めあげるとしても、日米両国の海空軍相手に封鎖の輪の維持は不可能でしょう。
プーチンの失敗を学べば、「不可能だな」との賢明な判断が働くと思います。
 
しかし、日本としては、有事になった場合の備えが必須です。
まず、台湾にかなり滞在している邦人保護の問題があります。
非常事態法を早期に成立させ、具体的な方法と実際の行動規範をさらに補強する法案の制定が急務です。
さらに、中国の意図を挫くために中国の経済力を削ぐ必要があります。
眼の前の利益に目がくらんでいる経団連や親中派の与野党議員の訪問などは自粛すべきです。
そして、憲法改正です。
今の憲法のままでは、先にあげた軍事的行動は、すべて憲法違反となってしまう恐れが強いです。
南西諸島の防衛、日米の合同軍事演習の常態化、潜水艦隊の強化や空軍力の強化なども、すべて憲法違反となる可能性があり、おそらく平和団体等による訴訟が起こされるでしょう。
 
訴訟そのものは、民主主義国家として当然の権利ですから、否定できません。
しかし、日本の現憲法が中国やロシア、北朝鮮などによる攻撃の誘因事項となっていることは否定できません。
憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、・・」に信頼が置けない現実から目を背けることなく、いったんは現実直視の憲法に変えるべきと考えます。
やがて、平和な世界が築けるようになったときは、また変えていけば良いのです。
永遠に続くものはないのですから、現憲法を「永遠に・・」と思うこと自体無理なのです。
 
これをもって、このシリーズも最終回とします。
来年、台湾を訪問したいと考えています。
その訪問で自分の考えが変わるか否かも検証するテーマと考えます。
 
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<編集後記>
自民党の総裁選に関し、本文の記事では自分個人の意見は封印して客観的な見方に終始しました。
ここでは、ある程度意見を言えるので、「総裁になって欲しくない人」を以下に列記しました。
 
石破茂:あの物言いが生理的に受け付けない
河野太郎:オレ様意識が強くて、どうにも・・
茂木繁允:まったくピンとくるものがありません
上川陽子:すっかり霞んでしまいましたね
小泉進次郎:主婦の人気絶大と言われますが、親父受け売りの再エネ信奉は最悪
林芳正:中国との利権が強いようで、危ないな~
野田聖子:「?」の人ですね
 
 
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