2017年4月15日号(国際、政治)
2017.05.02
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2017年4月15日号
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発行日:2017年4月15日(土)
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2017年4月15日号の目次
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★半島状勢はどうなる?
★日本の防衛
☆日本は怖しい沼地だ
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
満開の桜を見上げても晴れやかな気分になれない国際状勢です。
しかし、目を国内に転じれば、緊張感のかけらもない国会の有様が見えるだけ。
それが一番の危機かもしれません。
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┃★半島状勢はどうなる? ┃
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北朝鮮と米国の戦争が現実味を帯び、世界中が緊張の中にあります。
結論を予測すれば、“戦争は起きない”と思います。
もちろん、両国の指導者の性格を考えると、戦争に突き進む可能性も否定できません。
しかし、そのカギを握っているのはトランプ大統領でも金正恩でもなく、中国の習近平主席です。
米中首脳はフロリダでの直接会談から日を置かずに電話会議を行っています。
詳細は伏せられていますが、トランプ大統領が習近平主席に対し、北朝鮮を本気で止めるよう迫り、止められないのなら、米国が単独で北朝鮮を叩くと”脅した”と報道されています。
それも、相当の圧力だったと思われます。
そして、この駆け引きは圧倒的に中国のほうが不利です。
巷ではいろいろ言われていますが、米軍の軍事力は圧倒的です。
初戦の一斉攻撃で北朝鮮の軍事力の大半は壊滅します。
たとえ撃ち漏らしたミサイル基地からの反撃があっても米国に直接の被害を与えることはできず、二次攻撃で完全に沈黙してしまうでしょう。
つまり、米国が直接受けるダメージはほとんど無いのです。
それに対し、中国への影響は深刻です。
戦争の被害ではなく、難民の殺到など、北朝鮮の政権崩壊の影響をもろに被ります。
中国は、必死になって北朝鮮の自制を求めているものと思われます。
北朝鮮に対し、戦争となれば中国は「北朝鮮を見捨てる」とまで脅迫している可能性もあります。
こうなると、金正恩が中国から見放されても核実験を強行するかどうかにかかってきます。
しかし、北朝鮮の核兵器は、まだ実戦に使用できるレベルには到達していないと思われます。
原爆の小型化とともに、弾道ミサイルの飛行に合わせて原爆を制御することはかなり難しいのです。
北朝鮮は、連日、激しい言葉で挑発を続けていますが、裏返して見れば、戦争する自信が持てないのです。
軍事パレードを誇示するだけに終わるのではないかと思っています。
あるいは、せいぜい短距離ミサイルの発射レベルでしょう。
北朝鮮のNo.2が「核攻撃を受けた場合、核攻撃で反撃する用意がある」と述べましたが、この言葉は北朝鮮が弱気になってきている証拠と見ています。
米国が核の先制攻撃などするはずはないからです。
「攻撃を受けた場合」ではなく「核攻撃を受けた場合」と言っていることがカギです。
米国の脅しと中国の説得により核実験を見送ることを“弱気”と取られないよう、こうした言葉を口にしているのだと思います。
それでも、戦争が回避され、米国艦隊が引き上げれば、「米国は、我が国に恐れをなし、尻尾を巻いて逃げ帰った」と強がりを言うでしょう。
しかし、今回の危機が回避されても、北朝鮮が北東アジアの火薬庫である現実は、少しも変わりません。
米中は、本気になって半島の危機の排除に動くべきです。
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┃★日本の防衛 ┃
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北朝鮮をめぐる今回の緊迫した状勢は、我が国の防衛を考え直す良い契機になったと思う。
戦争は「平和宣言」などで防げるものではない。
現行憲法を「平和憲法」というが、この通りの国になったら、周辺国にいいようにされるだけであろう。
日本が再独立を果たす前、軍事力もない時に、李承晩ラインにより竹島を実効支配されたことなどは良い例ではないか。
あえて言うが、現行憲法は、防衛を考えることを放棄した「無責任憲法」といえる。
「無責任・・」などと言うと、私の周りの人からも非難されると思うが、冷静に考えて欲しい。
日本国民は、平和憲法では危ないと思うから、歴代内閣の憲法解釈の拡大を容認し、専守防衛という防衛力の保有を認めてきたのではないか。
しかし、核兵器を持つ隣国から脅しを掛けられるという現実は、「専守防衛」という限定された防衛力の限界を露呈しつつある。
それゆえ、敵基地の攻撃という純粋な攻撃力の保持が議論に上ってきているのである。
しかし、そうした議論をすること自体が「悪」だという風潮が強いのも事実である。
平和は、太陽や空気のように「あって当たり前」と、深く考えることもしないのが今の日本人なのであろうか。
こうした議論は、「武器を持たない平和」を信奉されている方には不快であろう。
そういう方々から見たら、私は「とんでもない好戦家」となるのであろうが、戦争が好きなわけではない。
私には、先の戦争で、若くして戦死した叔父たちがいる。
あの戦争がなければ、その叔父たちにも会えたはずである。
残された写真の叔父たちは、みな20歳そこそこの若者である。
今でも、それらの写真を見るのは辛い。
また、終戦がもう少し遅れたら、最前線で戦っていた私の父も戦死し、私はこの世に生まれてこなかったはずである。
戦争が好きなはずが無い。
しかし、防衛問題を語るだけで、また、憲法改正を口にするだけで、戦争支持者呼ばわりをされる。
そう非難される方々には、そうした「言葉の暴力」が戦争を生んできたことを考えて欲しいのである。
平和運動に熱心になっている方々の言動が、どんどん好戦的になることは、誰もが感じていることと思う。
いかに気に入らないと言っても、著名人が自国の首相を「アベ」と呼び捨てにし、「殺してやる」とまで口走る。
それもまたひとつの狂気であることに気付いて欲しいものである。
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┃☆日本は怖しい沼地だ ┃
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「日本は怖しい沼地だ」
この言葉は、遠藤周作の小説「沈黙」に出てくる宣教師のフェレイラが同僚に語った日本人のメンタリティを表した言葉である。
以下は、この小説の中でフェレイラが語った言葉である。
「この国は沼地だ。やがてお前にもわかるだろうな。この国は考えていたより、もっと怖しい沼地だった。
どんな苗もその沼地に植えられれば、根が腐りはじめる。葉が黄ばみ枯れていく。我々はこの沼地に基督教という苗を植えてしまった」
この言葉をまともに受け止めてしまうと、日本という国は「毒を含んだ国」と誤解されそうだが、そのような意味ではない。
古代から続く日本文化をこのように表現したのである。
古代日本は、中国からもたらされた漢字や仏教などの中国文明の成果物を受け入れながら、しかし、中国に同化することはなく、土着の宗教(神道)を捨てることもしなかった。
それどころか、漢字からひらがなを生み出し、律令を受け入れながらも厳格な法制度にはせずに惻隠の情という余地を残した。
大岡越前や遠山金四郎の話(大半が作り話)なども、そうした土壌から生まれてきた話である。
さらに半島からもたらされた鉄製の直刀から、切れ味だけでなく文化品のレベルにまで昇華した日本刀を生み出した。
刀の柄に宝石などを埋め込んで文化品にした例は外国にもあるが、何の装飾も施さず、武器そのものを文化品にしてしまったのは、古今東西、日本だけであろう。
茶の湯も生け花も、みな海外から入ってきて、日本で品種改良した文化なのである。
中国では衰退していった仏教が日本で広く浸透したのも、そうした日本の土壌があったからではないか。
明治以降も、日本は欧米の文化を貪欲に吸収し、短期間で近代国家へと変貌を遂げたが、決して欧米に同化することはなかった。
第ニ次世界大戦で敗れた後は、米国の支配を受けたが、やはり米国に同化することはなかった。
そのように、外国の苗を持ってきて植えても、日本という「泥沼」では、そのままでは育たず、
この土壌に合うように品種改良された苗しか根付かない。
16世紀にもたらされたキリスト教は、品種改良を怠ったために日本には根付かなかったということである。
そのことを「怖ろしい沼地」と表現したのである。
日本独自で世界には無い製品や技術のことは「ガラパゴス」というが、この表現は正しくない。
ガラパゴス島は絶海の孤島で、他の種が全く入らないために独自の進化を遂げた島だが、日本はそうではない。
あらゆる文化を貪欲に吸収しながらも、どの文化にも同化せず、品種改良して根付かせてきた「沼地」なのである。
だから、外国人から見れば「怖ろしい沼地」なのである。
日本が容易にグローバル化しないことも、ここに原因があるのではないか。
これからの日本を考える場合、無視できない要素のように思う。
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<編集後記>
少し古い話題になりますが、トランプ大統領が、米国を訪問したドイツのメリケル首相に、3000億ドル(約33兆円)の請求書を出したということです。
米国がNATO諸国を守っていることの請求書だと言われていますが、びっくりです。
しかし、安倍首相にはそうした請求書は出さなかったようです。
トランプ大統領は、個人的に気にいるかいらないかで、態度が180度違うようです。
安倍首相には、その線で頑張ってもらいましょうか。
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