2024年11月15日号(国際、政治)

2024.11.18


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2024年11月15日号
┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓
   H  A  L  通  信
┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ http://www.halsystem.co.jp
発行日:2024年11月15日(金)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2024年11月15日号の目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇トランプ次期大統領の頭の中
◇政局の行方
◇ミサイルが戦争の主役の時代
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
米国大統領選挙は、マスコミ予想と違い、トランプ氏の圧勝という結果でした。
それだけ現状の経済に対する米国市民の不満が強かったということでしょうか。
今号は、この話題から入ります。
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇トランプ次期大統領の頭の中               ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
トランプ氏の最初の大統領時代は、掴みどころのない思考と発言に世界中が引っ掻き回されました。
それに比べれば、今回は少し予測し易いのではないかと思います。
しかし、マスコミや評論家諸氏の見解を聞くと、相変わらずトランプ氏の過激な言葉使いに振り回されていることを感じます。
 
例えば、ウクライナへの支援を打ち切り、プーチンに事実上売り渡すといったような意見です。
でも、そんなことにはならないと思います。
トランプ氏の頭の中は「米国第一というより、自分が目立つこと第一」のように感じます。
国内政治も国際政治も「自分が主役」で回ることが大事なのではないでしょうか。
「米国を再び偉大にした“偉大なる”大統領」として米国の歴史に名を遺すことが、これからの4年間の目標でしょう。
 
トランプ氏の言葉使いは相変わらず汚く過激ですが、2回目の登場で、その言葉の裏がある程度は分かるようになってきました。
例えばウクライナ支援ですが、バイデン時代よりむしろ積極的になることが考えられます。
もちろん、善意の無償支援ではなく、かなりの見返りを要求するでしょう。
「ウクライナにはそんなおカネは無い」と思われますか。
それは、まったく違います。
ウクライナは欧州でも有数の農業国です。
今は戦争で収穫量は大きく落ちていますが、将来の復活は確実です、
また、国内に眠る鉱物資源は世界でも指折りの質と量です。
特にドンバス地方は資源の宝庫です。
ロシアが大量の犠牲もいとわずドンパスの占領地を広げるべく執拗になっているのは、その資源確保も狙いのひとつです。
 
当然、こうした事情をトランプ陣営は熟知しています。
それゆえ、ウクライナ支援を止めてロシアの領土になることを容認するはずはないのです。
逆に、戦争拡大を恐れバイデン大統領が支援をためらっていた高性能兵器をウクライナへ供与することでロシアをけん制することを考えているはずです。
その見返りに、この鉱物資源の採掘権をウクライナから得るディール(交渉)を行うものと思います。
 
ロシアのプーチン大統領が、いち早くトランプ氏に祝福表明したのは、そうした危険を察知したからに他なりません。
ただ、自分からは電話せず、「トランプがすべき」だと言っていますが、これは単なるポーズです。
裏では必死にコンタクトを取ろうとしているのです。
そうでもしないと、高性能武器がウクライナに供与されロシアの敗北が濃厚になる恐れがあるのです。
 
11月8日にトランプ氏はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談しました。
内容は極秘になっていますが、間違いなく両国の利害でのディール(取引)が話の中心でしょう。
続きは、次号で解説したいと思います。
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇政局の行方                       ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
今回の衆院選は、日本の政治が「変わるかもしれない」という期待を少しだけ感じさせる結果でした。
しかし、立憲民主党の野田代表の力では野党結集は無理(というより何もできない?)で、石破首相が少数与党のまま続投となりました。
 
立憲民主党は確かに議席数を大幅に増やしましたが、小選挙区で与党が“ずっこけ”たことで議席が転がり込んだだけの結果です。
人気のバロメータを示す比例票は0.6%しか増えていません。
つまり、この党に政権担当能力がないことは国民に見透かされていたわけです。
 
こうした同党の弱点を突き、石破首相(というより森山幹事長)は、立憲民主党と組む「大連立」を目論んでいるのではないでしょうか。
国会の予算委員長を始めとする重要な委員長ポストを立憲民主党に渡すという策略(?)から、そうした狙いが透けて見えるのです。
当初、自民党は自公に国民民主党を加えて過半数を維持することを画策しました。
財務省は嫌な顔をしていますが、国民民主党が主張する「103万円の壁」を飲むことで実現できると考えたようです。
しかし、国民民主党が与党には入らないことを明言したことで、この案は後退しました。
そこで、立憲民主党をポストで釣る策に出たわけです。
 
確証はありませんが、このシナリオの背景に財務官僚の策略の匂いがするのです。
目玉の予算委員長に就任した安住淳氏は、13年前の野田政権時代に財務大臣に就任しました。
このときに財務官僚とのパイプができたのだと思います。
そもそも立憲民主党のバックにいる労働組合「連合」は、公務員労組と企業労組の寄り合い世帯です。
そのうちの公務員労組は岩盤ともいえる立憲民主党支持です。
そこからも、同党と財務官僚たちとの距離が近いことが伺えます。
 
一方、国民民主党は28議席と大幅に議席を伸ばしました。
特に、比例票が2.4倍増の617万票となり、公明、維新を上回り、第三党に躍り出ました。
ただ、本当は31議席になれたはずが、比例の候補者不足で3議席を逃したことは痛恨のミスでした。
 
同党の今回の躍進は「国民の手取りを増やす」という分かりやすいキャッチコピーが効きました。
若年層を中心に、働く世代に広がる不満・不安を他党は軽視し過ぎていたわけです。
このように、上手に国民の関心を引き付けた同党ですが、政党としてはまだまだ足腰が弱く、来年の参院選に向けて組織強化をどこまで進められかが大きなカギです。
その努力結果を見てからでないと同党の将来の判断はできません。
 
と思っていたところ、玉木代表の不倫騒動です。
犯罪ではなく内輪ネタですが、イメージダウンは大きいし、代表としての脇の甘さは大きな問題です。
しかも、代わりとなると榛葉幹事長しかいないという層の薄さも問題です。
榛葉幹事長は、代表よりNo.2として力を発揮するタイプなので、玉木代表を下ろすという判断は難しいでしょう。
同党は、この危機をどう乗り越えていくのでしょうか。
少々無責任ですが、「高みの見物」といきましょうか。
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇ミサイルが戦争の主役の時代               ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
先月、北朝鮮が弾道ミサイルと思われる飛翔体を日本海に向けて発射しました。
飛翔時間が85分という最長の長さに恐怖を覚えた方も多かったと思います。
しかし、ネットで驚くような映像が公開されました。
それは、航空自衛隊のF15戦闘機が、この飛翔体を撮影した映像です。
このミサイルの速度は不明ですが、F15が飛行しながら撮影できたことの意味が大きいのです。
断定できませんが、戦闘機が追尾して撮影できたということは、このミサイルは撃墜可能ということを意味します。
 
もちろん、戦闘機に搭載する迎撃ミサイルの性能も大きな要素ですが、改良型のF15に搭載予定のスタンド・オフ・ミサイルであるJASSMの性能をもってすれば迎撃は可能だと思われます。
こうした航空自衛隊の能力を向上させることで北朝鮮の意思を挫くことも大切ではないでしょうか。
 
世界最初のミサイルは、旧ナチスドイツのV1、V2号ロケットという話は有名です。
このミサイルの発明者、フォン・ブラウン博士は、戦後米国のミサイル、ロケット開発を先導したことで有名な人です。
私は、中学・高校時代、博士に憧れていて、本気でNASAに入りたいと思い勉強しました。
残念ながら、大谷君と違い、自分の願いは破れましたが・・
 
80年前のV1、V2号ロケットは無誘導ミサイルでしたが、電子技術とソフトウェアの発達で、現代のミサイルはピンポイントの正確さを有しています。
ウクライナ戦争で明確になったのは、こうしたミサイルの性能において、ロシアが西側に遅れをとっているという事実です。
そのことで、ハイマース、パトリオット、エイタクムスといった米国製ミサイルに世界中から注文が殺到しています。
一方、ロシアが「究極のミサイル」と豪語しているサルマトは発射失敗が続いています。
発射できても命中率が7発中1発という低さで、戦力になるかが疑問視されています。
それでも、プーチン大統領は2022年に配備を命令しました。
「はて、使い物になるのか?」と西側は疑問視していて、特段の対抗手段を取る気配はありません。
 
ソ連時代のロシアは、ウクライナのドニプロ工場で新型ミサイルの開発・設計を行っていました。
それが、ソ連崩壊後にウクライナが独立したことで、その軍事技術を失いました。
核兵器を搭載できるICBMの開発・運用には、卓越した技術が必要です。
しかし、今のロシアにはその技術だけでなく、そうした能力を持つ技術者も決定的に不足しています。
ロシアが、ウクライナの東部占領にやっきになっているのは、こうした背景が影響しています。
現在のロシアのミサイルやロケット技術は、ウクライナにも劣っているといえるのです。
 
こうした事実は、ロシアの技術に依存してきた中国や北朝鮮にとっても死活問題です。
北朝鮮が執拗にミサイル発射を行うのは、ロシアに頼れないので、自前の技術を上げようと必死になっているからです。
しかし、冒頭で述べたように、F15からのミサイルで撃墜可能となれば、日本の国民にとっては大きな安心材料です。
戦闘機からの発射は、地上発射の迎撃ミサイルより機動性がはるかに良いので、期待できる技術です。
英伊と共同で行うF2の後継戦闘機の開発においては、搭載ミサイルの性能向上にも期待したいところです。
 
----------------------------------------------------------------------
<編集後記>
以前から、どうにも気になっていたのが、石破首相の「‥ねばならない」という言い方です。
そう思っている人が結構いたようで、巷では「ネバネバ言葉」と揶揄されているようです。
この言葉は自分の責任を棚上げする言葉使いであり、リーダーとしては禁句といえる言葉だと認識しています。
ということは、石破さんは「責任回避志向の人」なのでしょうね。
 
 
----------------------------------------------------------------------
◎[PC]配信中止、変更の手続きはこちら
http://www.halsystem.co.jp/mailmagazine/
このメールは送信専用です。お問い合わせはこちらからお願いします。
http://www.halsystem.co.jp/contact/
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
【編集・発行】
  株式会社ハルシステム設計
http://www.halsystem.co.jp
 
  〒111-0042 東京都台東区寿4-16-2 イワサワビル
  TEL.03-3843-8705 FAX.03-3843-8740
 
【HAL通信アーカイブス】
http://magazine.halsystem.co.jp
 
【お問合せ・資料請求】
email:halinfo@halsystem.co.jp
tel:03-3843-8705
 
Copyright(c)HAL SYSTEM All Rights Reserved.
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵